2018年7月29日日曜日

【クイーンS回顧】ディアドラは秋の活躍が楽しみ/ソウルスターリングは立て直しに苦労しそう

それでは先週の回顧を始めよう。まずはクイーンSからだね。

■ディアドラ【秋のGI戦線が楽しみになる完勝】
実力、状態、展開のすべてが噛み合った上での楽勝だね。序盤は無理せず後方待機策を選択。道中前の馬がやりあってくれたおかげで展開が向いたし、少頭数ゆえに大きな距離ロスもなかった。勝負どころで内のフロンテアクイーンが張り出してきて、一緒になって外に膨れる場面があったけど、それ以外はほぼ完ぺきな内容。海外遠征明けでも調教を見る限り状態面に不安はなかったし、これだけの競馬をしたのだから、秋のGI戦線は当然楽しみになってくるよね。

■フロンテアクイーン【この馬の持てる力は出し切った】
中団でじっくり構えて脚を溜める競馬。道中の運びはほぼ問題なかったし、直線を向いた時の手ごたえも上々だったものの、やっぱり最後はこの馬の限界というか、スパッとキレる脚を使えなかった。後ろから来たディアドラには直線離される一方で、ちょっと相手が違った印象。ただ、この馬としてやるべきことは全部やれていると思うよ。

■ソウルスターリング【乗り手の苦労を讃えるべきレース】
追い切り診断で「テンション(の高さ)が心配」と書いたとおりの結果になったね。序盤から馬にスイッチが入ってしまっていて、道中は北村(北村宏司騎手)が終始なだめながらの競馬。あれでも前の2頭が速い流れを作ってくれたことで、だいぶ楽に運べている方だと思う。勝負どころで外から早めにこられた時も、もうワンテンポのガマンが効かず、最後は脚を使い切ってなだれ込む形。それでも3着を確保した当たりは実力の現れなんだけど、完全復活にはちょっと苦労しそうかな…。

個人的に、このレースは馬よりも北村の苦労を讃えたい。ソウルスタート級のトップホースになると、ローカルGIIIなんて「勝って当たり前」と思われるのが普通で。負けたらそれこそひんしゅくもの。ただ、調教を見ているとものすごく乗り難しさがあって、いくらGI馬とはいえなかなか100%の競馬ができるものじゃない。レースでも爆発しそうなテンションを無理なく抑えて、きっちりゴールまで運んで競馬を作った、それだけで十分な仕事をしていると思うんだよなぁ。

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