先週の重賞レースの振り返し。まずは土曜日の福島牝馬Ｓから。
スイートサルサは、テンからある程度出して中団に付けたように、いつもよりも積極的な競馬をしていたね。福島は小回りコースだから、テンから悠長に構えていたら届かない。３～４コーナーで早めに上がって行ったのも正解だし、（田中）勝春がコース形態を踏まえた上で、勝ちに行く競馬をしてキッチリ結果を出してくれたよ。ゴール前でかなり内にモタれていたのは、早め早めに動いた分、苦しくなったから。２年前の中山のフェアリーＳ（５着）以来、久しぶりの右回りに戸惑ったからではないだろう。いつものようにジックリ行けば、右回りでもあれほどモタれることはないと思うよ。調教の動きには物足りなさがあって、取消明けで本調子を欠いていたフシがあっただけに、正攻法で結果を出せれば大したもの。このひと叩きで状態面が上向けば、次は更にいい競馬ができるんじゃないかな。
リラヴァティもテンから押して行って好位をキープ。４コーナーで早めに先頭に立って押し切りを図ったように、福島コースに合った積極的な競馬ができたんじゃないかな。最後まで良く粘ってはいたんだけど、あいにく今回は勝った馬が一枚上だったよ。重賞で３着３回の実績があるように元々力がある馬とはいえ、今回は１０００万を勝ったばかり。切れ味に欠ける反面、前々で運べるとなかなかしぶといし、この馬なりに良く走っていると思うよ。
メイショウスザンナは、勝ち馬と同じように中団からの競馬になったんだけど、インにいた分、３～４コーナーで動くに動けなかったのが痛かったね。直線でも狭い所をこじ開けて伸びて来ただけに、あの馬と一緒に上がって行ければもっと際どい勝負になっていたんじゃないかな。追い切り診断でも書いたように調教の動きも良かったし、馬体重が１４キロ増えたのも体調の良さと解釈するべきだろう。今のデキを維持できれば、どこかで一発あるかもしれないよ。
マイネグレヴィルは中団からの競馬になったんだけど、３コーナーあたりからかなり早めに動いている。元々切れる脚を使えない馬だけに、これぐらい強引な競馬で正解だったと思う。とにかく追ってからがジリ脚で、最後までダラダラ走っている感じ。相変わらず少しもピリッとしたところがないね。周りが苦にするような泥んこ馬場になるとか、よっぽど恵まれないことにはキツいかもしれない。
スタートから１コーナーまでの距離が短い福島千八だけに、パワースポットはスタートで後手を踏んだ時点で苦しかったね。しかも、道中も離れた最後方をポツンと追走していたように、全く競馬になっていなかったよ。スタートと道中の位置取り次第で結果も違っていたはずだし、今回は度外視でいいんじゃないかな。
ウエスタンメルシーは、直線一気を決めた前回（初音Ｓ）と同じイメージで、丸田は終い勝負に賭けたんだろう。道中でインコースを通ってロスなく運べたところまでは良かったんだけど、直線でも内を狙ったらドン詰まり…。最後はまともに追えていなかったし、残念な競馬になってしまったね。まぁ、ロスのない内にこだわれば、不利を受けやすくなるのは仕方のないこと。イチかバチかの競馬がうまくいかなかったと、諦めるしかないんじゃないかな。
ケイティバローズは、パワースポットほどではないにしても、位置取りが後ろ過ぎた感じ。平均してペースが流れた分、時計の速い決着になったし、よっぽど切れる脚を使えないことには間に合わないからね。もっと時計が掛からないことには苦しいと思うよ。
ブランネージュは、道中は中団でスイートサルサと同じような位置にいたのに、肝心の３～４コーナーでモタモタして一緒に上がって行けなかったね。直線で挟まれる不利はあったけど、そこで脚があれば抜け出せたはずだからなぁ。この馬も時計勝負では限界があったのか、別定戦で古馬と同じ斤量を背負うとこんなものなのか…。いずれにしても、ちょっとだらしない走りだったよ。
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