うまあんてな: 【阪神ジュベナイルフィリーズ2015】出走予定馬：アットザシーサイド、母の３着以上を狙える不気味な末脚の持ち主だ

2015年12月7日月曜日

【阪神ジュベナイルフィリーズ2015】出走予定馬：アットザシーサイド、母の３着以上を狙える不気味な末脚の持ち主だ

●阪神ジュベナイルフィリーズ出走予定馬展望：アットザシーサイド
2015　12/13(日)　阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)　阪神芝外1600ｍ
出走予定馬一覧
阪神ジュベナイルフィリーズ2015の出走予定馬一覧

【阪神ジュベナイルフィリーズ2015出走予定馬の中から注目馬は？】
注人気ブログランキングへ（20位前後、プロフィール欄にあります。）

　京都芝1400ｍ戦の内回り、外回りで連勝し２歳女王決定戦の阪神ジュベナイルフィリーズに出走予定なのがアットザシーサイド。前走はルメールでしっかりと勝ち上がってきたが今回は三浦とのコンビとなる。この辺りに加えてやはり阪神のマイル戦というここ２走とは全然違うコースという点もカギになるだろう。ただ底知れなさという点ではトップクラスで不気味な馬。母ルミナスハーバーがウオッカの３着と爪痕を残したこのレースで、娘がそれ以上の結果を導けるか。

　穴になるかどうかは蓋を開けてみないと分からないところもあるが、現時点では不気味な穴馬候補の一頭になるとみている。もちろん適性的に阪神マイルがこなせるかだが、母もこの段階ではギリギリこなしていたしこの馬もこれまでの内容的にマイル延長に対応してきてもというところ。

　まずは新馬戦を振り返る。新馬戦は京都芝1400ｍ戦でも内回り、菊花賞当日で散水の影響を受けて超高速時に比べると時計が掛かってはいた。ペースバランスは34.4-35.7と明確にハイペースを刻んでいて、11.4 - 11.9 - 12.1 - 11.8 - 11.8とラップ推移的にはコーナーで減速し４角出口から加速、直線でも落とさないというレースラップ。最内枠から五分のスタート、出脚もまずまずだったが２列目が雁行状態になりそうなのを嫌って一つ下げて中団という感じ。レースは新馬戦にしてはかなり流れてその中でスペースをじわっと詰めながら中団で３角という形になる。３～４角でも３着馬を目標にしながら中団の最内で我慢して直線。序盤で４列目から進路を中目、徐々に外に持ち出すもまだ４馬身ほどの差がある。これをＬ１だけでスッと伸び切っての完勝だった。ポイントになるのはやはりこのペースでこの馬はＬ１で加速してきているというところにある。前のレースラップが11.8ということを考えても４馬身差を縮めようと思えば11秒前後の脚を使ってきていることになる。しかも中団大器とはいえある程度の流れから、である。これは基礎スピードの幅としてかなり高いレベルのモノを見せているし、一頭だけ底を見せずこのペースからトップスピードを引き出す余力があったと。この辺りはまず最大限に注目したい。

　そして前走である。秋明菊賞は外回りに替わってペースバランスは35.7-34.7と今度はスローペース。緩い流れから徐々に加速して12.0 - 12.2 - 11.8 - 11.6 - 11.3とＬ１最速戦。ギアチェンジはそこまで要求されてはいないがトップスピード勝負と言って良い。ここも最内枠でやや出負け、そこからじわっと出していって中団から２列目のポケットを狙いそうだったが４番レイリオンが内に入ってくるのでそこで諦めてやや後方の内目で様子を見る。３角でも最内で我慢しながら、４角で外目に誘導しつつ中団馬群の真ん中で進めていく。序盤でスッと伸びて来て２列目に並びかけ、Ｌ１で馬群を切り裂き楽な手ごたえで抜け出しての完勝だった。Ｌ１まで差を広げ続けたし、一頭違う競馬で底を全く感じさせない強い競馬だった。

　現時点ではかなり面白い一頭ではあると思っている。もちろんこの世代はアルテミスＳを最優先すべきかなとは思っているんだが、別路線の中で考えるのであれば一番手となっても良いぐらいのここ２走の内容だったといえる。特に新馬戦では基礎スピードの幅を見せ、秋明菊賞ではＬ１最速の中で中団馬群からしっかりと反応して突き抜けているという点。どちらもギアチェンジがそこまで問われなかったとはいえ、追い出されてからの良さは明らかだった。特に厳しい流れからでもトップスピードを高いレベルで引き出せているというのは阪神ＪＦでは重要な要素になるし、前が結構飛ばして全体的にも平均ペースぐらいまでは上がってくることが多いこのレースでついていってトップスピードをというイメージができるのは良い。もちろん距離延長は課題ではあるが、少なくとも後半勝負に徹してもまだまだ底を見せていないというのは事実。どちらのレースでもＬ１で後続との差を広げているしレースレベルの程度の差はあれ脚を出し切っていない不気味さはある。個人的には三浦に替わるということの方がやはり不安かなと。焦らずにしっかりと脚を出し切れれば通用していいものは持っている。強敵も少なくないが、トップスピードの質と基礎スピードの幅は侮れない。