2016 東京新聞杯(GIII) 東京芝1600ｍ
出走予定馬一覧
一昨年の２歳王者、昨年も古馬を相手に富士Ｓで鋭い末脚を引き出したダノンプラチナ。そして昨年末には果敢に香港マイルにチャレンジも、日本が誇る名マイラーのモーリスが戴冠する中で、こちらは苦杯を嘗める形となった。それでも世代屈指の鋭さは確かで府中適性も完璧に見せてきた。相手関係も楽になる中で、モーリスを追いかける立場としてここは落とせない一戦となる。西がダイヤモンドなら、東は白金の価値ある切れ味をご覧あれ。
まあ、正直に言えばここは勝ってほしいなと思っている馬で、それぐらいの素材であることは富士Ｓで証明できた。朝日杯でもある程度厳しい流れに対応してきたが、敢えて言えばやはりある程度厳しめに流れてやれるかどうかというところだろう。
富士Ｓから振り返る。東京芝1600ｍ戦でペースバランスが47.0-45.7とスローペース、ラップ推移は11.9 - 12.0 - 11.2 - 11.1 - 11.4とＬ２最速だがＬ３の段階でかなり速くなっていてＬ１まで大きく落とさない。ハイレベル戦だった中で高いレベルでのＴＳ持続力が勝ち負けするには問われた。３番枠から出負けしてスペースもなく最後方に下がる形。道中は外目に持ち出して一つぐらいポジションを上げたかなというぐらいで３角。３角では外目からサトノアラジンの直後につけて最後方列で直線。序盤で追い出されるとＬ２の上り坂でしっかりと加速してサトノに並びかける。Ｌ１でサトノとともにロゴタイプを呑み込んでサトノとの叩き合いを制しての勝利となった。ここで個人的に印象に残ったのは、サトノアラジンを差し切ったというところにある。マイル路線での物差し的な馬になっていると思うんだが、モーリスにしてもエイシンヒカリにしてもサトノアラジンに勝っているんだがどちらもサトノより前で勝った。アラジンを差し切ったというのは個人的にはかなり印象に残っていて、トップスピードの質、持続力の高さが素晴らしいと。特にＬ２の最速地点で並びかけているようにとにかく切れるなという印象だった。
香港マイルも振り返っておきたい。まあ難しいレースになったが結果的に脚を出し切る競馬になっていないのは確かである。シャティン芝1600ｍ戦でペースバランスが47.80-46.12と1.7秒あるが、ゲート後の計測の違いがあるので前半が１秒近く遅いことを考えれば平均ペースの範囲には入ってくるかなと。その中で24.58-23.22-23.44-22.68と２Ｆずつのハロンラップ。正直１Ｆずつでないとなかなかきっちりとした適性判断は難しい。目視で見ればＬ１手前で概ね1:22.7程度だったので、Ｌ１が11.2だとすれば概ね11.5-11.2とみてＬ１最速かなという感覚である。そんな中で７番枠から出遅れて後方からになるし、エイブルフレンドが邪魔になってなかなか後方から動けない位置になる。３～４角でも後方の内目で動けないまま直線勝負。直線でモーリスの直後を狙うこともできたが馬群の中に突っ込む選択、伸びかけたところで進路がなくなり、進路確保してまた伸びかけてところでＬ１でも進路がなくなって伸び切れずなだれ込んでの７着だった。まあ上手く進路確保できなかったのは確かで、このラップ推移を前提に考えるとやはり痛かった。ただエンジンがかかったなと感じた時の切れはモーリスやエイブルフレンドと見劣らないレベルのモノを見せたといえるし、高いレベルでのトップスピードを見せてきたと言っていいだろう。
個人的にはこのメンバー構成なら後半の要素だけならはっきり上だと思っていると思うし、もっと言えばマイル路線でモーリスに対抗できる数少ない一頭になると思っている。まあここまでゲートが安定しないと不安しかないが、元々はそれなりに出れた馬なのでここをしっかりとクリアできればというところ。高いレベルではハイペースへの対応が未知数なのでここはカギではあるが、なあこのメンバー構成で府中のマイルならそこまで不安はないだろう。スローならばまず勝負になると思っているし、富士Ｓでも見せた通り東京1600でのスローで12秒台からしっかりとトップスピードに乗せ、Ｌ２の最速地点にある上り坂で動いてサトノの外に並びかけてきたように府中適性はかなり高いはず。どちらも高いレベルにあるが、究極的にはＴＳ持続力よりはトップスピードの質の方が高い印象ではあるので、まあここならスパッと切れてスパッと鮮やかに勝ち切ってほしいかなと思っている。現時点で良馬場ならまず信頼していいかなと。もちろんだが本命候補である。
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