2017年6月19日月曜日

ジューヌエコールは想像以上に強い競馬、充実期に入ったキングハート【函館SS回顧】

それでは今週の重賞を振り返ろう。まずは函館スプリントSから。

ジューヌエコールは、想像以上に強い競馬だったね。レコード決着が続出した馬場の影響もあってペースはかなり速かったんだけど、そんな中でも苦労せず流れに乗ってしっかり脚を溜められている。直線を向いたところではもう「勝つでしょ」という手応えで、軽くスパートしただけでアッサリ抜けきってしまった。夏に強い牝馬だし、50キロの軽ハンデの恩恵もあった。とにかくすべてがこの馬に向いたという感じだね。それにしても、この豪快な勝ちっぷりはなかなか大したもの。3歳世代の牝馬はやはりレベルが高いのかもしれないな。

キングハートは、ジューヌエコールのすぐ後ろあたりに構える立ち回り。道中の折り合いは至ってスムーズで、悪くない手応えで直線を向いたんだけど、ジューヌがスッと加速したところでついて行けなかった。この馬自身もまずまずの脚を使っているものの、やはり6キロの斤量差は大きかったと思うね。でも、このメンバー相手にこのペースを克服して2着まできたのだから内容は悪くない。競走馬として充実期に入っているようだし、今の状態ならいつでも重賞を勝てそうだね。

エポワスは、とにかくレースの流れに乗れたのが好走要因だろう。後ろからじっくりいって、前でバテて止まった馬を最後に交わしました、という感じ。内容的に特筆すべきところはなかったし、次も続けて好走するかと聞かれるとちょっと答えづらいな…。

セイウンコウセイは、4コーナーの動き出しがちょっと早すぎた。このペースでも楽々追走できているから、体調面は問題なかったんだろう。ただ、状態が良すぎたぶん、「前のシュウジを交わせば勝てる」と幸が考えてしまったのかもしれない。それに3カ月ぶりの影響も少しはあったのかな。とにかく今回はペースを考えずに積極的に行き過ぎたのが敗因。終いはバタバタになったけど、そう大負けしているわけではないから参考外で大丈夫だと思うよ。

シュウジは、追い切りで後ろから行く訓練をやっていたから、本番でも差しの競馬をすると思ったんだけど、実際はスタートが良すぎてそのまま逃げる展開になったね。豊(武豊騎手)はオーバーペースになっているのをわかっていたと思うけど、変に引っ張ってもしょうがないからということでそのまま行かせたんだろう。ただ、あの速さでビュンビュン走れば最後止まるのは当たり前といえば当たり前。ちょっとスランプに入ってしまった感じで、なかなかいい時のメリハリのある競馬ができなくなっているようだね。


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