2016 6/4(土) 鳴尾記念(GIII) 阪神芝内2000m
予想用・出走予定馬一覧
【鳴尾記念2016予想:出走予定馬の中から注目馬は?】
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すでに8歳馬なのだが近走の充実感は確か、4走前のアンドロメダSでは有馬記念でも力を発揮したトーセンレーヴを相手に2着のトラストワンが鳴尾記念に出走予定。8歳馬にして重賞初制覇を狙う立場ではあるのだが、昨年秋から今年のパフォーマンス、そして相手関係を考えると案外侮れない。器用さもあり、上手く立ちまわって波乱を演出となるか。
この馬もなかなか評価が難しいというか、バランスの良さでここまで来ている感じはある。ただアンドロメダS2着の内容もだし、特に近走では大阪城Sの印象も強く、噛み合えば怖い存在といえるかなと。
まずは4走前のアンドロメダSから振り返る。個人的にはこの馬のイメージはどちらかと言うとこのレースかなと。京都芝内2000m戦で良馬場、ペースバランスも62.4-58.2と4秒以上で超ドスロー、12.2 - 11.7 - 11.4 - 11.4 - 11.5のラップ推移を見てもわかるように3角の下りからじわっと加速、仕掛けどころが早くなって4Fで分散しながらで極端なトップスピードは要求されない、中間的な競馬にはなっている。4番枠からまずまずのスタート、押して先行しながら上手くポジション争いで2列目のポケットを確保する。道中もスローの中で前にしっかりとスペースを置いて3角に入る。3角の下りでじわっとそのスペースを詰めながら2列目の内ポケット、4角で仕掛けながら歳内に進路をとって直線。序盤でしっかりと反応するがトーセンレーヴに切れ負けする。それでもL1までしぶとく食らいついて2列目からは抜け出しての2着確保。まあコーナーでトップスピード戦とまでは言わないまでもなかなか速いラップを踏んでいたし、ここで前受して最内で脚を残しながら直線に入れたというのも大きかったが、それでもトーセンレーヴ相手にL1まで喰らいつけた点は評価したい。それとポケットから直線で動く必要があった中でもしっかりと最内から抜け出せた。下りで勢いに乗せられたのはあるが、それでも前々内々で器用に立ちまわってきたなという感じ。もともと結構昔になるが新潟2200の阿賀野川特別を勝った時に注目していた馬で、高速馬場で動き出しを要求されてもしっかりと加速できるのが強みだったし、その中で血行長く脚を使ってくるという印象。
ただ、それを覆すというか、これまでにない競馬で結果を出したのが大阪城Sということになる。阪神芝外1800m戦で良馬場、ペースバランスも46.5-46.7と平均ペース、12.0 - 11.9 - 11.4 - 11.2 - 12.2というラップ推移を見てもわかるように大きくよどみなくL2最速もL1でかなり落としてと、基礎スピードをある程度要求されてのTS持続戦である。L3の段階でも11.4とそれなりに速い。その中で12番枠からまずまずのスタートだがペースも速く促されても前に行けないという形で後方に下げる。道中も最後方列ぐらいで進めて3~4角では中目から外目に持ち出していって最後方列で直線。序盤でそこから追い出されるとしぶとく伸びてきて、中団列に並びかける。L1でも最後までしぶとく伸びて決定的に食らいついてくるが最後は僅差の3着だった。個人的にはまず1800で平均的に流れて良いタイプとは思っていなかったので後方で脚を残す形にはなったとしてもここまで弾けたのは驚いた。それと、L3の段階でも11.4となかなか速いラップを踏んでいるし、それを外から追走となるとついていくだけでもそれ以上のラップを要求されている。L2最速地点で伸びてL1でも決定的に食らいつく。この競馬というのはタイプ的に意外だった。まあこの馬自身で測れば後傾で後半の脚を引き出せたことになるんだが、それでも淀みも小さい中で力で伸びてくる形になったというのは驚いた。大阪ハンブルクCに関しては位置取りが悪すぎたし、3~4角で動いていく中で大外を回した段階で苦しかったがそれでも最後まで踏ん張っていたしレコンダイト比較で見れば悪くはない。いずれにせよ後半要素を引き上げてきたことと、基礎スピード面の幅を広げてきたというのは事実としては大きいかなと思う。
個人的にはこの阪神2走は超高速馬場に近かったというのも大きいかなと思っている。もともと夏の新潟で強かった馬で、軽い馬場の中で良さが出ていたというのはある。過去の傾向を見ても高速馬場でのパフォーマンスが圧倒的に高い。好走例を見ても重賞で唯一の掲示板確保が昨年の目黒記念、直線半ばまでは2列目で頑張る健闘でもあるし、個人的には高速馬場巧者としてみている。ただ、それを加味しても大阪城Sはこれまでとは違う競馬で強敵相手に決定的に伸びてきた、基礎スピードの幅で一段階うえに来た感覚ではある。本来はもう少し前目にポジションを取れる馬だし、それでいてギアチェンジ自体は得意な馬で加減速に対応しやすいのも良い材料。阪神内回りはポケットで進める馬にはこの辺りの器用さが要求されることが多いので、その点を考えれば噛み合った時には面白い。ただ近走後方で脚を残す形で良さを出してきているので、どういう戦法を取ってくるのかはちょっと読みにくいところではあるなと。ただ4走前の先行策を演じた岩田とのコンビだし、個人的には楽しみが多いかな。内枠でも引いて逃げ馬を行かせながら2列目のポケットで我慢できれば、徐々にペースアップしていく形が多い阪神内2000なら3~4角で脚を残せるし、そこからも器用に動ける馬ならできれば前受内々で我慢してほしい。大阪城Sの内容でややこしくはなったが基本的にはゆったり入って要所の良さを引き出す総合力タイプではあると思っているので、サトノノブレス以外は両極端な馬が多い今回上手く流れに紛れ込めれば浮上のチャンスだろうと。穴どころから面白い一頭にはなる。ややスローから徐々に加速する形、昨年のような展開で前目内目で待てれば怖い。
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