●有馬記念の出走予定馬展望:ゴールドシップ
2015 12/27(日)
第60回 有馬記念(GI) 中山芝内2500m
出走予定馬一覧
【有馬記念2015出走予定馬の中から注目馬は?】
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有馬記念の出走予定馬全頭展望の最後を飾るのは、ファン投票第一位、競馬界を引っ張ってきた白いヤツ、ゴールドシップ。数々の浮沈を重ねながらも決して心折れることなく進み続けた不沈艦、長い航海の最後に待ち構える大波が有馬記念だ。3歳でグランプリを制覇という快挙、宝塚記念の連覇、そして今年は天皇賞春で3度目の正直を成し遂げ、GI6勝は現役最多。文字通り競馬界を長く引っ張ってきた第一人者だ。3年連続3着以内に入っている有馬記念、中山を雪よりも一足早く白に染めろ。
良くも悪くもここ数年の競馬の象徴と言ってよかったのがゴールドシップ。勝つか負けるか、馬券になるかすっ飛ぶか、そういう見方はもちろんあるが、一つだけ言えるのは今回の有馬記念ではゴールドシップの挙動に注意せよ、ということだ。
ひとまずは今年の天皇賞春を振り返ろう。京都芝外3200m戦でペースバランスは61.4-74.3-59.0とスローではあるんだがこのレースにしては道中で13秒台を全く刻まないという競馬。これは前々のクリールカイザー田辺とアドマイヤデウスが掛かって押し上げてという要素があって、12.4 - 12.3 - 12.5 - 12.0 - 11.7 - 11.8 - 11.5 - 12.0と1周目スタンド前までは押し上げるポイントがなかった。例によって出負けして後方からの競馬、スタンド前では大外に持ち出して捲るイメージを持ちつつもアドマイヤが掛かったのでここでは動かず。しかし道中もそのせいで息が入り切らず、仕方なく前もそこまで緩めていない中で向う正面で大外から動いていく。3角までには押し上げてそこから前がもう一段階加速する中で押し上げずに中目を追走という形で直線に入る。最序盤で待って仕掛けたカレンミロティックの強烈な出し抜きを喰らって万事休すか?となったがそれでもそこからしぶとくばてずに伸びてカレンを捕え、一難去って今度はフェイムゲームの強襲とまた一難。何とかしのぎ切ったところがゴールだった。ポテンシャルで底しれないオルフェーヴルとの対決で完敗を喫した有馬以来は流石に化物レベルのモノは見せられなかったと思うが、それでもこの競馬で長く長く脚を使ってもなお直線でもう一足を使えるぐらいのポテンシャルは流石に現役では最上位だろう。もちろんフェイムゲームは強敵なんだが、フェイムは3~4角で最内我慢したというのが大きい。もちろんここしかないというところで動いてコーナーでは押し上げずに脚を使わなかったこともあるが、それもすべてこの馬のポテンシャルをフルに活かしたうえでの戦略ともいえる。そしてそういう戦略を使えるだけの武器を持っているが、それを引き出すには鞍上を選ぶというところだ。
ただ、ハッキリ言ってトップスピード戦では苦しい。少なくともトップスピード戦で最高に対応できていたのは岩田とのコンビだけ。昨年の有馬記念は流れ的に拙い展開だったと思うんだが、それでも何とか脚を使ってきた。中山芝内2500m戦でペースバランスは63.0-59.3と4秒近い超ドスロー。ラップ推移も13.2 - 13.0 - 12.3 - 12.4 - 11.5 - 11.2 - 11.9と2段階加速になっている。一応向こう正面で前もじわっと加速はしているのでここでペースが上がったかと勘違いしたか、ジャスタウェイ含めて後続の仕掛けは非常に遅かった。一番最初に動いたゴールドシップですら3角でようやく上がっていくという形。当然そこから前が11.5-11.2-11.9と4角出口~直線にかけてまで急激にペースを引き上げてトップスピード戦になった。その流れで外々から3列目で喰らいついて直線を向くんだが、そこからはジリジリ、L1でのバテ差しもイマイチでトゥザワールドに見劣っての3着。もちろん対応はできたが、内で包まれて進路なく動けなかった各馬も多かったし、内容的にはやはり物足りない競馬だった。ただ、岩田とのコンビだと昨年の阪神大賞典でもそうだが、待ってから動くという競馬ができているし、何より出負け癖がそこまで出ていない感覚。戦略をイメージできないが単純にゴールドシップを動かすうえでの相性という観点で見たら岩田が一番だったかもしれない。
前走のジャパンカップでは横山典弘とのコンビ、捲りを封印された状態でそれでも動かざるを得ない展開ではあった。59.3-60.5と1秒のハイペースだが実際は離れた番手でせいぜい平均ペース。12番枠からやはり出遅れて二の足もつかずに最後方に下げての競馬。そこから道中で少し動いて後方3番手ぐらいの位置で3角を迎える。12.6 - 12.7 - 12.5 - 11.8 - 11.5 - 12.0のラップ推移で3~4角では前もペースを落としているという中で外から動いて好位列に並びかけて前を向いて直線。序盤でそこから手応えはよっそうだったがL2の最速地点で差を詰められずにジリジリ。L1までばてずには喰らいついていたがこれと言って伸びる気配もないままなだれ込んだ。まあ須貝師が捲らないでくれという指示を出していたということなので、ノリとしてはそれでもこれしかないというところだっただろう。3角で動かなければ恐らくどうにもならなかっただろうし、動くタイミングはあれしかなかったと思う。まあもちろんだが捲るイメージで進めてほしかったし、3~4角でも前のラップはコントロールされていたわけなので、あれでも前を向いて直線勝負にという形になっているのでそこでキレ負けしたのであれば極端ではないトップスピード戦でも厳しかったという判断だ。
この馬のパターンとしてはやっぱり基本的には後半終始12秒前後というのが理想になると思う。そのうえで一番厄介なパターンが恐らくAJCCみたいなレース。AJCCはこれも先行勢が厄介なレースメイクをしたことでトップスピード戦になってしまった。63.0-58.7とこれも超スローなんだが、12.1 - 11.9 - 12.1 - 12.0 - 11.4 - 11.2 - 12.0と前がシップが動く前にペースを一気に引き上げて12秒前後の超ロンスパに見せかけて、実際はもう一段階明確に加速するラップを踏んだ。後方外から1~2角で動こうとしていた岩田、そこで前が一気にペースを引き上げてリードを広げたことで押し上げる意識を抑えてしまった。3角手前動かずに少し下げて我慢、4角でようやく追い出すのだが当然ここで11.4とかなり速いラップを踏むわけで追いつめられるわけもなく下がって後方。直線入りでは11.2で前が出し抜く競馬、l1までジリジリとは脚を使っていたが当然届く位置ではなかった。こういう形でまだレースが流れていない段階でポジションを上げきれないとコーナーでペースを引き上げられて終了である。こういうタイプの馬だけにいかにどこで動くのか、動くべきタイミングを逃さないことが重要であり、このレースに限れば遅い最序盤の段階で一気に前に行くべきだったと。これは宝塚記念もそうなんだが多少前半無理をしても脚を使わされない、札幌記念でもゴリゴリのハイペースで最後まで脚を使っているように、基礎スピードの幅自体は非常に広い。要はエンジンの掛かりが悪くて追走ができないだけである。
前述の通り、先行馬が上手くレースを作ってくるとシップとしてはなかなか難しいところはある。それと、やはり全盛期に比べて底知れぬポテンシャルも幾らか限界を感じさせる、底を感じさせることもある。天皇賞春は勝ったしあの競馬でもかなり強烈なんだが、それでもL1でちょっと甘くはなってしまっているので、シップの競馬ができたとして勝ち切れるかどうかは実は微妙に感じていた。ただ、それはショウナンパンドラの回避によって楽になった面はあるかなと。仮にスローの形でレースが動かず、向こう正面でシップが押し上げて春の天皇賞の様に3コーナーまでにしっかりと好位まで押し上げ、かつペース全体もしっかりと上げ切って11秒前半を問われないような競馬に持ち込めれば恐らく好勝負可能だと思う。春の天皇賞では距離も違ったので難しいが、それでもラストインパクトは内容的に見ても完封している。ここ2走はペースの差はあれど一定レベルのトップスピードを要求されているし宝塚記念は超出遅れでコーナー最速、もうどうにもならなかった。ポテンシャルも全盛期からは陰りを見せているにせよ、現役の中では恐らく最強ではあると思う。シップの競馬ができるか、それはやはり緩い段階で動くことしかない。トップスピード戦では今回のメンバー好瀬だとかなり厳しいだろう。今回は前がルメールと横山典弘がレースを作るということになるので、例えば厄介なのはAJCCのように最序盤が緩すぎて捲るまでの体勢・心の準備が整うまでにペースを強烈に落とされて、捲るタイミングを前のペースアップで潰されてしまわないかどうか。淡々と流れての消耗戦なら札幌記念の内容から見ても全く問題ないので、緩いうちに迷わずに前に前にの意識を持てるかどうかだけ。多少厳しい流れでも前につけられてばつけた方がいいのは過去の宝塚記念が証明している。とにかくレースをゴールドシップの色にできるかどうか、動き出しでシップの競馬に持ち込めるか、これに尽きる。鞍上を負かされた内田もここまでの紆余曲折があり過ぎて体裁はともかく内心はフラットな気持ちで臨めるような状況ではないと思う。それでも、全てをゴールドシップに捧げ、内田博幸のまさに全てを賭けて乗ってもらいたい。ゴールドシップと苦楽を共にしたものとして、ゴールドシップの強さを証明してもらいたい。
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2015年の中央競馬を締めくくるグランプリレース有馬記念。今年はGIホース7頭を含む豪華なメンバーが揃うが、確固たる本命馬不在で混戦模様だ。
注目はまずファン投票1位のゴールドシップだろう。今回が引退レースとなり、元主戦騎手の内田騎手が手綱を獲る。ラストランは強いゴールドシップが見られるのかどうかが、このレースの最大のポイントになってくる。
続いて年間グランプリ連覇で、年度代表馬の勲章を狙うラブリーデイ。秋から4戦目となるためまだ余力が残っているのか、直前のジャッジがポイントになる。さらに3歳勢を代表して菊花賞1・3着のキタサンブラック、リアファルが一流古馬と初対戦。牝馬も層が厚く、ジャパンC勝ち馬ショウナンパンドラを筆頭に、エリザベス女王杯1・4着のマリアライト、ルージュバックがスタンバイ。他にもジャパンC2着のラストインパクト、急上昇上がり馬ゴールドアクター、昨年の菊花賞2着馬サウンズオブアースも虎視眈々と大金星を狙っている。どの馬にもチャンスがあり、馬券に絡む馬を見つけ出すには直前の気配と、関係者からの情報が必要となってくる。
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