2015年6月29日月曜日

積極策が功を奏したラブリーデイ

1000m通過が62秒5で、同じ距離だった7Rの500万下(62秒6)とほとんど変わらないペース。GⅠとは思えないぐらい流れが落ち着いただけに、ラブリーデイは積極的に2番手に付けたのがまずは良かったよね。ゴールドシップは競馬に参加できないまま終わったにせよ、長く脚を使えるという点では、あの馬の方が断然上。勝つためにはある程度前で運ばないと苦しいはずだから、積極的な競馬をさせたのは正解だったと思うよ。道中もジッとできていたし、直線で先頭に立つのは気持ち早かったとはいえ、差し馬には苦しい展開だった分、却ってちょうど良かったんだろう。ペースを読んで早め早めの競馬をした川田の好騎乗が大きく物を言ったけど、とにかく中距離だと大崩れしないし、自分で競馬を作れるのは大きな強み。今年に入っての充実振りからして力を付けているのも間違いなさそうだから、GⅠでもまたチャンスがあるんじゃないかな。

デニムアンドルビーはテンから控えて、道中は後方2番手でジックリ構えて死んだフリ。外へ出したのも直線だけで、距離ロスを最小限に抑えられたからね。スローな流れのなか、腹を括って終い勝負に徹した浜中を褒めるべきじゃないかな。追い込み馬に苦しい展開でこれだけやれれば上等だけど、やっぱり男馬相手のGⅠだとワンパンチ足りないね。勝ち切るとなると、よっぽど展開がハマらない限りはキツイ思うよ。

ショウナンパンドラは終始内ラチ沿いピッタリを通っていたし、直線で最内がポッカリ開いてくれたのもラッキー。開かなければ脚を余して終わっていたはずだから、イチかバチかの乗り方がハマったということだろう。1番枠を最大限に利用して距離ロスなく乗った池添も褒められていいと思うよ。ただ、最高の競馬ができても3着が精一杯だから、牡馬相手のGⅠだとワンパンチ足りないんだろうね。

トーホウジャッカルは、外枠で終始外々を回る羽目になったのが痛かったし、ペースが落ち着いた割に中団でジックリ構え過ぎた感じ。ラブリーデイほど積極的とはいかないまでも、もう少し前で競馬をしていれば結果は違っていたんじゃないかな。まぁ、ほぼ仕上がっていたとはいえ、菊花賞以来8ヶ月の休み明けでこれだけ走れるんだから大したもの。反動もなく順調に使えるようなら、次は期待できそうだね。

ヌーヴォレコルトは中団からの競馬で、終いもこの馬なりに伸びているんだけどね。それほど切れる脚を使う馬ではないし、ペースもペースだけに、この馬ももう少し前で競馬をした方が良かったんじゃないかな。牡馬相手のGⅠでこれだけ走れれば、健闘の部類だとは思うけど…。

ラキシスも位置取りが後ろ過ぎ。スローペースだった分、ムキになってハミを噛んでいただけに、馬の気分に逆らわないで前へ行かせた方が良かったんじゃないかな。調教の動きからしてデキは良さそうだったから、ちょっと残念な競馬になってしまったね。まぁ、チグハグで力を出し切れなかった感じで、まともならこんなことはないはず。今回だけではまだ見限れないね。

ワンアンドオンリーは、いつもハミを噛んで走るくらいなのに、今回はそういったところが見られなかったね。調教では体を使って気分良さそうに走っていたけど、遠征明けで目に見えない疲れがあったんじゃないかな。

カレンミロティックはスタート直後に挟まれたにせよ、あの程度でバランスを崩すとはいただけない。バリバリのオープン馬なら、弾き返すぐらいじゃないと…。調教でも手前を替えた途端に走りがバラバラになっていたように、体調面の問題だと思うよ。

ゴールドシップはスタートで大きく出遅れた時点で勝負あり。気分良く走らせてなんぼの馬だから、あれだけテンに置かれたら走る気がなくなるのも当然だよね。ようやく3コーナーで馬群に取り付いたけど、自分から進んで行く感じがなかったから…。まぁ、今回は気難しさが出てしまっただけ。まずはその気難しさをいかに出さないかがカギになるし、またゲート再審査を受ける羽目になってしまったからなぁ。課題は残ったけど、このまま終わる馬ではないはずだよ。

天皇賞(春)が枠入り不良で、再審査の時と同じように目隠しをした今回はスンナリ入ってくれたんだけどね。恐らくノリ(横山典騎手)が上から姿勢を直そうとしたのに反応して、余計に大きく立ち上がっちゃったんじゃないかな。1回目に立ち上がった時はスターターも待ってくれて、両脚が地面に着いた時にゲートの開閉レバーを握ってくれたはず。ただ、ゲートが開いたと同時に、また立ち上がっちゃったんだからどうしようもない。今回はツイていなかったとしか言いようがないね。


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