2017 1/8(日)
第51回 シンザン記念(GIII) 京都芝外1600ｍ
予想用・出走予定馬一覧
新馬戦、くるみ賞と連勝で挑んだ京王杯２歳ステークスでは大外から伸びてくるも４着、力は示したコウソクストレートが年明け初戦にシンザン記念に出走予定だ。ここ３走は1400ｍ戦ということもあって初めてのマイル戦への対応力がカギになるが、それでも京王杯２歳ステークスの１，２着馬がそのまま２歳チャンピオン決定戦で各々好走。それだけにこの馬もルメールとのコンビで自分の競馬を取り戻して結果を出したい。
京王杯は完敗ではあったのだが収穫もあった。マイルへの延長がカギにはなるが、前走ぐらい使える脚があればこのレベルで自分のポジションを取れればチャンスは出てくるな、という感じ。ただ一定の末脚と言えども後ろからまとめて差し切るようなレベルには無いと思うので、まずしっかりとゲートを出ること、折り合い面を気にしなくていい競馬にできるかだろう。
●くるみ賞(５下) １着 ９頭２枠２番
東京芝1400ｍ良 1:23.5 35.8-35.1 S^1
12.7 - 11.2 - 11.9 - 12.6 - 12.0 - 11.5 - 11.6
まずは２勝目を挙げたくるみ賞から。ペースはややスローというところ、時計は非常に遅いが全体的に見てもかなり時計が掛かっていて、1000万下のマイル戦でも47.2-47.6で1:34.8、Ｌ１も12.6と相当落としているのでこの時計自体は意外と悪くないぐらいだし、ラップ推移的に見ても２Ｆ戦でＬ１が11.6と出し切っていないというのは大きい。その中で２番枠からまずまずのスタート、内枠でコントロールしながら前に馬を置く形で２列目、かなり掛かり気味ではあったが結局３列目の内ポケットで我慢させる。３角手前でも掛かり気味だがそれでも我慢、前２頭が単騎で引き離す中で離れた３列目の内から前のスペースをスッとついて馬なりで直線。序盤でもまだ追わずにじわっと差を詰めてくると、Ｌ２の地点で軽く手が動いて一頭伸びてきてＬ１できっちりと抜け出しての完勝だった。かなり強い競馬だったが、コントロールという点では少し難しいところは見せていたという感じ。ただ、このレースではもろに機動力の高さを見せていて、正直３角でかなり力んでいたのは緩んでいた12.6の地点で前との差を詰めないようにしていたというのが大きいと思うし、その中でブレーキを外すような感じでスペースを詰めていって直線入り以降の反応は良かったしアクセルを踏むというよりブレーキを外す、という動作で速度を上げてきた感覚。新馬戦が平均ペースで普通に強い競馬をしていたように、基礎スピードそのものは高いのだと思うし、それをコントロールして後半に繋げてきてＬ１も底を見せなかった。マイル適性に関しては折り合いはともかく上手くコントロールできれば対応はできそうだなと感じた。どこまで強いかというのは量れなかったが個人的には好きな感じのタイプの馬だったなと。レースレベル自体は今のところ微妙だけど、この馬の内容的にはまだまだ底しれなかった。
●京王杯２歳Ｓ(GII) ４着 13頭７枠11番
東京芝1400ｍ良 1:22.5(+0.6) 35.7-34.2 S^2
12.4 - 11.4 - 11.9 - 12.0 - 11.3 - 11.2 - 11.7
このレースでは期待していたんだけど、流石に出遅れちゃうとなあというところ。４着まで伸びてきたけどなあって思っていたら、上位２頭がかなり強かったので評価を見直したいなという感じ。ペースも1.5秒でかなりのスロー、その中で出負けしたわけだからね。出遅れて最後方に近い位置から入っていく。外枠で隊列的にリカバーも難しくという中で後方で我慢して引っ張りながら進めていく。３～４角でも掛かるのを我慢しながら後方中目で我慢、４角でも外々から我慢して直線。序盤で外に出して追い出されるとジリッと反応、Ｌ２の最速地点でのキレはちょっと物足りずにジリジリで中団まで。Ｌ１では最後まで脚を使ってきて４着は確保したという感じ。３着争いは超僅差なので、この内容でそれだけやれればひとまずは、というところ。ただ１，２着馬が強い競馬をしたとは思っていたが、それでもGIレベルで馬券に絡むレベルだったわけで、特にＪＦはハイレベルだったと思っているしあれだけの競馬ができたのはこの馬を評価するうえでも結構重要かなと。この馬もまず本来良いはずのスタートで出負けしてしまったし、しかもスローなので後半特化になった。２走前のくるみ賞ではある程度の位置からじわっと足を使ってという形だったしそもそもトップスピード戦というほどでもなかった。この辺りを考えてもひとまず３Ｆ勝負で次点の34.0、ＴＳ持続もそれなりに見せてきたのは後半要素だけでも一定の評価はしたい。
●2017シンザン記念に向けての展望
課題は距離。折り合いは見ていても確かにちょっと不安なんだが、パフォーマンス的に見てマイル適性そのものは高いと思う。基礎スピード面も新馬戦で34.8-36.0と厳しい流れからの11.3 - 11.6 - 12.0 - 11.8 - 12.2とポテンシャル戦の中で２列目の中目からすぐに反応できていたし、再加速ラップでのもので軽く促す程度だったことからも着差以上の余力を見せての完勝だった。トップスピード戦となった前走の京王杯２歳Ｓでも本来のこの馬としては後ろ過ぎるところから後半特化で最後はディバインコードを喰うレベルにまで来ていたので、使える脚の長さという観点ではここでは高いレベルにあると思う。前目につけるだけのスタートセンスを持っているし、基礎スピードも高い…ポテンシャル戦でも底を見せていないのはこの馬ぐらいかなと。ただ前走でもそうだがトップスピードの質そのものは高くないので、スローで上がり勝負になってしまうと優位性は薄まると思う。ルメールがこの馬をどうイメージして入っていくかかなと思うのだが陣営のコメントからはある程度前目の意識を持っていると思うので、総合的に見れば信頼度は高いかなと。折り合い面の不安があるのは確かなので出していく形にならない方が良いと思うし、できれば２走前のくるみ賞の様にポンと出て前に目標を置きながら２列目ポケット…というのがベストかな。要所で動ける馬なので京都ならまず要所で置かれることはないと思うし、前走でＴＳ持続もなかなかのものを見せた。基礎スピード面も不安はなくバランス的には非常に良い。マイル路線で主役を張れるとまでは思わないけど、レースの流れに乗っていくだけの武器と弱点が今のところない、総合力が高いのは大きい。このメンバー構成なら枠順次第で十分好勝負可能だろうと思っている。ただ総合力型なだけにバランスをうまく取る必要がある。外枠で折り合いを怖がって中団でとなったり、３～４角で勝ちにいかざるを得なくなると流石に素材としては明らかにモンドキャンノやレーヌミノルに見劣っていた、というのは間違いないところ。強く狙うなら内目で上手く目標を作って怖がらず前目に入っていって、上手く立ち回るのを前提としたい。
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