2016 4/10(日) 桜花賞(GI) 阪神芝外1600m
出走予定馬一覧
昨年暮れの仁川で圧倒的なパフォーマンスを見せて2歳女王に君臨したメジャーエンブレムが、今度は桜の季節に再び仁川の大舞台に舞い戻ってきた。前走クイーンC、2走前の阪神JFで圧巻の競馬を見せての連勝、ここでも当然圧倒的な支持を集めることとなりそうだが、チューリップ賞上位2頭含めトライアル組が密かに影で牙を研ぎ澄ます。絶対女王がそれらの牙を全て圧し折って桜の冠を頭上に戴くことができるか。
桜花賞戦線としては過去最高レベルの逃げ番手馬とみていい。敢えて比べるとすればタイプ的にはクロフネサプライズに近いと思っているのだが、気性面もこちらの方がコントロールが利くし、何といっても絶対的な基礎スピードの幅とコントロールしても後半の総合力に繋げることができ、高いレベルでの総合力を兼ね揃えている。絶対的な女王と言って良いレベルだが、今年は世代レベルも高そうで相手関係次第というところか。一番近いところにいるとは思っているが絶対とまでは言い切れないのはその辺りもあるかもしれない。
まずはアルテミスSから振り返っておきたい。東京芝1600m戦で良馬場、ペースバランスは47.3-46.8と平均ペース、ラップ推移を見ても12.4 - 12.6 - 11.9 - 11.1 - 11.2と中弛みがあっての2F戦という形。前半が速く中盤が緩んだことでレース全体の仕掛けが遅れてしまっている。15番枠から五分のスタート、そこからじわっと出していく形で先行策といったところだが、掛かり気味にハナを奪うという形になってしまう。ハナを奪ってからはコントロールも利いてラップ的にも減速、3~4角では後続をひきつける形で馬群凝縮、先頭で直線を迎える。序盤でもまだ仕掛けを待っていたがコーナーで動いてきたデンコウアンジュが徐々に鋭さを見せる。L2で追いだして2列目は出し抜いているんだが外からデンコウがグングン伸び、L1では捕えきられてしまった。まあ結局のところこのレースに関してはキレ負けしたことと、道中息を入れたことで後続が末脚を引き出す余力自体はあった。デンコウが突っ込んできたのは3~4角の淀みで前を向いてワンテンポ速くトップスピードに乗ることができたのが大きいし、こちらは仕掛けを待っての2F戦、自身で11.9-11.1を刻んでいるようにギアチェンジを高いレベルで要求される競馬になった。それでもこの馬自身はL1でそこまで落としていないように、結局緩い地点で押し上げさせてしまったのが決定的には敗因となるだろう。ともかく、この馬自身の高い総合力を見せることはできたといえるし、前半47.3を刻みながらも後半優秀なハロンラップを刻んできたことと、L1まで落とさなかったという点でTS持続力は未知数ともいえた。
続く阪神ジュベナイルフィリーズは圧巻のパフォーマンスだった。暮れの仁川、良馬場だが雨が残っていて少し時計が掛かっていた中での走破時計1:34.5は優秀。ペースバランスも46.9-47.6と47秒を切ってくる厳しい流れでギリギリの平均ペース範囲内。ラップ推移も12.1 - 11.8 - 11.7 - 11.5 - 12.6と極端なトップスピードは要求されずに4F勝負でポテンシャル戦に近いレースになっている。2番枠から好発を切ってハナを意識する競馬にはなったが、外のキリシマオジョウが行く形になったので控えて2番手も最内を通す。3~4角でもキリシマの内から再度先頭に立つ形で強気の競馬、ペースを引き上げて直線に入る。序盤でもう一足、ラップ的にも加速して後続を出し抜いてくると、L1はラップ的にかなり落とすのだが後続もこの流れの中で脚を使う余力もなく、そのまま独壇場の完勝だった。ここで言えるのはタフな馬場で47秒を切るペースを引っ張りながらもこの馬だけ加速ラップを踏めていたという感覚だ。実際L2ではほとんどの馬を出し抜いてリードを広げる競馬になっているし、L1出は流石にペルソナリテやウインファビラス辺りには誤差程度には詰められていたと思うが、この47秒を切る流れについていって一足をさらに引き出せたという点では基礎スピードの幅の高さを見せつけた形と言っていいと思う。非常に高いレベルのパフォーマンスだった。
そして極めつけはクイーンカップである。東京芝1600m戦でDコースの傾向通り内有利はある程度見て取れた。そして高速馬場ではあったと思う。それでも走破時計がこの時期の3歳牝馬としては異常と言って良い1:32.5、ペースバランスも46.1-46.5と平均ペースに収めてきているが絶対的に見て800通過46.1はかなり速い。ラップ推移は11.7 - 11.7 - 11.2 - 11.6 - 11.9とL3最速でこの流れからTS持続戦というかなり厳しい競馬になった。各馬脚を出し切ることができた展開だが、同時についていくのに脚を使わされる展開でもあった。6番枠から好発、スッとハナを取り切ると決して無理なく楽にだがペースを落とさずに淡々とこの馬のレースを展開していく。3~4角でも楽な手ごたえで進めつつ2列目の手が動いて押し上げてくるという中で待ちながら直線。序盤でスッと引き離して楽に抜け出し、L2では3馬身差ぐらいまで広げる。しかしこれだけ仕掛けが早い中でL1でも後続を寄せ付けないどころかむしろ引き離して最後は5馬身差でのフィニッシュとまさに圧巻。もちろん前述のとおり、高速傾向で内有利傾向ではあった。ただそれを考慮に入れてもこれだけのペース、これだけの仕掛けでL1を12秒に入れずに走り切っていること、また最速ラップで11.2を踏んでくるというのはなかなか、たまげたというほかない。圧倒的な基礎スピードの幅、そしてそこからのTS持続力もかなり高いレベルにある。こうなると余計にアルテミスSの仕掛けの遅さが悔やまれたかなというところもあるかなと。
とにかく言えることは、少なくともこれまで戦ってきた相手に逆転を許す姿は考えにくい。仮に誰かに差されるとしたら未対戦の馬だけだろう。最大のライバルとしてはチューリップ賞の上位2頭と言って差し支えない。逆に言えばそれ以外に負ける要素は正直自分の眼からは見当たらない。もちろん阪神マイルになるので、府中マイルと違って下り坂からのTS持続になる。これはメジャーエンブレムの武器である総合力の一つ、ギアチェンジはもちろんあまり活かせない舞台だ。ただ、クイーンCでも見せているようにTS持続力が高い、しかも速い流れからそれを引き出せるというのはなかなかえげつない。また逃げに拘る馬でもないので、基本的には何かがぶっ放すようであれば無理せずに離れた番手という選択もアリだ。今回はハッキリとした同型がビービーバーレルぐらいでクイーンCで捻じ伏せているので今回は向こうが消極的になる可能性もあるし、キャンディバローズも決して本職という感じではない。あとは抽選次第だろうが、これだけの基礎スピードの幅を持っているわけなので来るなら来いの正攻法の逃げでいいだろう。46秒でもオーバーペースにならないというのは恐ろしいレベルだし、チューリップ賞ぐらいの馬場ならクイーンC同様46-46.5でまとめてくるレベルのパフォーマンスは少なくともしているはず。チューリップ賞組2頭は脅威を与えるレベルではあると思うし、その他…デンコウアンジュらも含めて緩めてしまうと厄介になるレベルの馬は多い。クイーンC同様、下手にレースを緩めずにこの馬のペースを作りだし後続の脚を使わせることが肝要だろう。アルテミスSのパターンだけは何としても避けたいところだ。折り合いが不安な馬だが、マイル戦の内は問題あるまい。オークスでも折り合いの問題だけでTS持続力も機動力も高くこなしてくる可能性はあると思っているが、ひとまずここは全力投球だ。ライバルを堂々と迎え撃つ王道の逃げに期待したい。
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