2017 1/5(木)
第55回 京都金杯(GIII) 京都芝外1600m
予想用・出走予定馬一覧
昨年準OPを2度勝って前走はオープン特別のキャピタルステークスを制し勢いに乗るブラックムーンが京都金杯に出走予定。昨年はまだ上がり馬の身、というところだったがその中で結果を出して重賞でも通用する目途は立ててきた。初重賞挑戦となった富士ステークスでも通用する目途は見せていたが、京都のマイルの舞台で重賞初制覇を狙い、今年の飛躍を誓いたい。
この馬は感覚的にはマイルよりはもうちょっと長い方が良いのかなあという気もしていたんだが、前走見るともうちょっとやってみないと分からない。基礎スピード面はちょっとまだ読めないところがあって、前走のキャピタルSも強い競馬ではあった。まあ能力的には通用すると思うので、後はこの馬の持ち味であるTS持続力を引き出し切りたい。
●キャピタルS(OP) 1着 15頭8枠14番
東京芝1600m良 1:33.5 46.1-47.4 H^1
12.5 - 10.7 - 10.9 - 12.0 - 12.2 - 12.0 - 11.3 - 11.9
ペース自体は1.3でハイペース、ラップ推移でみても前半が速いが中盤で12秒台を3F刻んでのL2最速。その辺りを考えるとそこまで速いかは微妙なところ。この馬のバランスで見ると3-3Fで36.5-34.0だからひとまず余裕をもって入っていたなというのと、中間の緩みでこの馬は動いているというのは感じる。この馬自体の1000通過が逆算で59.5、となると前半3Fから4-5F目で23秒なのだから平均11.5で入っている計算。 前半全く無理せず後半のTS持続を引き出したとみるのが良さそうな感じかな。出負けして後方からの競馬だがこれはいつも通り。道中も全体はハイペースでかなり縦長になる。3~4角で前が少し息を入れたところで後方外から一気に押し上げながら前との差を大きく縮めて後方列で直線。序盤でそこから外に持ち出されてスッと反応、L2で楽に先頭に立って後は突き抜けての完勝だ。ここは中弛みらしい競馬になっていて3角手前では縦長なのに直線入りでは一気に団子。大外から取り付いたのは噛み合ったとみて間違いないんだけど、個人的には後半の5Fで見た時に57秒フラットで入っているというのはなかなかの衝撃的な競馬で、噛み合った面はあるんだがそれを抜きにして後半のTS持続の性能は正直かなりのレベルにあるんじゃないかなと思っている。ただこのレースでもそうだが瞬間的なトップスピードの質をそこまで要求されていないというのはあっただろうと。レースレベルとしてはともかく、絶対的に合の馬場でマイルとはいえこれだけ長く脚を使ってきたというのはかなり印象的には残る。スピカSの頃からTS持続は非凡だなとは思っていたけど、マイルでもTS持続の違いで適性面をこなしてきた感じ。
●富士S(GIII) 6着 11頭1枠1番
東京芝1600m良 1:34.4(+0.4) 48.1-45.9 S^2
13.0 - 11.5 - 11.8 - 11.8 - 11.7 - 11.2 - 11.2 - 11.8
一方で同じ東京マイルでもこの富士Sではイマイチ伸び切れなかった。まあちょっと噛み合わない騎乗にはなっていたのもあったが。ペースは2.2でかなりのスロー、ラップ推移でみると最序盤だけ遅くてそこからは淀みもそんなになく、そのままL3最速でTS持続色が強い。この競馬で結構合いそうな感じはしたんだが結果は物足りなかった。内枠から出負けして最後方からじわっとリカバーしつつ内目を通して後方でというところ。最序盤がスローだったこともあって団子状態、そこから3~4角でもペースが落ちることなく終始11秒台で入って4角出口で一気にトップスピードにという流れの中で後方内内で直線に入ってくる。序盤でそこから中目を通してフルーキーの直後ぐらいを狙っていたがフルーキーがイマイチ伸びないのでその内に入っていこうとする。そこから追いだされてもうちょっと伸びが欲しかったというところでなかなかL1での詰めが甘く最後はガリバルディに差し込まれての6着完敗だった。まあ相手関係が違うというのもあるし、富士S当時は馬場もかなり読みにくかったので何とも言い難いが、ここでは序盤スローからのTS持続戦という流れの中でイマイチ伸び切れなかった。後半要素に特化したというのもあるし、案外流れた中で中間的な脚を長く引き出せるというのが魅力なのか、単純に相手関係の問題なのか。ただ上がりだけで見てもわかるように、富士Sの方が速い上り3Fを引きだせている。この馬の場合は3F勝負で瞬間的な質で戦うよりも、ある程度流れた中で後半勝負に徹して中間的な脚を連続させる方が良いのかなあという感覚…いうなれば多分適性的にヒットザターゲットみたいな馬なんじゃないかなと。
●スピカS(16下) 1着 13頭2枠2番
中山芝内1800m良 1:48.3 50.6-46.0 S^5
12.9 - 12.7 - 12.6 - 12.4 - 11.7 - 11.4 - 11.2 - 11.2 - 12.2
あと一レース気になるので評価しているスピカSを。どう見てもわかるドスローからの5F戦で、2段階ではなくもう向こう正面で一気に上がってしまってL3最速のTS持続特化という競馬。もちろん中山内回りでL3最速、L4でも11.4なのでコーナー地点で相当速いラップを踏んでいるし、ここで外を回す形は極めて厳しいはず。内枠で坂スタートは案外こなしたがそれでも後方からの競馬。最序盤の緩い地点で最後方近い位置と流れとしては最悪の展開。 そのまま緩い地点で押し上げきれずに3角に入る。3角の段階ではまだ内目を通していたがそこから徐々に外に誘導しつつ、4角で勝負に行って直線。序盤ではジリジリとした伸びだがL1でグングンと伸びてきてバテ差そうとしているエアアンセムを外から差し切るというえげつない競馬を見せてきた。これL1で11秒前半は確定的な脚(L1地点で5馬身はまず差があった)を使ってきていて、だとしたら5Fで56秒台まで視野に入ってくる。この時は確かにかなり高速状態だったが、この脚は正直言ってマイルの馬じゃないだろうと感じたかな。前半無理をせずにここまで長く中間的な脚を使ってくるならやっぱり中距離以上で見てみたいというのはある。一方でやっぱり質的に高いレベルというものはこれまでを見てもそこまで見せてきていない。
●2016京都金杯へ向けての展望
個人的に能力評価としてTS持続は非凡な域にあると思う。後半要素は重賞レベルにはまずあるだろうと。ただ、マイルだとイマイチちょっと安定していない感じだし、飛鳥Sとかでもスローではあったが前にポジションを取ってイマイチ弾けきっていない。思っている以上に前半無理が利かない印象はあるかな。前走キャピタルSにしてもレース全体はハイなんだがこの馬自身で見ればかなりスローのバランスから中間的に足を使いつつ5Fのロンスパ的な競馬で良さを出してきたと。それが府中のマイルで3~4角に息が入ってというところと噛み合った面はある。仮に京都のマイルでとなると前半がそこまで上がらないケースになった時に3角の下りからコーナーで速いラップを踏む可能性が高く、そこで外々となると速度的に押し上げきれない可能性が高い。L1の伸びは確かだからその展開になっても食い込める可能性はあるが、前がコントロールして瞬間的なトップスピードの質を高いレベルで要求されたときに対応できる感覚は今のところないかなと。その点でももうちょっと速めに動いていける条件の方が理想だと思うし、京都の外回りでとなると馬場がある程度時計が掛かる状況下…マイルCSぐらいになってこないと前も簡単には落とさないのでちょっと難しいかなと思う。ギャンブル覚悟で内内でとなっても京都マイルで後ろ過ぎるとなかなか届くのは難しいし、この馬自身トップスピードの質は重賞クラスではちょっと足りない。ポジションを取っていくとマイルの流れで脚を使わされるリスクは出てくるし、そもそもゲートが拙いからそう簡単に前にというのは…である。個人的には小倉大賞典に出てきたら全力で狙いたいと思っている一頭で、そのイメージから考えても京都マイルに問われる前半のポジショニングだったり、基礎スピードの幅だったり、トップスピードの質といったところで考えると現時点ではエアスピネル相手にちょっと見劣るかな。そういう器用さで勝負はできないと思う。個人的にはここで凡走してもらって小倉大賞典辺りで強く推したいという感覚。それでも現実的に出し切れればL1の強襲は怖いのでそれがどの程度はまるか、枠の並びを見て考えたい。素材はかなりのモノだとは思っている。
1頭目:4
2頭目:2.18
3頭目:1.2.9.18
的中買目:3連複:2-4-18
回収金額:1000円×12.1=12,100円
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