●阪神ジュベナイルフィリーズ出走予定馬展望：メジェルダ
2015 12/13(日) 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI) 阪神芝外1600ｍ
出走予定馬一覧
【阪神ジュベナイルフィリーズ2015出走予定馬の中から注目馬は？】
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既に５戦とキャリアは豊富、そして４連対でファンタジーＳでも２着と安定感をしっかりと見せているのがメジェルダだ。勝ち切れないがその代りにオーバーペースにならなければ安定してしぶとく抜け出し粘り込める。その持ち味をこの1600ｍの大舞台阪神ジュベナイルフィリーズでどこまで発揮しきれるか。距離延長に時計が掛かりがちの年末の阪神と課題は多いが、持ち前のスピードを活かして粘り込みたい。
まあ適性条件としては前走がベストに近いかなという感じだったし、阪神マイルでとなるとちょっと難しいだろうと思う。前々から一瞬の脚で出し抜くイメージだが、ファンタジーＳのレベルでＬ１が甘くなってしまっているとなると今回のメンバー構成では平均ペースを作って仕掛けを待ってどこまでってところだろう。
ここ２走をまずは振り返る。２走前のりんどう賞は京都芝外1400ｍ戦でまだまだ超高速馬場状態の時。ペースバランスは36.1-34.2とこの距離で２秒近い超スローと言って良い。ラップ推移も11.8 - 11.6 - 11.0 - 11.6とＬ２最速のトップスピード戦だが直線平坦の京都であることを考えるとＬ１はやや落としている。まずまずのスタートから二の足の差でサッと逃げる。そのままドスローにコントロールして３～４角も最内を我慢しながら直線を向く。序盤で仕掛けられるとスッと反応して出し抜きにかかる。しかしＬ１ではウインミレーユにジリジリと伸びてこられてバテ差しを喰らった。レースレベル自体が低かったとは思わないが、後半特化戦で仕掛けを結構待てたししっかりと直線で速いラップに持って行くギアチェンジやそこでの切れ味では勝ったがそれを維持するにはちょっと足りなかった。ＴＳ持続力は並だなという印象。
前走のファンタジーＳはそれをある程度前半からペースを作ってフォローしてきた感じ。35.4-34.2というペースバランスでスローではあるが極端ではなく後半もしっかり落とさずにきた。12.1 - 12.3 - 11.5 - 11.2 - 11.5とラップ推移的には前半は速くとも中盤緩めてしっかりと３Ｆ勝負に持ち込めたことは大きいだろう。３番枠から五分のスタート、二の脚の速さでしっかりとハナを取り切る。道中でタガノヴィアーレも絡んできたので前半はある程度のペース。しかし単騎になったことでかなり緩めて３角の坂の上り下りあたりではペースをコントロール。それでも後続はそこまで詰めてこないので４角あたりからしっかりと出し抜く意識で仕掛けて直線。序盤ではしっかりと出し抜きを計るが内からはブランボヌールに反応される。それでもＬ１ではしぶとく粘って最後にキャンディバローズには差し切られたが２着は確保した。ブランボヌールの方が直線入りでの反応が良かったのは驚きだったが早めに仕掛けてＬ１まで踏ん張ったのはメンバー構成を考えるとやはり上出来だったとは思う。このメンバーだとある程度ペースを作って平均に近い競馬だったほうが基礎スピードを見せてきたこの馬としては良かったかもしれないが、中盤に息を入れて再加速する形で対応できたのは一定の評価はしたいしマイルに向けてもある程度の目途立てられたとはいえる。ただキャンディバローズにはきっちりと捕えられていて、少なくとも完敗の２着ではあった。
1200ではブランボヌールに完敗だったが、特に函館２歳Ｓは実際かなり崩れている。雨で稍重表記だがかなり時計が掛かっていた函館の洋芝1200ｍ戦でペースバランスで見ても34.1-36.5と２秒以上と超ハイ。11.3 - 12.0 - 12.3 - 12.2とＬ１誤差程度の加速だがこれは突き抜けたブランボヌールのラップというのもある。２着以降は純粋に減速ラップで入線しているだろう。その流れを作る逃げの手に出て３～４角でも手応えはまだあったが直線序盤で徐々に厳しくなりブランにはあっさり突き抜けられる。そうなると抵抗もできずに下がっての７着完敗だった。この一戦の内容と新馬の比較で見ても、やはり本質的にはスピード勝負向きという印象ではなく、平均ペースぐらいで前半の総合力…二の足の速さ含めたポジショニングや基礎スピードの幅の広さ、そしてそこから動いてトップスピード戦に対応できるという点を活かした方がいいだろうという結論にはなるかなと。
結論から言えば阪神ジュベナイルフィリーズ向きではないなというのが一つある。まあそもそもだがファンタジーＳで前々から出し抜いて勝ってきたような馬は総合力で勝負してきているわけで、素材型が力を出し切りやすい阪神1600だとごまかしがきかないことが多い。ファンタジーＳ組が全くダメというわけではないが、逃げ切るにしたってある程度長く脚を使ってくるというところを見せてほしかったが、ここ２走は明らかに出し抜きの競馬だし、２走前はやはり甘くなった。息を入れての３Ｆ勝負となった前走でも捕えきられている時点で阪神外1600で後半勝負ではちょっと厳しい。マイルは不安だがやはり前半の基礎スピードの幅に期待を込めてしっかりと前々で先導していくしかないだろう。スローに持ち込んで直線ヨーイドンになってしまうとまず後半の勝負で苦戦してしまう。要所での動き出しもＬ３の地点に下り坂があるわけなので不器用な馬でもトップスピードに乗せやすい。全体のペースを引き上げることで仕掛けを待つ立場に持ち込むしかないだろう。それでうまく噛み合ってどこまで粘れるか。今年は割と混戦模様なので場合によっては圏内まで踏ん張ってくる可能性も十分あるかなとは思うが、ファンタジーＳのレースレベル的なもの次第かなと。少なくともキャンディバローズより上位の評価はなかなか下しにくいし、ウインミレーユにも差し込まれていることを考えると色々な不安、適性という面から考えても阪神マイルでは食指が動きにくい一頭である。現時点では印は回せないか、或いは内枠引いて２列目を取り切った時の３着ヒモ穴、という扱いまでかなと。混戦模様なので最終的には多少前後させるが基本的には今回強く狙うつもりは全くない一頭だ。
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