2017年5月14日日曜日

京王杯スプリングカップ 2017 レース回顧・結果:レッドファルクス、直線まで我慢もしっかり加速し突き抜ける完勝!

2017 京王杯スプリングカップ(GII) 東京芝1400m重
レース回顧・結果

1:23.2 12.8 - 11.3 - 12.3 - 12.6 - 11.6 - 11.1 - 11.5
36.4-34.2 S^3

 重馬場というのが先走ったのもあったがそれにしてもここまで速いラップの勝負になるとは流石に思っていなかった。そしてクラレントにはお誂え向きの展開とはいえ、流石に近走から狙えなかったなあという感じ。逆にこの展開で普通に置かれずに伸びてきたレッドファルクスはこれマイルも問題ないんじゃないかなって感じの競馬だったと。パワー型の馬場だったのは確かだと思うが、その中で超スローからのトップスピード戦にはなっている。横一線ヨーイドンだから上り坂のL2までの入り方が重要だったと思うしサトノアラジンは馬場というより川田だと思う。


1着レッドファルクス


 10番枠から五分には出たかなという感じ、そこからは無理せず控えて中団馬群の中で進めていくが、進路を確保できないまま3~4角でも我慢の展開で直線。序盤でも進路ができずに仕方なくクラレントの直後から追いだすが幸いクラレントが伸びてくれてスペースが空く。L2の坂の上りでグンと来て先頭に立つと、L1まで突き抜けて完勝した。


 この距離でこういう展開になると正直置かれるかも?という方を危惧していたんだけどなんの。要所で包まれてクラレントが抜け出してからスペース確保で追い出し、そこからL2の最速地点までのギアチェンジで全然見劣らなかったしむしろここで伸びてきた。この時点で勝利を確信したけど、L1も予想通りきっちりとトップスピードを維持してきた。かなり強い競馬だったと思う。先述しているレース全体の感想でも言っているけどL2の坂の上りまでに早い段階で進路を確保できた馬が有利ではあったと思うし、3着のグランシルクなんかも戸崎が珍しく外から早めに勝負に行っている。ワンテンポ置かれる仕掛けになったのに伸び切れたのは高く評価したい。正直1400はベストの可能性もあると思っていたけど、この感じだとマイルベストの可能性まで出てきたんじゃないかなと思う。安田記念でも全然侮れない。ただスローバランスの方が良いとは思うのでその辺りかな。脚を出し切れればというタイプだったけどここにきて多少我慢しても動けるという面を見せてきたし、これなら明確にマイル適性まで楽しみになってきたといえる。


2着クラレント


 12番枠から五分のスタート、二の足で楽に2列目外を確保しコントロールしながら3角。3~4角でも仕掛けを待ちながら2列目で直線。序盤で追い出されてしぶとく伸びてきて、L2の最速地点で先頭列に並びかけるがレッドファルクスは手強く。それでもL1まで踏ん張って2列目勢から抜け出し2着を確保した。


 う~ん…まあこういうケースもなくはないなと思っていたけど、仮にそれをベースに考えていたとしても近走のクラレントではちょっと買えなかった…。ただクラレントのためのレースのようにはなっていて、道悪になったことで必要以上に各馬が意識、パワー型の馬でかつギアチェンジが問われていると。こういうケースで良さが出るのがクラレントだから、このレースを端的に言えばクラレントにとって非常に恵まれたレースだったと。なので逆に言えば反対側にいたと思っているレッドファルクスが楽に勝ったことに驚きというか。ただ噛み合えばってところはあるんだなあ。府中で楽なペースで楽に進められる、仕掛けが遅いというケースではまだ警戒が必要やなあ。正直完全に見限ってしまっていた、クラレントさんごめんなさい。


3着グランシルク


 9番枠から出負けして最後方近くからのスタートとなる。ただ幸い馬場も重い意識で前が飛ばさないので団子状態とそこまで縦の差はないまま、少し掛かり気味に一列上げて3角に入る。3~4角でもペースが落ちるぐらいの中で外から前を向いて直線に入ってくる。序盤でダッシングの外からスッと並びかけてくるような感じで良い反応、L2で追い出されて外のトウショウドラフタに対してじわっと前に出る。L1でしぶとく伸びて3着争いを制した。


 まあひとまずこんなもんか、という感じ。雨で渋ったのが良くなかった可能性もあるので何ともだが超後傾バランスでそこまでは切れなかったかな。レッドファルクスのインパクトと比べるとやっぱりちょっと物足りない。ただ1400の方が合っていると思うし、高速馬場でどういう競馬ができるかで判断したいかな。1200路線でも楽しみはあると思うので一度試してほしい。ただゲートはどこで走るにしても重要だから、これが良くなってこないと安定はしないかも。


4着ヒルノデイバロー


 1番枠からまずまずのスタートを切って積極的に主張、外から来るトーキングドラムを制してハナを主張とノリの積極策。3~4角でもペースをコントロールしながら直線。序盤でそこから追いだされるがイマイチ反応鈍く先にトーキングドラムに前に出られる。L2の最速地点で頑張って食らいつくが内外から来られてしまう感じ。それでもL1までしぶとく踏ん張っての4着だった。


 ん~…難しいところだけど、逃げるのであればもうちょっとペースを引き上げるか、早めに仕掛けるか、というどちらかが欲しかったかな。ギアチェンジ面で物足りない馬なのでここまで引き付けて団子で直線だとギアチェンジで見劣ってしまう。馬場が読みにくかったのでレースメイクは難しかったとは思うけど、ちょっと極端にスローすぎたし、そうであればコーナーの段階から加速するラップが欲しかった気はするね。まあ最低人気で4着なので結果的には万々歳。


5着トウショウドラフタ


 8番枠から出負けして後方からの競馬。道中は外から先に上がっていったグランシルクを目標にするような感じで最後方、3角でも手綱を引っ張るぐらいの感じで我慢、動く意識を持っている戸崎の後ろから外を取って直線。序盤で一瞬の反応ではグランシルクを上回り、L2の途中ぐらいまではグランを上回っていた。ただ最後は徐々に甘くなっての5着完敗だった。


 重馬場巧者なのは間違いないなという感じ。ファルコンSの時には田んぼのド不良6秒ハイというちょっと異次元のレベルなので当てにはしていなかったんだけど、馬場自体は合っていたと思う。ただペースがドスローだったので結局使える脚自体が長くないこの馬だとどうしてもラストが甘くなる。全体のペースが上がっても脚を引き出せるのが魅力なので、全馬が余力がある状況でこういう末脚勝負だと道悪と言えども苦しい。もうちょっと流れれば面白かったかもしれんね。1400ベストの1200、1600守備範囲の馬だと思う。マイルでも厳しい流れになれば対応してくると思うけど、使える脚が短いタイプではあるからある程度全体のペースや仕掛けどころが噛み合ってこないとというところでこれからも安定はしないと思う。この5着も条件が揃えばこれぐらいやれるという冷静な評価は必要かな。


7着ダッシングブレイズ


 13番枠から五分には出てそこからじわっと先行策、内田らしくポジションを取っていく競馬になる。最終的には好位の外で進めて3~4角でもクラレントの外からじわっと促されつつもイマイチ反応できないまま直線に入ってくる。序盤で後方集団に取り付かれてしまって苦しい。L2の最速地点ではかなり前に出られてしまったがL1はそれなりに伸びて盛り返しての7着完敗だった。


 雨自体は良いと思ったが流石にここまでドスローになってしまうと…って感じ。L4の段階で12.6と相当遅かったし、そこから2Fで最速11.0まで持っていかないといけない。こんなギアチェンジ勝負では辛い。出し切って良さが出る馬だが今回は明らかに敗因としては加速地点でのギアチェンジ負け、最速地点でのキレ負けだとみていいと思う。う~ん…内田も前にはつけてくれるけどポジションをという意味合いが強くてペースを作るという意味合いを持って進めてくれるとなおよかったんだけどね。まあ馬場が読みにくかったしノリでもこんなラップを作ってしまうぐらいだから難しかったとは思う。


9着サトノアラジン


 4番枠からまずまずのスタートを切って促していくがイマイチ反応できずに後方に下がる、がこれが本来いつもの競馬と言えばそうなる。出していった分ドスローで少し掛かり気味になって終い3角ではやや立ち上がるところもあってコントロールが難しい状況。4角では更にペースも落ちてしまってスペースもなく進路確保に苦労しながら後方馬群の中で直線に入ってくる。序盤で進路を内目に切っていくが内外が横一線に広がる中で上手く進路を取り切れずに坂の上りまでに上手く誘導できない。そのままラストまでジリジリと脚を使ったなだれ込む程度で終わっての9着だった。


 ん~、直線での進路どりが難しくなったのもさることながら、個人的には好発を切ったからって結構促していったのはちょっと理解できない。サトノアラジンのタイプ的にも信じて進路を意識して勢いをつけて末脚を出し切るしかないと思うし、前半無理をして後半のトップスピードの質、持続力を削ぐ選択がそもそもよくわからなかった。また結果的にそれで前にも行けなければ前にペースをコントロールされてドスローの中で掛かり通しになる。コントロールできないからスペースも確保できない状況で3~4角に入っているわけで、スローの団子で直線横一線各馬余力がある状況で後手を踏んではこうなるのは火を見るよりも明らか。進路どりのことよりも最序盤の入り方が個人的には納得いかんわ。好発切ってちょっと欲が出たかなって感じ。馬場のせいにしているけどこんな上がりだけの競馬の中で馬場のせいだけにはできん。そこまでの誘導が拙かった。まあ適正ペースを判断するのが難しい馬場ではあったし、その辺りは仕方ないというか難しかったとは思うけどね。来たかどうかはここまで馬場悪化したら何ともだが、結果論ではなく川田の最序盤の入り方が拙かったのは間違いないと思っている。


11着キャンベルジュニア


 3番枠からまずまずのスタート、そこから控えて2列目ポケットでヒルノデイバローの後ろで進めていく。 3~4角ではそのままヒルノの後ろを通して少し内を空けながら直線に入ってくる。序盤で2列目からじわっと追いだされるが押し上げられない。L2の最速地点で追い出されてイマイチ、L1で甘くなっての完敗だった。


 ん~まあこういうギアチェンジ戦はあまり得意とはしていないし、馬場がタフでも11.1という最速ラップが示す通りトップスピードも高いレベルで問われている。そういう競馬はこれまでからみてもあまり合っていないわけなので、展開的にちょっと苦しかったかなあという感じ。マイルもこなせるようにはなってきたけど、本質的には1800の方が良いとは思っているので、過大評価とまではいわないけど適性が合っていないと思う。距離延長で狙いたい一頭かな。今回は距離というよりはドスローでレース全体の仕掛けが遅すぎた。



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