先日の盛岡・マーキュリーCで吉原寛人騎手騎乗の大井所属のユーロビートが中央勢を完封、2着に6馬身の圧勝を決めた、大井所属馬のダートG制覇は13年のオーバルSPのセイントメモリー以来となる約2年振りの勝利、鞍上の吉原寛人騎手は初のダートGの勝利となる。
このマーキュリーCを私はジョイホース横浜で観戦していたのだが、ユーロビートが勝利した瞬間に周りの連中で「やっぱ小回りの競馬場では地方馬だな」と言っている人間が居たのにビックリ、どう考えてもオーロパークは小回りじゃないだろう・・・
このユ-ロビートは二代母のメジロアムールの全姉のメジロディッシュは致命的な出遅れ癖がありながらオトコ馬相手の重賞で好勝負した個性派の実力馬がいるメジロ牧場の生産馬で、中央での最終格付けは準OPだったが元々は3歳暮れから4歳にかけて3連勝して一気にOP入りした逸材で、事実南関転厩後に出走した昨年の東京記念では実力馬サミットストーンから斤量2K貰いだったが、ゴール前の競り合いに持ち込み勝利しており、その後中々結果を残せずにいたが前々走の大井記念で2着、前走の帝王賞では4着と復調しており、中央時や南関ナンバーワンのサミットストーンを降した実績を考えれば中央の一線級不在の今回のマーキュリーCならば勝利しても不思議ではない存在。
以前にも書いた様にこのユーロビートは春の天皇賞馬スズカマンボ産駒で長距離大歓迎の生粋のステイヤーだが、瞬時にギアチェンジしてトップスピードに加速出来るタイプではなく、徐々に加速して他馬がバテるゴール前で漸くトップスピードになるエンジンの掛かりが遅い不器用なタイプだけに、浦和や笠松のような減速が余儀なくされるコーナーが多くてエンジン全開になる前にゴールとなる直線の短いコースは明らかに不向きだけに埼玉新聞栄冠賞やオグリキャップ記念の惨敗は仕方ない、やはり大井や今回の盛岡のようなオオバコの競馬場でこそ真価が発揮されるタイプ、それだけに今回はレース序盤で後方に待機、バックストレッチで一気に仕掛けて不器用な部分をカバーする騎乗を行い、スタミナタイプのユーロビートの持ち味が活きる直線でのガマン比べに持ち込んだ吉原騎手の手綱捌きが光る1戦だった。
ただ、昨年のマーキュリーCの勝ち時計より時計6つ近くも遅い2分07秒8を見れば判るように今回逃げたメイショウコロンボが緩い流れに落とした事もあるが、砂が浅く高速馬場だった昨年の盛岡とは全く異なる時計のかかる馬場に助けられての勝利だった部分は否めない。
それでもここ数年マーキュリーCなどの「裏ダートG路線」の主役だったシビルウォーとランフォルセは引退、残るソリタリーキングは8歳、エ-シンモアオバーは9歳となったが、中央勢の新旧交代が進んでいるとは言いがたいだけに浦和記念などの「裏ダートG路線」では今回のユーロビートのように南関所属馬の健闘が見られるかも知れない。
上でユ-ロビートは中央の一線級不在の今回のマーキュリーCならば勝利しても不思議ではない存在と書いたが、今回の軸馬はメイショウコロンボでユーロビートは斤量58は厳しいが2着ならあると思ったソリタリーキングと共にヒモにチョイス、メイショウコロンボとの馬単裏表は購入したが、ソリタリーキングとの馬券は当然ながら買っておらず馬券はハズレ、メイショウコロンボを軸にする無難な予想をせず、思い切ってユーロビートを軸に抜擢するような強気の予想が出来なかった事を反省するだけ。
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