今週から単独での回顧ライブとなります。ラップや騎手など様々な観点から次のレース予想に繋がる回顧をお届けしますので、ぜひお聴きください。ライブ前にコメントで質問、レースの流れで気になったこと等を書き込んでもらえたらありがたいです!
http://twitcasting.tv/c:nandecas
競馬ナンデトップページからも視聴できます
http://www.keibanande.net
2017 シルクロードステークス(GIII) 京都芝内1200m良
レース回顧・結果
1:07.8 11.9 - 10.9 - 11.1 - 11.3 - 11.1 - 11.5
33.9-33.9 M
綺麗な平均ペースを刻んでいるが、4角地点では少し緩んでいての再加速、という展開にはなっている。京都らしく基礎スピードはそこまで問われず、後半の総合力を要求されているし、4角で少し緩んでいるだけ外の各馬もコーナーで極端に無理せず追走しやすかったのと、馬場的にも外差し傾向が出ていたというのも例年に比べて外差しが決まった要因にはなるのかなと感じる。まあそれでもこのラップだと通常は内内で立ち回った馬がもうちょっと頑張れそうな感じだし、外差し傾向が思ったよりも出ていたのかも。特にセイウンコウセイなんかはパターン的に危惧したとおりになったのに頑張れたから評価が難しいところだね。
1着ダンスディレクター
7番枠から五分に出てそこからじわっと追走しつつも少し下がりながら後方でという位置取り。道中は平均ペースなのだがかなり団子状態、それでも3角の下りで少し行きたがったところを除けばほぼ折り合っていて後方の内目から仕掛けを我慢しつつ、直線で外に誘導。序盤で後方列からスッと反応して一気に伸びを見せると2列目、L1でグンと来て粘り込むセイウンコウセイを捕えての完勝だった。昨年は噛み合いすぎたけど、今回は普通に強い競馬をしての完勝だったという形。距離に関わらず後傾型の競馬が合っているとは思うんだけど、前走の阪神Cの内容から考えても昨年秋の物足りないパフォーマンスから数段上げてきていたし、状態面が上がってきたのが一番かなと思う。馬体増の影響か思った以上にソルヴェイグが走らなかったなという感覚はあるが、ひとまずセカンドテーブル比較で見れば完璧に嵌った昨年のパフォーマンスぐらいは出しているし強い競馬をしたとみていいと思う。あと、これだけ上手くスムーズに行くなら武豊とのコンビも合ってるんだろうなと。スタートも安定しているし、無理なく進めてコントロールしながら持ち味のトップスピードの質、持続力を引き出し切る。この感じなら1200重賞路線でも通用すると思うし、本番の高松宮記念に向けた調整をしていってほしいね。
2着セイウンコウセイ
11番枠から五分のスタートだが先頭争いが雁行状態になってネロも行き切ってくれないためその後ろでという競馬になる。3~4角でも2列目の外で2頭分ぐらい外を回す羽目になるが我慢しながら2列目外で追い出しを待つ。序盤で追い出されるとすぐに抜け出す脚を見せて一気に先頭に立つ。そのままL1まで粘り込みたかったが勢いづいたダンスディレクターに差し込まれての2着までとなった。負けはしたけど、正直かなり頑張ったというかこれは強いな、という2着だったと思う。まあ3角までにネロの後ろにつけられたのはナイス判断で、そこまで外を回さずに済んだのはあるけど、それでもそこからの再加速での伸びは流石。余力を持っての一足という点では高いパフォーマンスを見せてきた。まあソルヴェイグの馬体増だったりいろいろ有力馬が崩れているから評価としてはなかなか尺度の判断が難しいけど、ダンスディレクターとセカンドテーブル比較で見れば強い競馬で勝ちに行っての2着は京都1200では基本的に難しいからね。フラットなペースの中で余力をもって入れた、外枠だったが3角までに最低限内に入り込めた、これらを加味してもこの2着は評価したいね。正直頭痛くて消コメントを書かなかったけど、ネロが行けない想定でその外からになると思ったから厳しいと思ったんだけどね。ペースが上がらなかったのはあるにせよ想像以上に強かったと思う。
3着セカンドテーブル
9番枠からまずまずのスタート、おっつけて番手を確保しネロを行かせず上手くソルヴェイグを行かせてレースを作って理想的な形に支配する。3角でそこから控えて2列目ポケットに入り込みこの馬の良さである後半を行かそうとするスタンスで仕掛けを我慢、4角出口での再加速でも置かれず直線に入ってくる。序盤でソルヴェイグを少し当てにしていた感じだったがすぐに内に切り替えてしっかりと一足を使う。流石に上位2頭には見劣ったがそれでも3着争いを制して小波乱を演出した。水口はもうちょっと評価されていいと思うんだよなあ…。まあそれはともかく、良い騎乗だったと思う。ネロを行かせないことでソルヴェイグのペース、これは当然セカンドテーブルのペースでもありレースメイクは実質的にこの水口が作ったとみていいと思う。仮にソルヴェイグハナ、セカンドが早い段階で2列目ポケットを選択していたら恐らくネロ浜中ももっと競っていったと思うからね。ここはかなり上手かったし、それでいて3角までにポケットに入る選択も使える脚が短いこの馬としては理想的。まあ内の馬場より外の方が良かったかもしれないけど、こういった選択をしてくるというのは良いね。馬自体は追い切りも良かったと思うし、その中で現状上手く進めて上位2頭には見劣ったからね。総合力の高さは魅力だけど、やっぱりこのレベルまでだと思う。一度アイビスサマーダッシュに使ってほしい。
4着ヒルノデイバロー
4番枠からやや出負け、じわっとは押していたがそれでも後方からいつも通りの競馬になる。3角手前ぐらいから外に出してじわっとゴーサイン。下りを使いながら徐々に加速していきつつ4角で鞭が入って大外を回す四位競馬で直線。序盤そのままの勢いで突っ込みたかったがダンスディレクターの方が瞬時に加速して一気に伸びられてしまう。L1の伸びも流石に少し削がれての4着完敗だった。この馬に突っ込まれると個人的にはちょっと悔しいから4着でよかった。ただ外差し傾向で、この馬としても後傾で出し切れればそこそこいいものを見せていたし、有力馬が結構崩れているのでその辺もあるがこれぐらいはという意識もある。こういう追い込みで四位だとウキヨノカゼと被るんだけど、ウキヨと比べると瞬間的なトップスピードの質が足りないし、この流れで動いていったとはいえL1も甘くはなっているので無条件で差し込めるほどではない、というのもここ数走からあるのかなと思う。 ここまで極端な後方待機ならもうワンパンチ欲しい。今回はペースはそこそこ、その割に団子だったので展開も良かったとは思うし、外差し馬場も噛み合ったと思うからね。やっぱりいい脚は使うけど余程噛み合う条件でないと手を出さない方が良いかもしれんね。使うレースにもよるが次は人気するだろうし。
5着ラインスピリット
1番枠からまずまずのスタート、そこから積極的には行くがソルヴェイグが速いので諦めて下げて2列目、と行きたいところだったが下げ過ぎたので3角手前で番手にいたセカンドテーブルに入られて3列目内内となる。そこからも前にスペースを保ちつつ最内を通しながら中団列で直線。序盤でそのスペースを活かして追い出しつつ進路を中目に誘導、スムーズに進路確保してL1は伸びを見せるが最後は伸び切れず、外のヒルノにも見劣っての5着までだった。ん~いいところと悪いところがあって、まあ追い出しに関してはスペースを取って入りつつしっかりと加速しながら中目に持っていけたしそこはスムーズだった。だけど結果的にいいスタートを切ってソルヴェイグの直後を狙えたんだし2列目ポケットを死守する形も必要だったかなと思うけどね。ここで意識を下げ過ぎて、まあ馬の方も想像以上に下がったというのもあるけど内にがっぽりスペースを作ってしまうと流石に入られちゃうからね。馬に関してはフラット型でこのレベルまで来ると後半要素をそこまで持っている馬ではないので、やっぱりもう一列前が欲しかったかなという感じで悪くない5着。パフォーマンスも安定しているし、セカンドテーブル辺りとはトータルで見ればほぼ互角かなとは思うけど今回はセカンドに取りたい位置を取られたのもあるからね。
6着ソルヴェイグ
5番枠からミルコで課題のゲートも難なくこなしてスッとハナを取り切ってしまう。セカンドテーブルが番手につけたことで無理せずにコントロール、平均ペースで進めていく。3~4角でも極端ではないが少し息が入って直線。ただ序盤で再加速という中で反応乏しく、そのままL1まで甘くなっての6着完敗だった。ん~正直ベストの騎乗ではないと思うが、それでもここまで崩れるとなるとやっぱり+18kgの影響と考えるしかないかなと思う。もう少しペースを引き上げてほしかったんだけど、まあ馬場も思ったより軽くなっていてネロが控えた段階でコントロールしたくなるのはある程度仕方ないかな。それでもL1の踏ん張りがなかったし、函館スプリントSもハイからの再加速ではあったにせよL1の踏ん張りはシュウジを捻じ伏せるレベル。その状態にはなかったと考える方が良いと思う。ダンスディレクターにはキレ負けしても仕方ない展開になったけど、セカンドテーブルに負けるとなると状態面と考えるべきかな。ただ適正ペースはもうちょっと速いところにあるとは思うので、ややハイぐらいで進めてほしかったというのは一つある。
11着ネロ
10番枠から好発だったが内が速く、ソルヴェイグにセカンドテーブルと入られて坂の上り下りがある3角で無茶をしたくない意識が働き諦める。セカンドが控えてくれたので番手には引き上げたが平均ペースでの勝負となって直線。序盤で再加速の流れ、ソルヴェイグを交わすどころか反応微妙から失速して下がっての11着惨敗だった。ん~…まあ危惧した展開通りになったんだけど、それでもここまで崩れるとは…という内容だったかな。確かにソルヴェイグやセカンドテーブルが支配したペースだったんだけど、それでも平均からの一足でももうちょっとやれる馬だからなあ。前走時はスプリンターズSからの京阪杯でパフォーマンスも落とさず走ってきたけど、夏場を使い続けて、そこから2か月、2か月と息を入れたのが響いているのかなあという感じはする。追い切りは猛時計を叩きだしてきたけど、正直ここまで崩れるとなると騎乗だけの問題ではないかな。もちろん押していききるというのも手なんだけど、セカンドはともかくソルヴェイグはかなり速いので抵抗されるし良馬場でハイペースの中で3角速いラップを外から踏むのはリスクが大きいからね。好位でもやれたセントウルSというのもあるので難しい。騎乗も無難になってしまったし、そのうえで状態面も良くなかったと考えるべきかも。ちょっと次走以降は様子を見たいね。
13着ブランボヌール
12番枠からやや出負けぐらい、そこから押して追走しつつ中団の中目ぐらいには入っていく。3角の下り地点ではまだ手応えがあったが4角に入ると途端に手が動きだして反応がまったくなくなる。そのまま下がってしまって最後方で終戦という形。4角は減速地点なのであそこで置かれているとなると明らかに失速しているということになる。入りは33.9でそこまで速くないし、平均ペースで自身ではまともなら後傾バランスになる位置にいたはずなので、余力がなくなるようなケースは正直考えにくい。コーナーでのロスもそれなりにはあったけどそれが決定的とも思えない。コーナー最速で置かれるのとはちょっと違うからね。明らかに動けなかったなあという感じ。高速決着というほど時計も速くないし、ここでここまで酷い負け方をするとなると流石にちょっと評価を改める必要が出てくるかも。良くなってくるまで様子を見た方が良いかもしれんね。
see more info at 敗因分析のバイブル~競馬をやって何が悪い。