2015年12月29日火曜日

東京大賞典 2015 出走予定馬:ハッピースプリント、中央勢圧倒のこのレース、地元の意地を見せられるか?

ホースメン会議:金杯468_60


2015 12/29(火) 東京大賞典(GI) 大井2000m
出走予定馬一覧
東京大賞典2015の出走予定馬一覧


東京大賞典2015出走予定馬の中から注目馬は?】
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 チャンピオンズカップが波乱に終わり、中央ダート中距離路線が混とんとしている中で、大井の雄ハッピースプリントが前哨戦の浦和記念を完勝してここに出走予定。3歳時はまだ歯が立たなかったが徐々に力をつけてきて今年はかしわ記念の3着、帝王賞3着、そしてJpnIIの浦和記念で中央勢を完封。フリオーソも届かなかったタイトル、大井が誇るアジュディミツオー以来実に10年勝利から遠ざかっている。その壁の向こう側を見るために、今は壁を全力でよじ登れ。


 流石にまだ最上位勢との壁は小さくないと思うが、徐々にこちらの力がついてきて徐々に最上位が下がってきている感はある。もうちょっとで手が届く範囲かな。もちろんまだ色々と噛み合わないとというところだが、ワンダーアキュートやナムラビクター、サウンドトゥルー辺りにどこまでやれるかという点は見ておきたい。


 まずは帝王賞を見ておきたいかな。4走前になるが大井の2000m戦、59.9-62.8と3秒近い超ハイの中で12.0 - 12.1 - 12.8 - 12.5 - 13.4というラップ推移が示す通りL2での加速はあるが速いラップは踏んでいない。消耗気味の流れの中で9番枠から五分に出て窮屈になったが何とか捌いて好位につけていく。道中クリソライトが突いていってかなり流れた中で離れた2列目にいたタルマエから更に少し離れた位置で進めながら3角。3~4角で3頭分外から押し上げながら直線で伸びて3番手に単独で上がってくる。L1ではそこから伸び切れはしなかったがそれでも離されずにじわっと喰らいついて3着を確保した。前半かなり流れたが無理をしない程度に追走し後半のポテンシャル勝負にかけてしっかりと3~4角で動いていけたと。現時点ではこのペースを前で勝ちに行ったタルマエには明らかに見劣ったし、ハイペースの消耗戦に強いクリソライトを詰めきれなかったことを考えるとまだ壁は小さくないが、それでも4着以下を完封して単独の3着は評価していい。基礎スピード面が問われて良さが出ている感はある。


 もともとマイルでも結構やれていて、特にかしわ記念は3着だったが4角のスパイラルカーブを上手く立ち回れていたらというところはあった。船橋のダ1600m戦でペースバランスは48.2-49.2と1秒程度のややハイ、12.6 - 12.0 - 11.8 - 11.8 - 13.6のラップ推移で船橋らしく向こう正面でペースアップ、3角が緩いのでここでもう一段階速いラップ、トップスピードに近いところから急な4角での立ち回りがある程度問われる競馬。6番枠から五分には出たが二の足がもっさりで鞭が2発入って先行策という形。2角過ぎても手が動いていてやや追走に苦労しながら徐々に加速していく。3角では良い手ごたえで2番手に上がったんだが4角の急カーブで大きく膨れてしまう。一旦は先頭に立っていたんだがそこから甘くなってワンダーに間隙を突かれる。それでもL1はまた喰らいついての3着、それだけにコーナーで膨れたというのは非常に痛かったなと。ただ、ワンダーアキュートはこういう展開でのポテンシャルは高い馬で基礎スピード的にもマイルでは強敵。ベストウォーリアはタフな馬場のマイルは正直ベストではないと思うが、それでもこれらを相手に互角以上の見せ場を3角で見せていた。ここは結構侮れないし、この馬自身もマイルでこれができたというのは大きい。


 そして前走の浦和記念を振り返っておく。浦和の2000m戦で良馬場、ペースバランスは61.5-64.4と3秒近い超ハイということになる。浦和の2000は1周半コースなんだが前半がやや速く、12.6 - 13.4 - 12.8 - 12.9 - 12.7と極端ではないがちょっと淀みがあって後半3Fは12秒後半でまとめてきているしL1は加速ラップ。5番枠から五分には出てそこから結構押しての先行策、2列目で進める。そこからは逃げ馬が単騎に持ち込む形になった中で離れた3番手という位置取りで2周目に入っていく。減速ラップの地点で逃げ馬が下がっていく中、サミットストーンが先に動いてこれを3~4角で番手の外で追走しながら並びかけて直線。そのままサミットを捻じ伏せると最後まで後続を寄せ付けずに圧倒した。ポテンシャル戦とみて良いが、このラップ推移でL1まで落とさずに中央勢を寄せ付けずの完勝だったのはやはりこれまでの内容からも一枚上げてきた感はある。まあ中央勢もタフなダートではイマイチな超高速巧者のソリタリーキングや重賞では一枚足りないオープン大将のドコフクカゼが相手ではあったので額面通りとは言えないにせよ、交流GIで見せている通りの力を見せて完勝できたのは立派だろう。ポテンシャルに関してはやはり上位を争うだけのものはある。


 ひとまずだが、かしわ記念でワンダーアキュートよりも先に速いラップ地点で動けていたというのは印象的だし、帝王賞にしてもコーナーで動く脚を見せていた。もちろん帝王賞は後半は減速していたというのもあるんだが、少なくともコーナーでの機動力は高いレベルにある。JBCクラシックではコーナーで加速していく流れで突いていくのに苦労してL1で甘くなってしまったのはあるが、それでもタルマエとの差という観点で見るとそれほど悪くはない。個人的にはペースが上がった方がいいタイプだとは思っていて、スタートからはもっさりだがそれでもハイペース適性を見せていることと、やはり本質的にはポテンシャル戦の方が良さそうというのもある。昨年の東京大賞典がタルマエ、コパノ、サミットストーンの4着。今年は先行策に徹してきているし、今年のメンバー構成ならタルマエやコパノが行く中で内から主張しながら2列目を確保するのはそんなに難しくないかもしれない。行き脚が若干遅いのでサミットストーンが隣にいるのは厄介だが、しっかりと先行しきって外2頭を行かせ、勝タルマエがある程度ペースを引き上げてくれればその流れに沿って向こう正面で上手くタルマエの直後を取れれば結構面白いかもというところ。L2で明確に加速されるような展開になるとトップスピードの質では辛い感じなので、基礎スピードの幅を活かせる展開、そして積極的にポジションを取っていける競馬が噛み合えば面白い。ただ、今のこの馬のパフォーマンスはサウンドトゥルーの好走時と被る感じはあるので、そういう展開になった時に上位2頭との戦いにサウンドを加えて圏内を確保しきれるかどうかだろう。タルマエはペースが上がっても強さを見せてきたし、サウンドはかなり高いパフォーマンスを見せているので現時点ではそうなったとしても3番手までの評価が妥当かなと感じている。全てが噛み合えば際どいところまでチャンスはあると思うが、単純な力関係ではまだもうちょっと壁はある。吉原から再び宮崎に替わってからは馬の適性と乗り方がマッチしてきた感じだし、この成長度で年末にそれを一気に崩せるかには注目したい。


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