続いて順番は前後するけど、土曜の青葉賞を見ていくよ。
アドミラブルは、もう圧巻の競馬だったね。ゲートの出がひと息だったせいか、デムーロも序盤は無理をせず最後方に待機。ペースが流れてくれたのは確かにこの馬向きの展開だったんだけど、3コーナーの途中あたりから徐々に動き始めて最後まで脚を切らさなかったのは相当すごいよ。しかも1頭になった後はもう本気で走らず遊んでるからね。僕の記憶が正しければ、あのディープインパクトでもここまで早く動いて勝ったことはなかった気がする。青葉賞組はこれまでダービーを勝ったことがないんだけど、そのジンクスを破る可能性は十分ありそうだ。あとは本番まで中3週の間にどれだけ万全の状態にできるかどうか。レースぶりを見る限りそこまで疲れの溜まる内容じゃなかったから、個人的には問題ないと思うけどね。何にせよ、3歳牡馬トップクラスの力があるのは間違いなさそうだよ。
ベストアプローチは、調教の内容自体は評価していなかったものの、もともといい走りをする馬だと思っていたから、これぐらいやれても不思議はない。ただやはりワンパンチ足りないところはあるし、今回は相手も悪かったね。とはいえ、状態が万全と言えない中でこれだけ走れば大したもの。しっかり立て直してくればダービーでも楽しみだよ。
アドマイヤウイナーは、中団より後ろのポジションにいたんだけど、勝ち馬が仕掛けたタイミングでスッとギアを挙げられなかったのがいただけない。どうも器用さに欠ける印象があるね。前走は先行して押し切る感じの競馬だったから、秋山も馬の特徴を100%把握してはいなかったんだろう。いかにも長距離が向きそうなタイプだね。
ポポカテペトルは、追ってからの反応がジリっぽくて、最後伸びてはいるもののスパッとキレる脚はなかった。これもアドマイヤウイナーと同じで長い距離の競馬が向くタイプだろうね。
トリコロールブルーは、中団後ろあたりからレースを進めたんだけど、勝負どころでもう手応えが一杯。最後はほとんど見せ場がなかった。あの負け方はおそらく距離が原因だろう。もう少し短いところなら見直せると思うけどな。
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