日程:2018年1月8日(月)
第52回 シンザン記念(GIII) 京都芝外1600m
予想用・出走予定馬一覧
前走阪神マイル戦での未勝利勝ちで好時計で圧勝してきたエアアルマスがシンザン記念に出走予定だ。新馬戦は京都の内回り1400mで完敗を喫したが、前走マイルへの延長で覚醒を果たした感はある。今回は再度京都の舞台に戻るがマイルの距離で本領発揮となるか。明け3歳世代、今年最初の重賞馬の座を狙う。
新馬戦でもうちょっといい感じで伸びて来ていたらなあという感じはある。未勝利勝ちで見せてきたように前目からでも積極的に早めにエンジンをかけてやればいい脚を使ってきた。マジェスティックウォリアー産駒といえばほぼベストウォーリア。エーピー系ではあるんだが、この馬は母系もミスプロ系代重ねだしミスタープロスペクターの4×5×4と比較的強めのインブリードもち。ミスプロ系は母系として組み込まれると意外と長距離への適性を示すことが多い印象で、割と距離適性の幅自体は広く出そうなイメージかな。母父がエンパイアメイカーとミスプロにしては割と中距離型の種牡馬だし、今のところはマイル~1800辺りが合いそうな感じはする。
●新馬戦 2着 14頭7枠11番
京都芝内1400m良 1:22.5(+0.3) 35.4-34.9 M
12.5 - 11.1 - 11.8 - 11.9 - 11.9 - 11.5 - 11.5
まずは新馬戦。この時の京都は良馬場ではあるがやはり台風開催の影響でやや高速程度までで収まっていた。ペースが平均、中盤で11秒台後半から2F勝負で11.5を続けてきた。L2最速タイとある程度流れたことで仕掛けどころは遅かった。
11番枠から出負けしてそこからリカバーしていきながらの先行策となる。道中は2列目の外で進めていて最終的には前に壁を置いて3角に入っていく。3角では3列目の後ろぐらいで我慢しながら前の馬を追走、ここではまだペースが上がらずスペースが無い状況で待たされて3列目のまま直線。序盤で進路を内に切りたいが詰まりそうと判断して待ってからL1で追い出されてジリジリ、2着は確保した。
まあ悪くはないというか、少なくとも底は見せていない負け方だったのは間違いない。ゲートがまずかったのは頂けないが、リカバーしてそこからの折り合い自体はそう苦労せず、かつ3~4角では緩めの流れの中でスペースを作れず苦労しながら直線での進路どりも上手くいかなかった。2F戦なのでコーナー地点よりも直線で終始速いラップを踏む必要はがあったわけなので、差し切るにはトップスピードの質を求められているし何よりそこまでのギアチェンジの性能も必要な位置だった。なので負けたからといってこれが地力ではない、というのは確か。ただし、確かにL2の地点での進路どりは拙かったが、ギアチェンジの性能が高ければL1はグンと来ていたと思う。それが感じられなかったので少なくとも直線平坦で自分で加速が必要な時に一気にというのはまだ難しいかなと。この一戦だけでは何ともだが、出負けからリカバーしてコントロールできているわけで気性面という観点で見れば適性は見せていたと思う。
●未勝利 1着 13頭4枠5番
阪神芝外1600m良 1:34.2 47.6-46.6 S^1
12.4 - 11.1 - 11.6 - 12.5 - 12.6 - 11.6 - 11.0 - 11.4
前走の未勝利戦は距離を延長させたことで爆発したという見方ができると思う。特にこのマイル戦では最序盤は35.1なのでそこそこ速く、中盤2Fが12.5-12.6とここでかなり息が入っての3F戦。いわゆる中弛み顕著な競馬からのトップスピード戦となっている。先行馬に問われたのは中盤のスピードのコントロール、そこで脚を残して直線での再加速でトップスピードを引き出せたかどうか。阪神外回り特有の3角の下り坂からの加速なので自力でのギアチェンジはあまり問われていない。超高速に近いぐらいの馬場だったので全体時計は単純に見れば評価できないが中弛みがあってのこれなので補正して高く評価すべきだと思う。
5番枠から五分のスタート、そこからじわっと楽に先行争いに取り付いていくが、抑えて2列目に下げに掛かる。ここで新馬戦とは違って少し掛かりながらの感じだが3角手前ではコントロール。3角辺りでかなり減速するのでここで流石にハミを噛んでいる感じだが前に壁を置いてコントロール、4角でじわっと外に出して下りで馬なりの状態でスピードに乗って行って先頭列で直線。序盤で馬なりで先頭に立ってしまって楽。そのままL1まで軽く促す程度で最後は流して突き抜けた。
強かったし、一応見た目的には掛かりながらになっていたけど中弛みの影響が大きかったのでそこで我慢して直線での末脚の鋭さを引き出してきたのは大きいかなと思う。流石にここまで楽勝だったのは相手関係でそこまでの強敵がいなかったからだが、高速馬場であることを差し引いてもおつりがくるほど全体時計とラップの内容は優秀。それと4角から直線半ばまで下り坂でそこで勢いをつけられたのがプラスに働いているのかもしれない。ここまで緩んでもコントロールしていい脚を引き出せているなら個人的にはワンターンの1800~2000までは全然問題ない、ベストの距離の可能性もあるかなという感じ。逆にマイルで淡々と流れた時にパフォーマンスをキープできるのかどうかというのは一つの課題ではあるかも。まあそこは基礎スピード型が多いアメリカンなエーピー系なので血統からのアシストはできると思う。
●2018シンザン記念に向けての展望
今のところはここでは最上位の逸材ではあると思うし、今年のマイル路線の主役級を担うだけの力はある。もちろん世代最強マイラー(マイルだけにとどまらないと思うが)のダノンプレミアムの場合はペースをあまり緩めずに進めてくるし基礎スピードが高いうえでラストの脚も鋭く引き出してきた。現時点でのパフォーマンスでは流石にダノンの方が上だが、打倒ダノンの筆頭にはなり得る存在。そのうえで、細かな点を言えばやはり京都のマイル戦に替わるので3角の下りでペースアップせずに直線勝負の割合が大きくなった時、平坦の状況で自分で加速していけるかどうかが一つ。馬群の中での競馬だと抜け出す反応の鈍さが一つ気になるところ。そしてもう一つは京都の馬場。前走は高速馬場でラップの辺さが大きくなったことでパフォーマンスを上げてきた側面もなくはない。昨年秋の京都は悪天候に見舞われ続けたので、開幕週とは言えそこまでの高速馬場にはならないかも。新馬との比較で見れば未勝利で2段階ぐらい上げてきているので高速馬場適性が高かった可能性もある。時計がかかって1:34.0ぐらいの中で46.5-47.5ぐらいのペースになった時に対応できるかどうか、この辺りは一応考えておきたい。少なくとも1400よりは1600の方が明確に良いと思うし、未勝利の内容なら恐らく1800mの毎日杯でも面白いかなと思えるぐらいの感じ。今の段階なら完全に流れるより息が入った方が良いだろう。まあ総合的に見てペースが上がったとしてもエーピー系マジェスティックウォリアーの仔なら大丈夫かなと思うし、素直に重い印を打っておきたいかな。パッと見て面白い馬も何頭かいるのでその辺りを細かく見ながら。まあ連下は外せんでしょう。
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