今開催は前残りの傾向が強いだけにどの馬が主導権を握るかに注目したがスタートから出ムチを入れて前に行く気満々のヘレニウムやトーコーヴィーナスを抑えて外枠からエールドランジュが敢然とハナを主張、1馬身差の外2番手にララベル、それから半馬身差のインの3番手にヘレニウムが追走、そこから半馬身ほど遅れた4~6番手はインにトーコーニーケ、真ん中にプリンセスバリュー、外にトーコーヴィーナスと3頭併走して競馬を進める、2番人気のフィーリンググーはどこか故障したのか2角の手前で急激に手応えが怪しくなり後退と早くもここで圏外に消えた印象、軸にしたスターローズは大きく離れたシンガリから追走と今開催の馬場傾向を考えると絶望的なポジションから競馬を進めており、この段階で自分の予想が外れた事を確信した。
3角手前で逃げるエールドランジュに半馬身差まで詰め寄って来たララベルが直線入り口で先頭に立つとあとは後続との差をジワジワと広げて2着のプリンセスバリューに1馬身半をつけてゴールした。
勝ったララベルは今回トップウエイトの57Kを背負わされた上、中間順調さを欠くなど決して万全な状態でレースで臨んだ訳ではないが、やはりこの面子ではモノが違う事を証明して1馬身半の完勝。
これで体質の弱さが解消されてビシビシ攻め馬が出来るようになれば中央勢相手の競馬でも通用するのだが、4歳の5月の段階で未だに解消されていないのでは「未完の大器」のまま競走生活を終わる可能性は高く、能力がある馬だけにその部分は何とも残念でならない。
2着のプリンセスバリューは中団待機から直線で外を回って届かなかった前走と異なり先団グループの4~5番手のポジションからレースの流れに乗ると3角を回った段階で併走していたトーコーヴィーナスが失速、ヘレニウムも脚色が怪しくなるなど勝手に脱落し直線入り口で3番手に上がり、直線半ばで逃げたエールドランジュが失速すると難無く2番手に上がり、ララベルに最後まで並び掛ける事は叶わなかったがゴール前で迫るビーインラプチャーを半馬身抑えて2着を確保した。
戦前に指摘したように大崩れせず確実に入着する反面、勝ち切るだけの決め手の乏しい馬だけに勝ち負け出来る器とは思わず、だからこそTRのティアラCで1分28秒4の時計で4着していながら11番人気と評価が低かったのだろうが、前残りの馬場で先行して巧く流れに乗り、同じく先行した面々が勝手に脱落した事に助けられての好走と云う印象で、決して自力で2着に食い込んだとは思えないが正直な感想。
3着のビーインラプチャーは前残りの傾向が強い馬場だけにゲート内でチャカついてスタートで後手を踏んだ事が結果的に致命傷、内枠と云う事もあって思うようにポジションの挽回が出来ずレースの流れに乗り損なうなど終始後方からの競馬を強いられ、ゴール前でようやく馬込みから抜け出して前に迫ったが、時既に遅く3番手に上がるのが精一杯。
前残りの馬場で唯一後ろからの競馬で上位入線しただけにスタートが互角で自分の競馬が出来ていれば2着は充分に有ったはずだが、今回のしらさぎ賞はララベル以外は決してレベルが高いとは言い難く、この着順が今後に繋がるかは微妙な印象があるのは確か。
4着のヘレニウムは軽量52と前残りの馬場に恵まれてのモノで、4角で脚色が一杯になっていただけに後ろから競馬をした馬のだらしなさに助けられての入着、現実にこの日の最終のB2・B3特別の勝ち時計よりコンマ2秒早いだけの1分29秒1の走破時計では評価の対象外。
5着のエールドランジュは入りの2ハが12秒1-11秒7と早くなったのは事実だが、1000M通過は61秒5と馬場状態は違えど逃げ切った前走のティアラCの61秒3とほぼ同じで、正直3角でのエールドランジュの手応えと前残りの馬場傾向から2着はこの馬で間違いないだろうと思っていたが、ララベルに交わされると急激にバテてしまい一本調子の逃げ馬の弱さを露呈、ヘレニウム同様に後ろから競馬をした馬のだらしなさに助けられて何とか掲示板の端に載ったが特に言うべき事は無い。
3番人気のトーコーヴィーナスはスタートから出ムチを入れてハナへ行こうと試みたが、斤量57を背負わされた影響があってかエールドランジュにアッサリとハナを奪われてしまい、逃げる事が叶わなかった段階で万事休すの印象、その後何とか外の4~5番手のポジションをキープしてレースを進めたが3角手前で追い出しても全く反応せず直線でもズルズル後退するだけでブービーの11着惨敗に終わる。
長輸送の競馬に加えて斤量57と楽な条件でなかったのは認めるが、それでもこの負け方は酷過ぎで自分のペースで競馬が出来ないとモロいタイプと考えるのが正解で、これではダートGで通用するかは疑問。
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