2017年12月29日金曜日

東京大賞典 2017 レース回顧・結果:コパノリッキー、GI級11勝と快挙で大団円、キタサンに続いて砂の王者も有終締め!

2017 東京大賞典(GI) 大井ダ2000m良
レース回顧・結果

2:04.2 61.3-62.9 H^2
12.2- 11.1- 12.2- 13.0- 12.8- 12.9- 12.9- 12.6- 11.7- 12.8

 福永が番手だと逃げ馬が楽なんだなあと感じさせる競馬になったなあ。結局再序盤だけ突っかかっただけで後は放置だからコパノが向こう正面でペース上げてないし、直線だけの競馬に持って行った。4角で少し加速しているが、ハイペースに見せかけて中盤は相当緩いでしょこれ。13.0から13.0-12.8-12.9-12.9-12.6とここだけでFA12.84と異常に遅いラップを踏んでいるのに結局番手が突かずに進めてこういう形になった。端的に言えば前半速そうだったので後半の仕掛けが遅くなったパターン。


1着コパノリッキー


 13番枠からまずまずのスタート、そこからケイティブレイブを制してハナを主張だがケイティが抵抗してなかなか譲らず、ケイティが控えてハナを主張しきって1角へ。ここまでは速かったがここからは楽にペースをコントロールしてゆったりとした流れに持ち込むが番手のケイティがこれ以上競ってこないので楽に楽に支配、3角までゆったりした流れで進めていく。3~4角でも楽な手ごたえで進めてケイティが仕掛けてくるのを見越して出口で仕掛けて出し抜く。ラストもサウンドトゥルーが食い込んでくるも全く問題としない完勝でラストランを飾った。


 最序盤はかなり流れたと思うしここだけ厄介だったが、逆にケイティ福永が競りかけたことで中盤以降の意識が猛烈に下がったからかえってやりやすい流れになったと思う。コパノリッキーの場合後半特化はしたくないのと、3~4角でコーナーで脚を使わせるか、仕掛けを遅らせてL2でのギアチェンジで勝負を決めるかというような色々な選択肢があったと思うが、今回は仕掛けを究極レベルで遅らせることが出来たのが大きい。まさか向こう正面で13秒前後をずっと刻めるとは、流石にコパノリッキーといえども難しいと思っていたんだが、ケイティ福永が楽をさせてくれたのが大きい。これケイティブレイブのところで詳しく書くけど、福永はケイティの良さも消してしまう中途半端な競馬をしちゃったからね。最序盤が速くなって意識が下がったことでコパノとしてはかなり楽だったかな。あとはやっぱりサウンドトゥルーが内枠だったので要所までのポジション取りでかなり優位性を作れていたのも大きい。ラストランで鮮やかな勝利だけど、基本的に大井の2000ではコパノリッキーは嵌らないとなかなか綺麗には勝ち切れない。今回はその辺りが嵌ったと思う。


2着サウンドトゥルー


 3番枠から出負けして後方からの競馬はいつも通りだが、ミツバより後ろになったし壁になる馬も多くて最序盤でポジション取りに苦労、後方集団の内内で進める形。向こう正面以降はかなり緩い流れになっていて、ここで中団の外ぐらいまで取り付いて3角。3~4角でも変わらずペースが遅いという流れで外に誘導できていてそのまま押し上げて直線。序盤で好位列ぐらいからジリジリとは伸びてくるがまだジリジリ。L1でケイティが落ちてきたのでこれを拾って、更にコパノリッキーとの差を詰める脚を見せるが2着まで。


 枠がね…。最序盤どうしてもいい位置を取れない。早い段階で外に出せてそこから押し上げる、というスタンスをなかなか取れず向こう正面でも後方寄りだったからね。展開自体は結構噛み合っていて、最序盤は速いけど向こう正面以降は遅いぐらいの流れで徐々に外から取り付いて勢いに乗せながら3~4角に入って押し上げてきているからね。流れとしてはJBCクラシックに近いパターンになったと思う。後はそのタイミングがどうしても少し遅れてしまって、これは内枠で出が悪くて最悪に近い位置からのスタートになったというところが大きいと思う。大野としては最大限にバランスのとれた競馬をしてくれたと思うけど、コパノがここまで恵まれてしまうと辛かった。


3着ケイティブレイブ


 12番枠から好発、そこからコパノが外から競ってくるのでこれを早い段階で行かせるかなと思ったが結構抵抗して最序盤はハイペース。1~2角でペースダウンして番手外からケイティを突くかと思いき抑えていく。結果中盤は緩い流れになっていてここで後続に取り付かれつつ、かつコパノとの差も詰められないまま3角でコパノの後ろを突いていく。3~4角でコパノの外に出すが追い出しても反応で見劣ってそのまま直線。序盤で一瞬は食らいつこうとするがギアチェンジで一気に離される。最後は甘くなってサウンドトゥルーにも差し切られて3着死守まで。


 3着を死守してくれたのは馬のおかげだと思う。福永はかなりバランス的に下手に乗ったという認識。地方や中山の長距離で勝てないのがよく分かった。まず端的にこの馬の評価として帝王賞で圧倒していて出遅れて後半勝負にシフト、それもロンスパで勢いに乗せて結果を出してきた。これが前提で、そのうえでJBCでは中弛みで仕掛けを待たされてのギアチェンジ戦でもそれなりにやれたがサウンドに取り付かれて差されている。なおかつこのときコパノはいない。そして長距離にシフトして、後半勝負で良さが出ていることから前半あまり急かさない方が良いという認識。今回照らし合わせれば、前半は35.5と速い流れに乗って行ってしまう、中盤前を突かないから無駄にペースダウン、そして最序盤前に行ったことで意識的に仕掛けが遅くなってしまう。最悪といっても良いバランスだったと思う。前半行くなら中盤以降も割り切ってコパノに対してプレッシャーをかけるべきだった。逆に言えば中盤に勝負に行けないなら無駄に最序盤で競っていくべきではなかった。個人的には前半急かさずコパノを泳がせて、向こう正面からコパノにプレッシャーをかけに行くのが理想だったが、そのイメージとは正反対に近い。福永が有馬記念とかで糞騎乗をよくするのも多分仕掛けのイメージが一つしかなくてオンかオフかしかないんだと思う。アクセルを踏むかブレーキを踏むかの二択しかないんじゃないか?ってぐらい。有馬でも結局1段階目の仕掛けが緩いからキタサンの仕掛けが楽になっているわけだしね。良い位置につける能力は高いのに、それを一切活かせないからなあ。ポテンシャルタイプとは本当に相性が悪いな福永。まあ、シビアに騎手で評価を下げんといかん。とりあえずケイティブレイブは帝王賞のパフォーマンスがある以上、一度早めに仕掛けられる騎手で好位ぐらいから進めてどれぐらいやれるか見てみたい。


4着アポロケンタッキー


 5番枠からやや出負け、そこから前が壁の状況から進路を作るのに苦労して後方からの競馬と最悪に近いポジション取りとなる。向こう正面でもサウンドトゥルーの後ろから進めて外に出して後方で3角。3~4角でも後方でサウンドトゥルーの後ろを通して直線でその外。序盤でそこからの伸びはイマイチでジリジリ、L1でそこからジリジリとは伸び続けて4着を拾った。


 う~ん…あの位置になってしまったのは何でなのか?というところ。まずゲートはイマイチだったが、二の足もイマイチで外から内に切り込まれた段階でスペースはなかなか作りにくいし難しい面もあった。それでもいくらなんでも後ろ過ぎるし鞍上もそんなに促していくような感じでもなかった。いくらなんでもあれでは。この位置からサウンドトゥルーを見ながらでは勝負にはならん。ただ本来なら東京大賞典を勝った時もそうだが加速地点での直線入りな鋭く動けそうなもんなんだが、ここで今年は置かれていたのは一つある。この馬の場合は適性にかかわらず急に走ったり走らなかったりするので、当てにしづらい面がある。今回もチャンピオンズカップでハ行での取り消し明けだったわけだし、もしかすると状態面での不安もあったかもしれないね。あそこまで後ろになってしまったのも、要所でイマイチ反応できなかったのも馬の問題もないとは言えない。それでも鞍上の再序盤の運び方が余りにも消極的過ぎる。福永とはベクトルが違う方向だけど、下手に乗った。


5着ロンドンタウン


 15番枠からやや出負け、そこからじわっと無理はせずに好位を確保していく。向こう正面でも5番手ぐらいで進めながらでコントロール、インカンテーションの後ろで進めて3角。3~4角で結構楽な手ごたえ、そこから4角で仕掛けながら直線。序盤で狭いところを突こうとしてインカンの内からジリジリと伸びるが勢いで外差しに見劣る。L1でも伸びは無くアポロケンタッキーにも差し切られての5着完敗だった。


 ん~やっぱりこの程度なのか、という感じかな。力関係の把握でチャンピオンズカップが物足りなくて評価を落としたけど、補正してみて割と妥当な着順に落ち着いたなという感じ。最序盤こそ早かったがそこからは息が入って緩い流れ、L2最速でトップスピードとギアチェンジ勝負になったにせよ上位相手に戦うだけのパフォーマンスを見せられなかった。騎乗自体も比較的スムーズだったし、狭いところを突いたのはあるにせよ上位3頭に割って入るレベルには無かった。


6着ミツバ


 1番枠から珍しく好発を切ってそこから促していくが外の各馬が速いので無理はせずに控えて2列目の内、前とは少し離れた位置。向こう正面でも好位の内内で進めて促しながら3列目内で3角に入っていく。3~4角でもペースが上がらない中で急コーナーの内内を追走するがかなり手ごたえが悪く鞭が入るが追走に苦労、3列目で直線。序盤でそこからの伸びはそれなりだがそれでもL1で甘くなってアポロケンタッキーにも見劣った。


 まあこの枠で包まれちゃうとね…という感じ。3角までに外を取りたかったと思うんだが結局3列目の内内で緩い流れで3角に入ってコーナーから直線で加速する必要があるわけで、そういった器用な競馬を内内で包まれてやるってのは難しい。ミルコにしてはその辺りのマネージメントが下手だったなという感じ。1角までの段階でハイペースで縦長になっていたしいいスタートを切っていたので早い段階で外に持ち出すことはできたと思うんだけどね。この馬自身は不器用な馬だという認識で、JBCクラシックでも緩い地点で外から押し上げて加速しながら直線に入ってきたのも良かった材料だと思うし、3角地点で13秒に近いラップで3~4角で動けない位置で直線ヨーイドンって馬ではないと思う。逃げられないとは思っていたけど、あのスタートを切ったならもうちょっとやりようがあったと思うんだけどね。今日のミルコの騎乗は物足りん。


7着インカンテーション


 10番枠からまずまずのスタートを切ってそこから押しての先行策だが外2頭が速いので控えて2列目の外を狙っていく。向こう正面ではケイティの外で進めていたがコントロールしながらの競馬でペースダウンに合わせて3角。3~4角で3番手から追い出されるが反応に乏しいまま直線。序盤での加速も物足りず、置かれてしまう。そのまま失速して7着と完敗。


 インカンの場合は緩い流れからの反応も結構良い馬なので、個人的にはこの流れそのものは良かったんじゃないかなと思っている。それでいてこれだけ負けてしまったのはちょっと意外だったなという感じ。う~ん…コーナーの段階で動けていなかった、置かれ気味ではあったと思うし…。ちょっとわからない負け方だったなと。少し評価を下げるべきなのかな。


■■■■■■■■■■■■■■■
 “大魔神”の愛称でお馴染み!
 
シュヴァルグランがジャパンCを
  制してGI5勝目を上げた
 ≪JRA馬主・佐々木主浩≫
 の【東西金杯・最終結論!】

  ▼こちらで無料公開!▼

see more info at 敗因分析のバイブル~競馬をやって何が悪い。