2016年3月30日水曜日

第19回クラウンカップ②

では出走馬の評価をしていこう。


1枠1番ウワサノモンジロウ
道営時代は14戦2勝と一見平凡な成績も、掲示板を外したのはわずか1回だけと大崩れしておらず、この頃は1200Mの短距離ばかりを使っていた事が勝ちあぐねていた理由かも知れず、現実に道営時代の距離1600~1700のレースでは未勝利だが、ニューイヤーC馬モリデンルンバや北海道2歳優駿2着のスティールキングと少差の競馬をしており、南関転入後は距離1500~1700Mのレースで【2・1・0・1】と結果を残している事からも短距離よりはマイル前後がベターと云う印象。
前走の3回船橋・花見月特別ではモーライオー・スマイルゴーイングに競り込まれる厳しい展開になりながら直線で二枚腰を使い2着に粘るなど道中カカリ気味に行きながら直線で渋太いのがこの馬の特徴で、前走の1700Mからわずか100Mでも距離短縮するのは好材料、確かに今回も同型の馬が多く楽な展開になるとは思えないが、控えて味があるかは微妙なだけに自分の競馬に徹して完全燃焼するしかない。

2枠2番ドンナディヴィーノ
初勝利を挙げてから一旦は壁にぶち当たった印象も、差す競馬を覚えてから一皮剥けて暮れの川崎ジュニアOP3着や東京2歳優牝6着とソコソコ面子を相手に戦いそれなりの結果を残せるようになった。
ただ、メイショウボーラー産駒でこれまでの勝ち鞍が1200Mと1400Mと云う部分を考えると短距離の差し馬と云うイメージが強く、オトコ馬相手のマイル戦はベストの条件ではないだけに勝ち負けは厳しいだろう。

3枠3番キングスベンチ
母のベルモントアイリスの全兄に04年のニューイヤーCを勝ったベルモントストームが居る南関では馴染みのある血統馬で、ゲートをモッサリと出てテンに置かれるケースが目立ち、直線で追ってから口向きが悪く外へ張る部分がある事から年を越してから未勝利、重賞挑戦は2回あり地元浦和のニューイヤーCで6着、前走の京浜盃では14着とシンガリ負けを喫している事から重賞を勝つだけの能力は無いと判断するのが普通だが、ウワサノモンジロウとは昨年12月の浦和・フロンティアジュベナイル特別では先着、2回浦和・若盛特別ではコンマ5秒差の4着、1回船橋の特別でヤマノカミのコンマ3秒差3着があり、同じくここに出走しているガーニーフラップに先着した実績があり、混戦が条件となるがこの面子が相手ならば穴に一考の余地があるかも知れない。

3枠4番ヤマノカミ
金沢での重賞2勝や雲取賞3着など今回の面子ならば実績は一枚上の印象のあるが、重賞2勝は金沢のレースだけにレベルに疑問が残るし、雲取3着は1着・2着馬からコンマ8秒も離された完敗に等しいモノ、現実に南関転入初戦の1回船橋の特別戦では格下のスマイルゴーイングと半馬身差の辛勝と云う結果からも実績ほど抜けた能力があるかは微妙な印象で、今回勝利しても不思議ではない反面、アッサリと負けても不思議ではない存在。

4枠5番ハキーム
母のレインボーアルファの半弟には岩手の雄トウホーエンペラーが居る血統で、デビューから2連勝を達成したが、その後は2着・7着・8着と尻すぼみの結果が続く現状、血統面や2戦目の際に3/4馬身競り勝ったドリームパッカードがそれなりの能力がある事から近走不振でも見限れない印象があるのは確かだが、今回は胸を借りる1戦と考えて今後に繋がるレースが出来るかに注目するべき。


4枠6番ディーズプリモ
二代母はキハクだから母のプリモタイムの下にはブンブイチドウやイチリュウ、昨年の2歳ナンバーワンのタイニーダンサーが居る血統で、このキハクの血統は先々の成長力はともかく、仕上がり早で2歳から3歳春にかけて「旬」を迎えるのが特徴で、事実このディーズプリモは昨年9月のデビュー戦は好発を決めるとハナへ行き、直線で2着を突き放して8馬身差の圧勝、一息入れて臨んだ2回川崎・ガーネットフラワー賞でもデビュー戦同様に逃げ切り勝ちを収め、続く3回川崎・うぐいす特別では好発を決めながら先を睨んでかハナをケイエスソードに譲り、インの3番手から控える競馬を試みて、直線で外に進路を取ると先に抜け出したアンビリーバボーをアッサリと捕らえて完勝と如何にもこの血統の馬らしく3連勝を達成、今回は重賞初挑戦となるが出走馬14頭中、6頭を前走のうぐいす特別で降しているだけに特に相手関係が厳しくなったとは思えず、オトコ馬から斤量2K貰いで競馬が出来るのもプラス材料で、控える競馬で結果を出した前走のレース内容から無傷の4連勝で重賞制覇に成功する可能性は高い。

5枠7番ケイエスソード
成績にバラつきがあるのは逃げ馬だけに仕方ないが、カカリ気味に飛ばして行くやや一本調子の逃げ馬で、単騎逃げが好走の絶対条件となるタイプだけに強力な同型が揃った今回は厳しい戦いを強いられるのは確実で軽視が正解。

5枠8番ワールドプリンス
全成績は【3・2・2・5】とそれなりの結果を残しているが、馬券圏内に入った7戦は全て地元の浦和コースで、遠征競馬になると相手関係が厳しい事もあるが掲示板すらゼロの典型的な「内弁慶」タイプ、重賞はこれまで2回挑戦したがいずれも大敗、その中には得意の浦和コースで行われたニューイヤーC9着があり重賞では家賃が高いと判断する。

6枠9番シャークカイザー
母ダンシングメリーの半兄には平和賞馬ワンダーグルームが居り、二代母のフジノダンサーはロジータに先着した実績が知られる船橋の名牝と云う血統も、デビュー戦から2連勝を達成したが、その後の3戦は入着すら叶わない体たらく、デビュー戦で9馬身差の圧勝の2着馬ダイセイコーは未だに勝利していない馬だし、2戦目の2着馬ラバルカも7戦1勝の平凡な成績の馬と思えばデビューからの2連勝は相手に恵まれただけと考えるのが自然で、重賞で勝ち負けする器ではない。


6枠10番ガーニーフラップ
二代母のイシノアパトゥーラはテイエムオーシャンの半妹、牝系を遡れば桜花賞馬エスプスが居る血統で、デビューから2連勝の勢いで臨んだ平和賞では3番人気に支持されるも6着と掲示板にも載れない完敗を喫したが、その後は控える競馬が板につき現在は2連勝中と順調に力をつけて来た印象で、前へ行きたい馬が揃っただけに、レースが流れてこの馬の決め手が活きる展開になれば好勝負は必至。


7枠11番デフィノワール
中央競馬では5戦1勝の成績を残して南関へと転厩、地方の転入初戦となった1回大井の1200Mは忙しい流れに対応出来ず7着と敗れたが、続く2回大井・若獅子特別では距離1800と云う事もあってゆったりとした流れになり道中は3番手から追走、残り200過ぎに先頭に立つと渋太い脚を使って後続の追撃を凌いで南関での初勝利を挙げた。
前走の京浜盃では相手が上がった事もあって13着とブービー負けを喫したが、今回は相手が下がる部分に望みを託して巻き返しを狙う。
ただ、中央所属時はマイルの距離で勝利を挙げているが、マイル向きのスピードがあるとは言い難いジリ脚タイプでガマン比べの競馬の競馬には強そうだが、決め手比べになると厳しい印象があるだけに道中の流れがカギとなる。

7枠12番ラブレオ
中央では芝ばかりを使ってダート未経験の4戦1勝の馬だけに本来ならば軽視が正解なのだが、ラブレオは中央1勝馬と云えどもデビュー戦でクビ負けたシャクンタラーはその後コスモス賞・ミモザ賞を其々3着しているし、2戦目でアタマ負けたウインファビラスは重賞の新潟2歳S・阪神JFでその後2着した実力馬、初勝利を挙げた際に2馬身半差に退けたレインボーラインは先月のアーリントンCで重賞ウイナーになっているのだから芝のレースと云えどもラブレオの能力が高いのは一目瞭然、初のダートさえこなせば勝ち負けしても不思議ではない存在だが、何故これだけの素質馬が4戦しただけで早々に見切りをつけられたのかが不可解で、この手のタイプに良くある「いわくつき物件」の可能性はゼロではないし、年末のホープフルS以来となる久々の実戦と云う部分も気になるトコ、いずれにせよダート適性に関してはやってみないと判らないだけに正直取捨に迷う1頭。



8枠13番アンビリーバボー
半兄に鎌倉記念馬キスミープリンスがいる血統で、これまで【2・4・0・2】とスタートで立ち遅れてレースの流れに乗り損ねたデビュー2戦目と強豪が相手の全日本2歳優駿を除けば水沢・南部駒賞2着を含めてオール連対と半兄のキスミープリンスに似たレース巧者で未だに底を見せていない印象があるのは確かだが、レース巧者でキッチリと連対する反面、ワンパンチ足らず勝ち切れない印象があるのは確かで、上位入線は可能でも突き抜けるイメージに乏しい馬だけに今回勝ち負けに持ち込めるかに関しては微妙。


8枠14番プレイザゲーム
南関転入後は4戦して川崎ジュニアOP勝ちの1勝だけと今ひとつパッとしないが、重賞のハイセイコー記念を抜きにすれば2回浦和・若盛特別は一息入っていた事に加えて、スタートで立ち遅れてレースの流れに乗り損なった事が敗因だし、前走の3回川崎・うぐいす特別は斤量57を背負わされた分だけ道中の反応が鈍く、ゴール前でジワジワと伸びたが前を行く2頭を捕まえ損なった印象で、今回は斤量55で出走出来る事に加えて、レース振りからモマれ弱いイメージがあるだけに大外枠は逆に好材料、道営時代は北海道2歳優駿2着のスティールキングにデビュー戦と栄冠賞で先着した実績があるだけに、外枠からモマれずスンナリとレースの流れに乗れば面白い存在。


see more info at 南関診断士の南関競馬徒然草