2017 10/1(日) 日本時間
第96回 凱旋門賞(GI) シャンティイ芝2400m
今年もシャンティイで代替開催となる凱旋門賞にイギリスが誇る名牝エネイブルと天才ランフランコ・デットーリのコンビが出走予定だ。英愛オークス2冠を制し、更に古馬牡馬相手にKGVI&QESを制し、そしてヨークシャーオークス圧勝と圧巻のパフォーマンスを見せ続けている。英国の怪物が初めてユーラシア大陸に上陸。エネイブル旋風を巻き起こすか?
基本的に英国の洋芝というのは、他のヨーロッパ諸国と比べても重たいイメージで、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSが行われるアスコット競馬場もかなり起伏に富んでいて高低差も非常に大きく、そのうえで時計も掛かる。シャンティイは昨年の凱旋門賞を見てもわかるが、良馬場ならそこそこ時計が出るので、その辺りの馬場がフィットするかどうかという面はある。怪物という見立てはできるが、タフな馬場でポテンシャルが非凡というところにあると思うので、緩い流れからのトップスピード戦になってどうか。フランキーの腕の見せどころだ。
●KGVI&QES(GI) 1着 10頭7番枠
アスコット芝2400m稍 2:36.22
まずはキングジョージから。ラップ推移が分からないので何とも言えないが渋ったアスコットらしく時計も2:36.22と非常に遅い。三角お結びコースで、最終コーナーが3角、2角のてっぺんに向けて下し坂でそこがスウィンリーボトムと言われる底、そこからは登っていく映像的に見ても明らかに登坂している、という感じの競馬になる。消耗度合いがきついレースとみていい。
7番枠からまずまずのスタート、そこから楽に先行争いに絡みつつ控えて番手外で進めていく。下り坂で掛かり気味になりつつも何とかコントロールして番手外をキープしながら2角に進んでいく。逃げ馬が単騎気味に進めていく中で実質的にレースを誘導する形で進めて上りに向かう。逃げ馬以外は外目を回して馬場の良いところをという中で2列目の真ん中で進めながら3角。3角で先頭列3頭の一番外を通して直線。序盤でそこから追いだされてグンと突き抜ける。そのまま食らいつくユリシーズを寄せ付けず、最後まで圧倒した。
追いだされてからスッと反応して一気に突き抜けているというインパクトは凄いなと。ただやはりラップ推移やペースといったものが全く読めないので正直なところ何とも言い難い面はある。ハイランドリールに圧倒したのは評価したいんだが、そのハイランドリールも今年になってドバイシーマクラシックでも殿負けを喫していたりパフォーマンスを落としている感はある。これは目視と時計から個人的感覚なのであくまで参考程度にしてもらいたいが、ラスト2Fは大体13-13ぐらいの感じ。13秒台でフィニッシュしていると思うので、その辺りを考えても消耗戦だった可能性の方が高いと思う。それと、タフな馬場での消耗戦で坂の上りがずっと続くというのは斤量の恩恵も受けやすいと思うし、他の有力馬が60.5kgの中で54kgで走れたというのはあったかな。もちろんこれは凱旋門賞にも言えることだが。
●ヨークシャーオークス(GI) 1着 6頭1番枠
ヨーク芝2370m稍 2:35.7
このヨークシャーオークスもぶっちぎった。同世代の馬たち、牝馬が相手なので斤量はともかくキングジョージと比べれば楽は楽だったとは思うが、それでも強かった。ただしこのレースも時計が非常に掛かっている中でのもの。
1番枠から好発を切ってスッとハナを取る。そのまま後続から少し離れた位置でレースを作っていく。道中もゆったりしたフットワークで折り合って進めながらで3~4角でも特に動きなく余裕をもって直線に入ってくる。序盤でもまだ軽く促す程度でじわっと2番手の馬を引き離す。そこから追いだされると一気に突き放して勝負を決める。ラストまで詰められずの完勝だった。
これに関してはバーチャルのラインも全く引かれていなかったし全く持って映像からしか判断ができないのだが、この馬の強みとしては自分のペースでしっかりとコントロールできるという気性面と、そこからしっかりと追い出されて反応できるというギアチェンジ面を持っているように感じるところかな。ラップ推移が全く見えないので本当に判断のしようがない。ただ、やはり時計が掛かる重い重い洋芝でのパフォーマンスではある。
●2017凱旋門賞に向けての展望
う~ん、まあ正直なところラップ推移が読めないので何とも言い難い、というのが率直な感想。ただ、仮に昨年のような馬場で展開になった場合、恐らく基礎スピード面では2ランク上の質の軽いものを求められると思う。一応思い出しておくが、昨年のシャンティイでの凱旋門賞は勝ち時計が2:23.61となっていて、ここまで速い時計が出るかはともかく基本的に最近のフランスは馬場が軽くなる傾向が強い。もちろん良馬場ならば、という前提はつくが。昨年は超ハイペースだったし軽い馬場でああなった時にこの馬の優位性が作れるのか?というのは結構危ういと思う。確かにテンは速いし、日本で言うならキタサンブラックのような競馬ができているんだが、それはイギリスの重い芝で小頭数だからできる芸当ともいえる。逃げに拘らない、番手でも戦えるという強みだが、軽い馬場の2400でラビットも多く参戦しそうな凱旋門賞で果たして優位にポジションを獲れるか、ペースが上がって脚を使わされないかがポイントになると思う。血統的にはサドラーズウェルズの2×3ということで非常に極端なインブリード。この重厚な全体の基礎スピードが武器っぽい感じはするので、できれば本番は道悪が望ましいと思う。愛オークスなんかは直線ラストで突き放しているし、ポテンシャルの高さは非凡。軽い馬場でスローとなると案外合わないかもしれないし、サトノがチャンスだとすればそういう状況だろうと思う。道悪だと恐らくサトノダイヤモンドにとっては天敵で正直難しいかなという感じ。付け入るスキ自体はありそうで、本質的にあまりキングジョージで強い勝ち方をした馬をフランスの凱旋門賞では信頼しない方が良い、というところもあるので。最近のフランスは良馬場ならかなり速いラップを刻みやすくなっている傾向だと思うしね。
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