2016年8月15日月曜日

人気がないぶん、思い切って乗れた

それでは月曜恒例・先週の重賞の振り返り。まずはエルムSから。

リッカルドの一番の勝因は、3コーナーで仕掛けて一気に動いた黛の好判断だったと思う。有力馬を見ながら行けたし、人気がないから思い切って乗れたのも良かったんだろう。普通ならワンテンポ早いくらいだけど、何と言っても4コーナーを回った所でクリノスターオーを外から被せることができたのが大きいね。向こうはちょっと気難しいところのある馬で、被されたことでズブさを出していた。もしあそこで被せていなかったら着順は入れ替わっていたかもしれない。そういう意味でも、今回に関しては仕掛けのタイミングがドンピシャだったんじゃないかな。とはいえ、半マイルあたりから早めに動けば最後止まってもおかしくないんだけど、それでも押し切るんだから大したもの。これからもっと力が付いてくれば、相手が強くなっても十分やれるはずだよ。

クリノスターオーは終始2~3番手でスムーズな競馬ができたんだけど、3~4コーナーで相変わらずモタモタしていたし、4コーナーで勝ち馬に被されて余計に苦しくなったね。基本的にカーブのキツイ小回りの千七は忙しい。最低でも千八は欲しいかな。ダートのオープンクラスは地方の競馬場を含めて小回りのコースが多くなるから、そうなるともっと距離があった方がいいよね。

モンドクラッセはスンナリとハナに立ってマイペースで行けたんだけど、勝った馬に3~4コーナーで一気に来られたから仕方がないかな。ペースは楽でも展開が厳しかった…っていう感じ。それを考えたら良く粘っているし、やっぱり力はある馬。今回は展開のアヤで負けただけで、決して悲観することはないと思うよ。

ロワジャルダンはスタートを決めていい位置に付けていたんだけど、終いはサッパリだったね。ペースが上がった3~4コーナーでスムーズに付いて行けなかったあたりは体調面の問題だろう。攻め馬でも走りが硬くて、首の使いもイマイチだったからなぁ…。

ジェベルムーサはスタートが決まっていつもより前に行ったぶん、道中でハミを噛んでしまったからね。岩田がうまくなだめてはいたんだけど、馬は力んで走っていた。終い伸びなかったのはそのせいだと思う。道中で遊びがなかった感じ。後ろから行って勝負所で一気に動く、いつものスタイルじゃないとダメなのかな…。

ショウナンアポロンはパドックを見てダメだと思った。トモが全く入っていなかったからね。テンから追っ付けても全くハナに行けず、3コーナーでズルズル下がってしまったのも、この歩様を見れば納得がいく。追い切りの後に何かあったのかな。攻め馬の動きは良かっただけに残念だね。


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