2016 6/5(日) 安田記念(GI) 東京芝1600m
予想用・出走予定馬一覧!
3年前の皐月賞以来、ついにここ3年以上勝ち星から見放され続けている、善戦マンに落ち着いてしまったロゴタイプが復権の勝利を狙って安田記念に出走予定。もちろんGI馬がその後早熟で鳴かず飛ばずというケースは掃いて捨てるほどあるが、この3年間終始安定して強い競馬を見せながらも勝ち切れないケースというのはなかなか例がない。逆に言えば力の衰えを見せているわけではないだけに不気味さは漂う。中山でこそ、というタイプではあるが府中のマイルでモーリス絶対の空気を利用しての番狂わせはあるか?
このパターンはちょっと面白いかなと思う。モーリスが絶対となれば全体的なレースもモーリスを意識した競馬になりそうだし、特にこの馬も含めてイスラやロサギガンティアといった社台系が2列目でレースを支配できそう。全体のペースはともかく仕掛けどころを待ちながら直線で出し抜く…そのパターンに持ち込めれば使える脚が短いこの馬にも粘り込むだけのチャンスは出てくるかなと。とにかく上手く仕掛けを待ちたい。
まずは前走のダービー卿チャレンジトロフィーを振り返る。中山芝外1600m戦で良馬場、ペースバランスも46.9-45.9と1秒のスロー、ラップ推移は11.6 - 11.4 - 11.1 - 11.5 - 11.9とL3最速戦でTS持続力勝負の側面が強い。ただ中山でもありコーナー最速でコーナリングの上手さも問われている。14番枠からまずまずのスタート、二の足よく楽に先行して外枠からでも2列目の外を確保する。レース全体はそこまで早くない中で我慢しながら3角でじわっと仕掛けつつ4角の最速地点では2頭分外だが楽な手応えで並びかけて直線。序盤でそこから一気に先頭に踊り出るが内を完璧に立ちまわったマジックタイムにL1で抜けだされて最後まで食らいつくが2着と勝利をもぎ取れず。58kgを背負って最速地点で外から勝ちに行くという中でかなり強い競馬をしたのは間違いない。ただこの馬は中山でコーナーで動いていく形のほうが府中の直線勝負より合っている感はあるが。サトノアラジンが休み明けではあったにせよ楽に立ちまわった中でそれよりも一段階強い競馬ができたというのは確かだし評価できる材料である。
4走前の富士Sも悪くはないんだが、この辺りがこの馬の弱さでもあるかなと。昨年秋の府中Aコースは外差し有利だったので見た目ほど内容は悪くはないと思っているが。東京芝1600m戦で良馬場でペースバランスは47.0-45.7と1秒ちょっとのスロー、ラップ推移も11.9 - 12.0 - 11.2 - 11.1 - 11.4と3F勝負、トップスピードの質、持続力を高いレベルで要求される厳しい競馬になった。14番枠からまずまずのスタート、そこから楽に番手外につけてレースをスローにコントロールする。3~4角でも楽な手応えで番手で進めながら仕掛けを待ちながら直線。ただ序盤の段階で団子、各馬も迫ってくるのでL2で追い出して先頭に立ってぬけ出すがL1でちょっと甘くなってしまい外差しを許しての3着だった。ただこの2頭はサトノアラジンであり、ダノンプラチナでもあるわけで、L3で11.2と早めに仕掛けざるを得ない中では特段悲観する内容でもないし、何より当時は外差し馬場だった。離されたが着差ほど内容は悪く無い。むしろ最序盤ちょっとペースが遅かったことでこの馬の持ち味である基礎スピードの幅を余り行かせなかったという側面もある。いずれにせよ、もう少し前半で各馬に対して脚を使わせる、それによって仕掛けを待てるという構図を描きたい馬だろうと。
マイルCSもその点では同じで、結局は後半勝負の土俵に上がってしまった。京都芝外1600m戦で良馬場、ペースバランスも47.1-45.7と富士Sとほぼ同じような流れ、ラップ推移で見ても12.5 - 11.9 - 11.1 - 11.5 - 11.2とL3最速で4角地点でかなり速いラップを踏んでの持続。ただ結局上位勢は11秒前後のラップを3F続けている形になる。17番枠と大外から好発を切って先行するもペースが上がらないので下げながら、少し掛かってしまって好位雁行状態の外につける形。ゆるい流れの中で3~4角でも終始外外を回す形で4角で手が動いて直線。序盤で伸び切れずそのまま最後まで雪崩れ込むだけに終わった。直線に入ってからはどの地点でも優位性を作れなかったし、もちろんサトノアラジン比較で見ても着差は妥当なところだった。後半特化戦では少々苦しいのは間違いない。
この馬の場合本来基礎スピードの幅を持っている馬のはずで、もう少し前半ペースを引っ張る形で後半勝負の割合を緩める競馬を試してほしいなと思う。特にTS持続力が甘く、ギアチェンジや瞬間的なトップスピードの質自体はそこそこ高いレベルにあると思うので、いかにそれをワンテンポ待てる形で引き出せるかがポイントになりそうかなと見ている。ただ基礎スピード面は秘めているとは思うが同じタイプだとクラレントは厄介になると思うし、その辺りの兼ね合いだろう。今回は田辺とのコンビになるし、同じく前半も含めた総合力の高さを持ったクラレントには小牧なので、いっそこちらがレースを作ってしまったほうが良いような感じもある。モーリスに対してどういう競馬を展開できるか、となればやはりある程度ペースを引き上げて前受する形が理想。先週の府中を見ても内が良い馬場だったし、逃げて、あるいは2列目の内目で我慢しながら一足を出来るだけ遅らせてという競馬ができるかに尽きるかなと。中山記念はかなり酷い超ロンスパ、3~4角淀むという無駄の多い流れに巻き込まれてしまっていたし、それを除けば近走のパフォーマンスは極めて安定している。器用な馬、基礎スピードもある程度持っているはずの馬、上手くレースを作れればチャンスは出てくるので、田辺とのコンビなら警戒はしたい。
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