2015年11月6日金曜日

JBCスプリントを振り返る

ゲートに課題がある馬が居るだけにスタートに注目していたが、前走の東京盃で後手を踏んだコーリンベリー・ダノンレジェンドの2頭は今回はゲートをスンナリと出ており、コスモフィナンシェが大きく出遅れたのが目立っていたが、地味に人気のベストウォーリアが出遅れてしまい、その後馬込みを捌きポジションを挽回するのにやや苦労していた印象。
レースはゲートをポンと出たコーリンベリーがハナを主張し、外枠からポアゾンブラックが2番手につけ、直後の3~4番手にタガノジンガロとダノンレジェンドが併走、スタートで後手を踏んだベストウォーリアも3角手前でようやく好位まで押し上げノーザンリバー・サトノタイガーらと並んでレースを進めるが、馬なりで逃げるコーリンベリーは直線入り口で後続を突き放してリードを広げるなど脚色に衰えは見れず完全に逃げ込み態勢に入り、ダノンレジェンドの追撃を3/4馬身封じて勝利した。

勝利したコーリンベリーはゲートをまともに出ればスピードが違う印象で、抜群のダッシュ力を活かしてハナへ行くと入りの3ハ34秒7と馬場コンディションこそ違うが同距離の今年の東京盃とドッコイの楽なペースに持ち込む事に成功、その貯金が活きて直線で後続を突き放すとゴール前でのダノンレジェンドを猛追を凌いで逃げ切った。
牝馬と云う事でオトコ馬から2K貰いの斤量で競馬が出来た事は大きいし、この日の大井はインが伸びて前残りの傾向が強かっただけに2番ゲートを引き立てた事、更に言えば東京盃でハナへ行った同型のシゲルカガが補欠となり今回出走が叶わなかった事に対して同じく補欠だったコーリンベリーは直前でタガノトネールが回避した事で出走可能になるなど大きいレースを勝利するのに必要な運の強さがコーリンベリーには有ったのは確かだが、運の強さだけではなくスプリントGⅠを制するだけのスピードがあったから今回の勝利に繋がったと考えるべき。

2着にダノンレジェンドもスタートで後手を踏んだ東京盃と3角手前で外枠のポアゾンブラックが切れ込み気味に前に入った事から無理せず3番手から競馬を選択、3~4角で外を通ってジワリとポジションを上げ、逃げるコーリンベリーを射程圏内に入れようと試みたが、楽逃げを打っているコーリンベリーにコーナーリングで突き放されてしまい万事休す、直線に入ると猛然と追い込んで何とかコーリンベリーを捕まえようとしたが、前は止まらず3/4馬身差まで詰め寄るのが精一杯だった。
3角手前でのポアゾンブラックがやや強引に2番手につけた際にポジションを下げてしまい、その結果終始外外を回るロスの多い競馬を強いられた事が最後に影響した印象があり、前走の東京盃で見せた抜群の二の脚を使いポアゾンブラックが動く前にコーリンベリーの外2番手につけていれば勝負はもっときわどくなっていたかも知れない。

3着のベストウォーリアは久々の6ハのレースに戸惑ったと云うよりも上記した様にスタートで後手を踏み、馬込みを捌いてポジションを挽回するのに苦労するなどレース序盤からリズムを崩して流れに乗り損ねた事が結果的に致命傷になった印象で、3角手前では何とか好位のポジションまで押し上げたが、直線ではジワジワと伸びただけで前2頭との差を詰める事は叶わずに終わり、3着と云えども完敗に等しい内容。

4着のレーザーバレットはスタートこそ五分に出たが、ダッシュがつかず中団よりやや後ろのポジションをインから追走するが、入り3ハが34秒7とスプリント戦としては緩い流れとなっただけに、如何にインが伸びるこの日の馬場でもこのポジションでは厳しいのは明白、直線では馬込みをヤネが巧く捌いたが肝心の馬の方が全く弾けず、ジリジリと伸びただけでベストウォーリアを交わす事が出来ない4着と云う結果。
まぁ、馬場に殺されたと言ってしまえばそれまでだが、レーザーバレットはもう少し前目のポジションで競馬が出来ると思っていただけに正直期待ハズレのレース内容だったのは確か。

5着のドリームバレンチノもスタートは五分に出たが、徐々にポジションが下がり中団よりやや後ろのポジションからの追走も、こちらは13番ゲートと云う事もあって大外を回るロスの多い競馬、直線に入ると大外を通って一瞬伸びかけたが、残り100では脚色が他馬と同じになり、昨年のこのレースの覇者の意地を何とか見せてゴール寸前にサトノタイガー・ポアゾンブラックを交わし掲示板には載る事に成功したが、馬場と枠順に殺されて不完全燃焼のままレースを終えた印象が強い。


see more info at 南関診断士の南関競馬徒然草