日程：2017年12月2日(土)
第68回 チャレンジカップ(GIII) 阪神芝内2000ｍ
予想用・出走予定馬一覧
３歳勢からこちらは安定して走ってきているもののあと一歩が詰めきれないサトノクロニクルがチャレンジカップに出走予定だ。菊花賞では不良馬場の中で伸びあぐねたので仕方がないが、セントライト記念でも伸び切れず３着、ラジオNIKKEI賞でもワンパンチ足りずに掲示板を外している。期待先行の感はあるが、再コンビのミルコ・デムーロが才能を開花させることができるか。
基本的に３歳世代の中での評価でやや過大評価気味、という認識ではある。難儀なのはやはり要所で動けないことだろう。これがあるから詰められない。またかといってそれを補えるほどの強烈なポテンシャルを持っているというほどでもない。少なくとも兄のサトノラーゼンと比べて春の段階で完成度は見劣っていた。ここでどうか？というのはあるが早仕掛けの常習犯ミラノがいることに動かしていくミルコなのでこれで何とか結果を出したいなと。
●白百合Ｓ(OP) １着 ７頭４枠４番
京都芝外1800ｍ良 1:46.6 47.0-47.6 M
13.0 - 10.9 - 11.0 - 12.1 - 12.0 - 12.2 - 11.9 - 11.6 - 11.9
まずは白百合Ｓからになる。ペースは平均で流れ、ラップ推移的にも特に大きく淀みない中でＬ２最速11.6。そこまで速いラップを問われていないが流れていたので仕掛けが遅い、というパターンで良いだろう。
４番枠からまずまずのスタートを切ってそこから促してはいたが前には行けずに後方に下がる形になってしまう。道中も後方の外目で進めながら３角。３～４角でも後方外目で促しながら追走だがなかなか押し上げられずに後方で直線。序盤でそこからの反応もいまいちでまだジリジリ。Ｌ１で前が落ちてきたところでようやく伸び始め、外のゴールドハットとの叩き合いでなだれ込んで内のクリノヤマトノオーを何とか捕えきった。
この流れでも感じるぐらいなのでやはり要所での反応が鈍い。３～４角でもそこまで緩んでないし加速度もそんなに高くない、４角では外から動けているのにいまいち伸び始めが遅い。Ｌ１では来ていたのでロスがあっても最後まで脚を使えたのは評価できるんだが、鋭さという点では明らかに足りないなと。要所の反応が鈍く完成度の低さが悩み。
●セントライト記念(GII) ３着 15頭２枠２番
中山芝外2200ｍ良 2:13.2(+0.5) 61.8-58.1 S^4
12.3 - 11.1 - 12.4 - 13.1 - 12.9 - 12.8 - 12.1 - 12.0 - 11.7 - 11.3 - 11.0
ラジニケ賞は物足りなかったが１周コースの1800で結構流れたのである程度仕方ないかなと。それよりもセントライト記念がこの馬らしい問題点ではあると思う。3.7でS^4までいく超超スローなんだが、それよりもポイントは仕掛けのタイミングが非常に遅いということ。この時は超高速馬場で騎手の意識が追いつかずにＬ１最速率が非常に高い日だったが、このレースも同様でＬ１の坂の上りが最速となっている。コーナーでは上がり切っていないので直線勝負といっていい。加速していくギアチェンジの性能をかなり高いレベルで問われてしまった。
２番枠からまずまずのスタートを切ってそこから押して先行、楽に追走して２列目の内に入って意外なほどポジショニングが上手かった。道中もそこから少し控えて２列目も前にスペースを置いた状況で進めていく。３～４角では少しスペースを詰めてしまって加速していく流れで２列目ポケットのまま直線。序盤でアルアインに外から一気、更にその外からミッキースワローに違う脚で抜け出される。Ｌ１は食らいつくが…という内容だった。
３角でミルコとしてはペースが上がっていくことを想定して促しているんだがペースが上がらないのでスペースを詰めてしまった。そこからもペースが段階的にしか上がらないのでスペースもないし仕掛けて行けずに直線に入ってしまった。アルアインやミッキーが外から鋭く反応できたのに対して、前を向けなかったこの馬としてはかなり辛い展開にはなっている。それでもそこそこ頑張れたので個人的にはこの一戦はそんなに悲観していない。むしろ前半のポジショニング、この流れでも最低限の競馬ができているので春から比べると成長している可能性が高いんじゃないか？というのは感じたかな。
●菊花賞(GI) 10着 18頭６枠11番
京都芝外3000ｍ不 3:20.8(+1.9) 64.1-68.8(FA13.76)-66.0 H^2
ハーツの仔だしある程度こなすかなと思っていたんだが菊花賞は良いところが無かった。不良で泥んこ、ペースも２秒近いかなりのハイだが終始13秒台を刻むような感じの競馬で消耗戦といっていいだろう。
11番枠からまずまずのスタートを切ってそこから無理はせずに中団ぐらいで進めていく。スタンド前では前にスペースを置きつつもベストアプローチを前に置いて進めていく。向こう正面では手が動いて追走していくがなかなか差が詰まらずポジションを少し落としていく感じになり本格的に手が動く。３～４角では中団の外目で追い出されるが少し置かれて直線。序盤で２列目との比較でみてもやはり伸びあぐねていてなだれ込む程度。Ｌ１でも伸びは無く下がってきた馬を拾う程度で離されての完敗だった。
ここまでド不良だと道悪巧者かどうか？というのが大きいとは思うし何ともだが不器用な馬なのでこういう紛れのない中で結果が出ていればなあという感じ。ラストは自身も脚があがっていたし、こういう馬場が合わなかったとみるべきかな。不器用なんだけどこれまでのパフォーマンスを見ても高速馬場の方が高いレベルにある。不良馬場が合わなかった可能性と、距離も長かったかもしれない。まああまりにも特殊なケースなので決めつけない方が良いだろう。反動があるかないかだけ注意して見ておきたいが、１週前の追い切りではきっちりと強めに負荷をかけているしそう心配はないかな。
●2017チャレンジカップに向けての展望
内回りの2000ｍならそこまでトップスピードの質は問われないし、しかもミラノが出てくれるのでこれなら４Ｆ戦ぐらいのイメージは湧きやすい。この馬の弱点はコーナーで置かれ気味、直線でも加速となるとギアチェンジで少し見劣るのでそこをフォローできるかどうかが重要。今回はミルコなのでその辺りの意識は強くもってくれそうだし、セントライト記念の時は前が仕掛けを遅らせてポケットでどうにもならなかっただけで早めの意識自体は持っていた。今回はどうせミラノが３角辺りから動くのでそこからのペースアップを考えればこの馬としては要所で置かれるリスクは通常より低いだろうと。ただし、能力的に見ても３歳世代で最上位には見劣るのは確かだし、ポテンシャル面でも高いレベルでというわけでもない。今回はメンツが楽な相手なのでチャンス自体はあると思うが単独の１番人気なら流石にちょっと信頼しきるのは嫌だなと。正直そういうレベルの競馬はしていないと思う。もちろん出し切れればチャンスはある、ミルコも良い、メンツも良い、展開もよさそう。条件的には良いので抜けた人気してしまうと馬券的に難しくなるな…と。能力的にはブレスジャーニーの方が上だとは思っているけど、流石にここまでの過程で考えれば逆転の余地は大いにあるし、古馬も危うい地雷馬ばかりが揃った感じで…。非常に悩ましい。
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