では出走馬の評価をしていこう。
1枠1番ナムラビクター
昨年のチャンピオンズCでは2着と健闘をしたが、今年になってからは5戦して未勝利と不完全燃焼の結果が続いており、勢いを欠く現況に加えてこの馬のベストは坂のあるコースと思えるだけに平坦の大井では持ち味が半減する可能性があるだけにここは見送りが正解だろう。
2枠2番プレティオラス
前走の勝島王冠のように外回りでも1800の距離に対応出来ず凡走した事からも距離は2000M以上あった方がベターなのは間違いないが、距離2000以上でも道中で中途半端に動くと終いが鈍るなど脚の使いドコが難しく、最後に届くか届かないかは外差しが決まる馬場状態とレースの展開次第と云う他力本願のアテにしづらいタイプだが、今年のマーキュリーCを制したユーロビートを大井記念・東京記念で連続して一蹴したようにツボにハマった時は南関屈指の末脚が使えるだけに、中央勢相手に自慢の末脚が通用するかは判らないが、ヘタな小細工をせず直線勝負に徹するのみ。
3枠3番ユーセイクインサー
本年度よりダートGに挑戦するも何れも惨敗ばかりで掲示板すら無い、前走の牝馬限定のクイーン賞はハンデ51にも関わらず9着と云う結果で、一線級のオトコ馬が相手のここで通用する訳がない。
3枠4番ワンダーアキュート
9歳馬で昨年暮れのレース振りから能力が衰えた印象があっただけにかしわ記念の快勝には正直驚いたが、思えばかしわ記念で降したベストウォーリアはワンターンのマイルがベストのタイプで同じ距離でもツーターンのかしわ記念は決してベストの条件とは言い難いし、事実その後の得意の大井2000の帝王賞では8着と惨敗して事を考えると9歳馬のワンダーアキュートに以前の能力を求めるのは酷かも知れない。
何れにせよ今回の東京大賞典がこの馬最後のレースになるだけに全力を出し切って無事に完走する事を願うのみ。
4枠5番サウンドトゥルー
3歳時はユニコーンSで3着するなどそれなりの実績を残していたが、芝スタートが下手な事を含めてスタートに課題がある馬で終いは確実に伸びるタイプだが勝ちあぐねるケースが多く出世が遅れてしまった印象も、今年に入り得意の末脚に磨きがかかり1000万・準OPをアッサリ連勝しOP入りし、7月のOP特別勝ちの勢いを活かして臨んだ日テレ盃ではコパノリッキー・クリソライトのGⅠ馬2頭が競り合う展開に恵まれたのは事実だが、向う正面から仕掛けて息の長い脚を使ってGⅠ馬2頭を一蹴、続くJBCクラシックでも王者ホッコータルマエをゴール前で交わして2着に上がり、前走のチャンピオンズCでは直線で進路が無く大外へと回すなどロスの多い競馬を強いられたが、ゴール前で前をゴボウ抜きしてサンビスタ・ノンコノユメに続き3番手でゴールを駆け抜けてホッコータルマエ・コパノリッキーに先着を果たす大健闘、今の勢いから完全に本格化したと判断するのが妥当で、展開次第では前走に続きホッコータルマエ・コパノリッキーに先着しても不思議ではない存在。
4枠6番ハッピースプリント
前走の浦和記念では3歳時の東京ダービー以来となる久々の勝利を挙げる事に成功したが、ここに出走した中央所属馬はピークが過ぎた印象のソリタリーキングに小回りに対応出来ず凡走したドコフクカゼと相手に恵まれた事や馬込みの中での競馬に課題があるハッピースプリントからすれば11頭立ての少頭数の競馬は願ってもない好条件と思えるだけに浦和記念の勝利を過大評価はするのは禁物で、超がつく一流ドコが相手の競馬ではワンパンチ足らないタイプだけに大崩れこそしないが、勝ち負け出来るかに関して微妙な印象があるのは確か。
5枠7番サミットストーン
4月の阪神・アンタレスSで外傷を負って春シーズンは全休し、秋に復帰してから日テレ盃・JBCクラシックの2戦は共に精彩を欠いていたが、前走の浦和記念で2着と連対を確保と2度レースを叩いてようやく状態が上がって来た印象も、上で指摘したように今年の浦和記念の中央所属馬は小粒だった事に加えてリアライズリンクスが大逃げを打った事で実質的に単騎のマイペースの逃げる事が出来たのが大きいはず。
やや内にササり気味になるがスムーズに追走が可能な左回りと違って右回りでは勝負ドコの3~4角で置かれてしまうだけに、南関勢が相手ならばともかく、中央勢が相手の競馬では直線で良い脚を使っても前を交わす事が出来ない事に加えて絶好調で臨んだ昨年の大賞典の出来にない事から昨年以上の着順は望めない印象。
5枠8番ケイアイレオーネ
2歳時は兵庫ジュニアGPを勝ち、3歳時にはユニコーンS・JDD・レパードSで其々3着した後、阪神のシリウスSを勝つなど中央時代のダート実績からも素質馬なのは明らかで、南関に転厩後も重賞のサンタアニタT・スパーキングサマーCで其々2着するなど実力の一端を示したが、蹄に不安を抱える馬だけに順調に使えない事に加えて、これまでの南関での3戦のレース振りを見る限り直線で手前をスムーズに替える事が出来ず、それ故にゴール前でのツメが甘くなり勝ち切れない印象。
南関勢が相手でも勝ち切れない現況から中央の一線級が相手では更に厳しくなると考えるべき。
6枠9番ファルコンクロウ
今年に入り【4・2・3・4】と掲示板を外したのはレースの流れに乗れずに終わった2回川崎のB3三組特別の一回だけと云う勢いを活かして南関での初重賞挑戦となった前走の勝島王冠ではプレティオラス・カキツバタロイヤルなどの重賞級を抑えてムサシキングオーの2着と好走、二代母のキョウエイムードの半姉にはダート王スマートファルコンの母ケイシュウハーブが居る血統馬だけに6歳にして本来の素質がようやく開花、レースを使う毎に力をつけている印象も、勝島王冠は斤量53での競馬と他馬との斤量差があっただけに中央所属馬との斤量差が無い今回は厳しいと考えるのが自然で、勝ち負けを目指すより今後に向けてどういうレースが出来るかに注目すべき。
6枠10番グランドシチー
今年になり東海Sでコパノリッキーの2着となったが、競走生活のピークが過ぎている印象があるのは確かで、マーチS以来実に2年半以上も勝利から遠ざかりフタケタ着順が続く現状からGⅠで勝ち負けするのは厳しいと判断するのが妥当だろう。
7枠11番コパノリッキー
前々走のJBCクラシックはレース主導権を握るとスピードで他馬を圧倒しての勝利も、前残りの傾向が強い馬場状態での競馬に加えて3角で仕掛けて後続とのリードを広げたヤネの好騎乗が奏功した部分もあり、前走のチャンピオンズCのように他馬に競り込まれたり、ホッコータルマエが早目に潰しに来るなど自分の形に持ち込めない競馬になるとモロい部分があるのは確かで、先ずはゲートをスンナリと出てレースの主導権を握る事が勝利への絶対条件となる。
7枠12番ユーロビート
エンジンの掛かりが遅く徐々に加速するタイプでトップスピードになるのに時間を要する馬だけに、コーナーで減速が余儀なくされエンジン全開になる前にゴールとなる直線の短い浦和や笠松のような小回りコースは不向きだけに、前走の浦和記念での9着惨敗は納得出来るモノで、やはりこの馬が真価を発揮するのは大井や盛岡のようなオオバコのコースで、今回は自身得意な大井コースになるのはプラス材料も、決め手があるタイプではないので早目に先頭立つのがこの馬の必勝パターンで、今回のメンツが相手では自分の得意の形の競馬に持ち込む事は望めないだけに掲示板に載るのが精一杯と思える。
8枠13番ホッコータルマエ
前々走のJBCクラシックは道中で折り合いを欠いた事で慎重になり、コパノリッキーが仕掛けた際に、瞬時に反応出来ず引き離されてしまった事でソラを使った事が敗因、前走のチャンピオンズCは逆にコパノリッキーを自ら捕まえに行く積極策が裏目となり、結果的に早仕掛けとなりゴール前で失速したと考えるべきで、また昨年のチャンピオンズCを勝っていると云えども中京の坂が堪えた印象もあり、そう云う意味では平坦の大井コースになるのはプラス材料で自分本来のリズムで競馬をすれば自ずと結果はついてくるはず、前人未踏のダートGⅠ10勝と東京大賞典3連覇に王手がかかる。
8枠14番タッチデュール
現在のレベルの低い南関所属の牝馬が相手の重賞ならばそれなりに通用するがダートG競走では話が別、ましてや今回は中央・地方の一線級のオトコ馬が相手だけに掲示板すら望めないのは明白。
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