2015年9月30日水曜日

第49回東京盃②

では出走馬の評価をしていこう。

1枠1番アメージングタクト
補欠から繰り上がりで出走し、今回中央から出走する5頭の中ではこの馬1頭だけが重賞未勝利と格下感があるのは事実だが、ダート1200に限ってはこれまで18戦して【4・8・4・2】と複勝圏内をハズしたのはわずか2戦だけと大崩れしていないのは確か。
末脚勝負の馬だけに勝ち味に遅く自力で勝ち負け可能かは正直疑問だが、今回は中央・地方にテンに行きたい馬が揃っただけにガチャガチャした流れになれば浮上の可能性を残す。

2枠2番サトノデートナ
南関に移籍後は距離1500~1800のレースを使っていたが、近走は中央当時に良績のあるワンターンを中心に使い【3・1・2・1】の成績を残しており、唯一複勝圏内を外したのは中央勢が相手の東京盃でコンマ6秒差5着だからワンターンの競馬向きなのは明らかで、前々走のフジノウェーブ記念で行きっぷりが悪く中団よりやや後ろのポジションでの競馬となり、直線に入ると前との差を詰める事に成功も、残り200辺りで他馬を気にして外にヨレてしまいピエールタイガーに接触するアクシデントが発生、それでも最後まで競馬を止めずゴール寸前に人気のリアライズリンクスを半馬身交わして2着を確保した。
ただ、2~4番手から抜け出してシーサイドC・インタラクションC、前走のゆりかもめOPを勝った時の様に本来は前々で競馬が出来るタイプも、今年のフジノウエーブ記念やウインターSPでゲートを出てから前に行けなかった事から判る様に気ムラな部分がネックだし、今回は前走のゆりかもめOPから一息入っている事から半信半疑が本音。

2枠3番ゴーディー
昨年は3~4歳時の単調な逃げ馬のイメージを払拭し、ポジションに拘らず自在の競馬が出来る様になった事から絶好調、しかし昨年末の笠松遠征が堪えたのか年末のおおとりOPで惨敗して休養に入り、復帰初戦の東京SPでは13着と惨敗、その後はゆりかもめOP・武蔵野OPで2着するなどレースを使いながら徐々に状態が良化している印象も、現実にサンタアニタTでは5番手から徐々に後退して11着、自身ベストの条件と思える距離1200の前走のアフター5スター賞でも前に行けず10着と惨敗し絶好調だった昨年のこの時期の出来には無いだけに中央勢が相手の今回は厳しいと言わざるを得ない。

3枠4番タガノジンガロ
中央の準OPから昨年3月に兵庫へ転厩してから地方でのレースに限れば【6・1・2・2】の成績を残し、その中には名古屋・かきつばた記念勝ちに兵庫GT4着、黒船賞3着、佐賀・サマーチャンピオンの3着・2着などダートGでの好走が再三あるのだから地方所属馬としてはダート短距離路線では無視出来ない存在なのは間違いないが、先日も書いたように小回りツーターンで施行される事が多い地方の短距離重賞はスピードに加えて器用さが必要で、タガノジンガロは小回りの競馬場で器用に立ち回れる事が好結果に繋がっていると思われるだけに、純然たるスピード勝負になる大井のワンターン1200Mでは分が悪い印象。

3枠5番アルゴリズム
転入初戦の東京SPは3着と健闘、続くゆりかもめOPを快勝した時はダート短距離路線でもう一花咲かせるだろうと思ったが、その後は重賞を勝つどころか掲示板にも載れない期待ハズレの成績が続いて休養に入り、今年の2月から復帰し中央勢相手の東京SPは別として、フジノウェーブ記念と前走のゆりかもめOPはスンナリと先行して直線での手応えから馬券圏内かと思うほどの見せ場を作ったのは確かだが、共に最後の一踏ん張りに欠けて残り100で急激に失速して掲示板にも載れなかったが、フジノウェーブ記念は休み明けが理由、ゆりかもめOPは芦毛馬だが暑さに弱いタイプと思えるだけに状態が微妙だった事が最後に失速した理由かも知れないと考えて前走のアフター5スター賞では強気に軸として狙ったが、一息入れたローテーションが影響したのか反応がイマイチ鈍く弾けずに終わり3着に敗れる。
ただ、今回は前走を叩いた上積みがあるのは認めるが、南関勢が相手ならばともかく、中央の快速自慢が揃っただけに自分の持つ能力を全部出しても勝ち負け出来るかは少々疑問。

4枠6番ルックスザットキル
重賞の優駿SPと習志野きらっとSPを連勝したが、前走のアフター5スター賞では優駿スプリントTRのようにスイッチが入りヤネがコントロール不可能となり5着と敗れた、今思えば優駿SPは3歳限定と相手が軽く、初の古馬相手の競馬だった習志野きらっとSPは斤量53の恩恵があり初の左回りで馬が戸惑いモタついた事で結果的に控える競馬が出来たが、斤量56を背負わされた前走のアフター5スター賞は走り慣れた大井コースと云う事もあって再び暴走するなど気性面の難しい部分を解消していない事を露呈した敗戦だけに中央勢が相手の競馬では厳しい印象で、だとすれば今回は負けて元々とハラを括って先々を睨んで控える競馬を教え込む必要を感じる。


4枠7番シガルカガ
2歳時にダート未勝利ながら兵庫ジュニアGPに参戦し4着した事はあるが、その後は芝路線を歩み続けて今年の2月に準OPを卒業し、OPクラスでの初戦となった中山・千葉Sでは2歳時の兵庫ジュニアGP以来となるダートに挑戦して逃げ切り勝ち、続く東京SPでも果敢にハナを奪ってレースの主導権を握って結果ダノンレジェンドには敗れたが2着に逃げ粘り、北海道スプリントCではダノンレジェンドの出遅れに助けられたと云えども東京SPの借りを返して完勝、前走のサマーチャンピオンは7着と敗れたが、これは実績の無い1400Mが影響したと云うよりも小回りツーターンの競馬が影響しての敗戦と思えるだけに、今回のワンターン1200Mの条件なら巻き返しは可能、問題は逃げてこその馬だけに強力な同型相手にどこまで自分の競馬が出来るかと云う部分。

5枠8番スマートアレンジ
中央準OPから船橋へ転厩して今回が南関での初戦となるだけに未知数の部分が多いが、2走前の京都での準OP特別でタイム差無しの2着をした際の勝ち馬が先日のオーバルSP2着のルベーゼドランジェと思えばソコソコの能力がある印象も、中央で挙げた4勝が何れも逃げるか2番手からの競馬で、自分のペースで競馬が出来ないとモロい印象があるのは事実、今回はテンの早い面々が揃っているだけに自分のペースで競馬が出来るかは疑問で見送りが正解と思える。


5枠9番サトノタイガー
地方転厩後はダートの短距離からマイルまでを中心に使い結果を残しており、1200Mが初距離だった昨年のアフター5スター賞では入りの3ハ34秒1、1000M通過58秒2の厳しいペースに対応してゴール前で逃げ粘るゴーディーを捕らえて1分10秒8の秀逸な時計を叩き出して快勝、続く東京盃では中央勢相手に果敢な逃げを打ち直線失速したが、入りの3ハ33秒8、1000M通過57秒8のハイラップを踏んでのものだけに仕方なく、むしろ厳しいペースで逃げた事を評価すべきで、事実東京盃のあとに使った盛岡・JBCスプリントでは控える競馬を試みて2着を確保、その後古巣の中央への遠征となったカペラSでは勝ったダノンレジェンドにはチギられたがゴール前で鋭く伸びて2着を確保とホームの南関だけではなくアウェイの競馬でもキッチリと結果を残した事は大したモノ、しかしその激戦続きの疲労が出たのか、今年に入り根岸S13着、フェブラリーS16着、東京SP7着、京成盃GM8着と結果を残せなかったが 前々走の習志野きらっとSPで久々に連対するなど復調の兆しがようやく見えたのは好材料、かつて芝路線で好走していたが近走はダートしか使っていなかっただけに前走の札幌・キーランドC13着大敗は度外視可能で、ダート1200の条件ならば巻き返しは可能だろう。

6枠10番コーリンベリー
母のコーリンラヴィアンは名古屋でデビューし11勝を挙げて中央へ移籍したダート巧者だけに娘のコーリンベリーも3歳時に出世レースの昇竜Sを勝ち、ユニコーンSで2着するなどオトコ馬が相手でも互角に戦える能力の持ち主で、昨年は牝馬と云う事もあってJBCレディスクラシックに挑戦したが、距離1800Mは守備範囲外だけに9着と惨敗した。
今年はその反省を生かして牝馬限定のレディスプレリュードではなく、オトコ馬が相手でも自身のスピードが活きる東京盃を敢えてチョイス、事実今年に入り距離1600のフェブラリーS以外は距離1400Mを使い続けて阪神のOP特別と名古屋・かきつばた記念を勝ち、プロキオンS2着など短距離適性は実証済み、オンナ馬だけに斤量54で出走出来るのは大きなプラス材料で、ハナへ行く形がベストだろうが阪神のOP特別は控える競馬で勝利している事を考えれば逃げなくとも自分のペースで競馬をすれば勝ち負けは可能と思える。

6枠11番セイントメモリー
2月のフジノウェーブ記念は2ハ目から続く11秒台のラップを楽な手応えで追走すると直線で抜け出して2着に4馬身差の圧勝とスピードの衰えを感じないレース内容も以前よりムラッ気が出て来た事で砂を被るとレースを止めてしまう部分があり連続して好走出来ないようになった現況から得意の大井コースでも昔のような絶対的な信頼が置けない印象があるのは確かで、中央・地方を含めて快速自慢が揃っているだけに自分の競馬が出来なければ惨敗の可能性も高い。

7枠12番ドリームバレンチノ
元々、芝の短距離重賞で活躍していたが、13年のスプリンターズS6着を最後にダート短距離路線へ方向転換し初ダートとなったJBCスプリントではエスポワールシチーの2着と好走、その後はダートのキャリアを積みながら結果を残し、昨年のJBCスプリントを制してGⅠタイトルを獲る事に成功したが、GⅠタイトルを獲った事で斤量を背負わされるようになり今年は4戦して未勝利と不完全燃焼の結果が続く、今回も他の中央勢より2K余分に背負わされており、年齢的に昨年のJBCスプリントが自身のピークと思える節があり大きな期待は出来ないが本音。

7枠13番クロクモ
3歳5月に中央の未勝利から高知へと転厩、当地では19勝を挙げて中央へと戻ったが2戦未勝利で再び高知へと舞い戻り、その後は勝ち鞍を増やしているが、現状は取りこぼすレースも増えて中央へ再転入する前の勢いを全く感じないし、何よりこれまで重賞未勝利の馬で、3走前に使った盛岡・クラスターCの11着が全国区でのこの馬の実力で、正直使うだけで勝ち負けの可能性はほぼゼロだろう。

8枠14番コアレスピューマ
かつては中央勢相手の東京SPでセレスハントのコンマ1秒差3着になった実力馬も、今年で11歳になる馬だけに衰えは顕著と判断し軽視した前走のアフター5スター賞で2着と好走したのは現状この馬のベストの右回りでも全く想像が出来ず、本当にビックリしたが正直な感想。
確かに3走前の川崎スパーキングSPでは不得手の左回りでも3着と久々に馬券圏内に食い込んでおり、老齢ながら調子が上向いていたと思えるが、それでもアフター5スター賞での走破時計が不良馬場ながら1分12秒3と遅かった事から時計の遅い決着に恵まれて連対したと考えるべきで、今回は中央の快速馬が揃い早い時計の決着が必至で、そうなれば今のコアレスピューマには対応不可能と考える方が自然。

8枠15番ダノンレジェンド
デビュー戦では2着に7馬身の圧勝を決めて、続くポインセチア賞では後に全日本2歳優駿を勝つサマリーズとハナ差の競馬をするなどダートでかなりの能力がある事を証明したが、スタートが安定しない事でスンナリ流れに乗れないと惨敗したり、不得手と思える1600~1800の距離を使った事で出世が遅れた印象も、最近はスタートが安定し、距離1400M以下のレースを使うようになり本来の素質がようやく開花しカペラS・黒船賞・東京SPと重賞3連勝、前々走の北海道スプリントCではスタートの出遅れが響いて3着と敗れて連勝がストップしたが、前走のクラスターCではM・デムーロに鞍上強化し2着に6馬身差をつける圧巻のパフォーマンスで巻き返しに成功、4月の東京SPでコース実績があるだけに今回の最有力候補なのは間違いないが、攻め馬の内容が良くない事と大外枠を引いた部分が気になるのは確か。





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