2017年5月3日水曜日

NHKマイルカップ 2017 出走予定馬:トラスト、ゲートは上手いが距離はもうちょっとあった方が良いかも

2017 NHKマイルカップ(GI) 東京芝1600m
予想用・出走予定馬一覧
NHKマイルカップ2017の予想用・出走予定馬一覧

【2017NHKマイルカップの注目馬は?】
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 2歳の晩夏に札幌2歳ステークスを制して重賞初制覇を成し遂げたトラストがNHKマイルカップに出走予定だ。ただ、それ以降というもの重賞戦線で善戦はできてもなかなか勝負に絡むというところまでには至らないままここまで来てしまった。混戦模様のマイル路線に活路を見出し、ここで善戦以上の結果を残せるか。


 ちょっと厳しいかなと思う。札幌2歳Sを勝った時にクローバー賞との比較でパフォーマンスを上げてきていて、距離を延ばした方が良いかなと思っていた馬。マイル路線でも悪くはないんだがワンパンチ足りない、まして今回は混戦とはいえ強敵揃っての高速府中。色々と課題が多い。


札幌2歳S(GIII) 1着 13頭4枠5番
札幌芝1800m良 1:49.9 49.0-48.3 M
12.3 - 11.7 - 12.4 - 12.6 - 12.6 - 12.3 - 12.0 - 11.8 - 12.2

 かなり遡ることになるが2歳夏の札幌2歳Sから振り返っておこう。このレースは強かった。ペースバランスは平均で収まっているがややスロー寄り、ラップ推移的に見ても中盤は12秒半ばで少し緩い、そこからじわっと加速しつつのL2最速11.8。基礎スピードをある程度問われての後半のポテンシャル戦というところ。


 5番枠から好発を切ってスッとハナを取り切る。向こう正面でも番手に対して少し差を作って進め、1馬身差ほどで3角。3~4角でも余裕をもって仕掛けを待つ、4角で仕掛けるとスッと2列目を引き離して2馬身半差ほどに広げて直線。序盤で勝負を決めてL1で差を詰めてくるアドマイヤウイナーやブラックオニキスに対してもほとんど誤差の範囲、セーフティリードを保っての完勝だった。


 その前のクローバー賞では1500mで基礎スピード的に優位に立てずにブラックオニキスに完敗を喫した2着だったが、この距離に伸ばしたことで基礎スピード面が活きてきた、そしてそこでペースを支配して後半3~4角でペースをじわっと上げていきながら段階的に加速してL2で出し抜きに成功した感じ。距離を延ばしてコントロールして、長く3~4角を使って分散して結果が出たわけなのでこういうタイプはもう少し距離が長くてもという感覚だった。それとトップスピード面が問われなかったのも大きいのだろうと。


皐月賞(GI) 13着 18頭8枠18番
中山芝内2000m良 1:58.6(+0.8) 59.0-58.8 M
12.1 - 10.8 - 12.2 - 11.7 - 12.2 - 12.4 - 11.9 - 11.4 - 11.4 - 11.7

 この皐月賞は距離延長というよりも超高速馬場で1000通過が59秒というのが速かったかな、という感覚もあるが、それでもL3-2で11.4と速いラップを踏まされたのが大きいと思う。0.8差なら大崩れはしていないわけで、ペースもだがやはり後半4Fでかなり長く脚を使わされる形になったかなと。ペースは平均からのL3実質最速戦。高速馬場で軽い基礎スピードを問われて、かつ脚を出し切りやすい競馬になったと。


 18番枠から好発を切って外から内に切り込んでいきつつ、アダムバローズを行かせて番手を確保しレースを主導する。向こう正面で少し息を入れたが、そこで各馬が詰めてきたので3角では団子状態になってしまう。3~4角では番手外から楽な手ごたえで先頭列に立ったが4角で追い出す形になって手応え怪しく直線。序盤で下がってしまって、ラストも良いところなく13着惨敗だった。


 意外と前半のレースメイク自体は高速馬場でもかなり優位性をもって進められたと思う。ただ息を入れたいところで息を入れたら後続がそこで詰めてしまったことで位置取りの優位性を思ったより取れなかったこと、そしてそこからの仕掛けが早かったことで3~4角の段階で脚を使わされて終わってしまったかなという印象だったかな。ペースどうこうはここでは判断できないが、どちらかというと仕掛けが早かったのが痛かったという評価。使える脚がそんなに長くないのがこの馬の弱点になると思うので、むしろ少し時計が掛かる馬場の方が、他の脚を削げる分だけ合っているんじゃないかなと。


毎日杯(GIII) 5着 8頭5枠5番
阪神芝外1800m良 1:47.3(+0.8) 47.4-46.4 S^1
12.5 - 11.1 - 11.6 - 12.2 - 12.7 - 12.0 - 11.1 - 11.3 - 12.0

 のちの皐月賞馬アルアインに完敗したのが毎日杯。このレースでもこの馬の脆さというか、あまり長所を引き出せなかったかなと。ペースは単騎逃げ馬で1秒のスローバランスになるわけで、実質離れた位置にいた馬としてはかなりのスローだといえる。そこからL3最速なのでレースの仕掛けが早くなってしまったというところだ。


 5番枠からまずまずのスタートを切ったが消極的な感じになって控えて後方。前が離してややスローで逃げる中で中団馬群の内目で進めていく形になる。3~4角で離れた前の集団を最内から捕えに行く形、前がL3の4角最速という流れに持ち込む中で中団で直線。序盤で追い出されてここではまだ抵抗していたが徐々に甘くなる。L1の減速地点ではそこそこばて差してはきたがそれでも良さが出ずの5着完敗だった。


 内容的に見てもあの位置からでは如何ともしがたい馬。あの位置からだとどうしたってキレで見劣るので押し上げきれないし、L1でグンと来るほどTS持続は持っていない。それなりに来たのはL3で速いラップを踏んでいる中で最内を通せたのも大きいだろう。大勢に影響のないレベルだったし、物足りなさは残った。スローで仕掛けが早い中で後ろからとなると後半要素…末脚の絶対量の不足が顕著だなと。


2017NHKマイルカップに向けての展望

 ゲートは上手いし、皐月賞の様にしっかりと主導していくだけの基礎スピードを2000では見せていると。ただ、マイルでとなるとこれが恐らくそこまで武器にはならないだろうというのは一つある。皐月賞はともかく、札幌2歳Sでは息を入れてから後半のポテンシャル面を引き出してきている。個人的にはそれより短い距離が合っていると思わないのはその辺。特にこれまでを見てもトップスピード戦でとなると一瞬しか脚を使えないし、それもキレで優位に立てていない。良い脚を使ってからは甘くなる傾向なので、NHKマイルカップの傾向からみてもL3最速になりやすいのはこの馬にとってプラスとは言い難いだろう。個人的にはむしろ京都新聞杯に出た方が皐月賞の感じならペースを作って縦長に持ち込んで仕掛けを遅らせてのチャンスがあったかなという感覚で、この距離だとスピードタイプが多いし仕掛けを待ったところでポジション差を作れずキレ負けしそう。なかなか好走するだけのイメージがわきにくい、というのが個人的な評価かな。距離はもっとあった方が良いと思う。


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