2015年9月14日月曜日

テンの2ハロン目でペースを落とせたのが効いた

続いて、セントウルSの振り返り。

アクティブミノルは、スタート、二の脚が抜群に速かったし、まずはスンナリとハナに立てたのが良かったよね。それに、2番手のハクサンムーンが控えてくれたことで最初の2ハロン目でペースを落とせたのも効いている。オープンの千二で2ハロン目の10秒8というラップは遅いぐらいで、そこで息を入れられたことが終いの粘りにつながったんだと思うよ。今回は展開に恵まれたことが大きいけど、直線では二の脚を使っていたほどで、スンナリと先行できるとなかなか強い。ただ、さらに相手が上がるGIともなれば、これほど楽な競馬はさせてもらえないだろうから…。どうしても同型の出方次第になるだけに、スプリンターズSでは強気になれないねぇ。

ウリウリはスタートで後手を踏んだのが痛かったね。すぐに内へ潜り込んでロスを最小限に抑えられたにせよ、最後は苦しい位置取りから良く追い込んで来たよ。楽に逃げたアクティブミノルにハナ差まで詰め寄るんだから、“負けて強しの2着”と言えるんじゃないかな。前走(CBC賞1着)にしてもスタートがイマイチだったから、今後もゲートがカギになりそう。能力があるのは間違いないけど、短距離戦、ましてやGIともなると出遅れは致命的な不利だから…。

バーバラは好位5番手でスムーズに流れに乗れていたし、内ラチ沿いピッタリを通って一切ロスのないコース取り。直線でも追い出すタイミングをギリギリまで我慢していたように、(武)豊が最高にうまく乗っても3着が精一杯だからなぁ。これ以上を期待するのは酷というもので、重賞に入るとワンパンチ足りないんだろう。

ストレイトガールは中団でジッとできていた割に、直線では思ったほど伸び切れなかったね。この馬とすればちょっと物足りない競馬だけど、週中の大雨の影響で、良発表でも緩い馬場が響いたのかも。それに、内へ潜り込めずに終始外々を回るロスもあっただけに、これだけやれればむしろ上等かもしれないね。能力の衰えは全く感じないから、パンパンの良馬場なら次は変わるんじゃないかな。

マヤノリュウジンは後ろでジックリ構えて終い勝負。アクティブミノルが逃げ切る展開で流れは合わなかったけど、ひと叩きでデキが上向いていたぶん、ここまで頑張れたんじゃないかな。調教でも最後までしっかり走れていたしね。ただ、緩い馬場で適度に時計が掛かってくれたのが良かったフシもある。直線で内の馬に寄られて手綱を引っ張る場面はあったけど、スムーズでも着順までは変わらなかったはず。パンパンの良馬場でスピード勝負になったら、ちょっとキツいかもしれないね。

ハクサンムーンは、タートから(酒井)学が押して行っていたのに、ハミをガツンと噛むところがなかった。いい頃の荒々しさが薄れて、妙に落ち着いてしまった感じなんだよなぁ。調教でも力強さという点でイマイチだったように、恐らく体調面の問題もあるだろうね。ただ、この手のヤンチャな馬が一度調子を崩すと、走る方へ気持ちが向くまでに時間が掛かるのはよくあること。このひと叩きで劇的に変わるかとなると微妙なところで、何とも言い難いところだね。

リトルゲルダは内枠を利してインコースでロスなく運べていたのに、4コーナーでゴーサインを出した時の反応がイマイチ。直線でもダラダラ走っている感じで、いいところがなかったよ。調教で頭の高い走りをしていたのは、馬場を気にしたからじゃなくて、体調面の問題だったのかも。調教の走りが実戦でもそのまま出てしまった感じだね。


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