では出走馬の評価をしていこう。
1枠1番ワカチナ
デビュー戦を2番手から抜け出して勝利するも12回大井・はやぶさ特別4着、ゴールドジュニアー9着とイマイチ波に乗り切れない成績が続くが、15回大井の特選では2番手から追走し向う正面で他馬に突かれる厳しい展開をしのいでポットガイの2着に踏ん張ったのは評価出来る。
しかし、前走の18回大井・ひばり特別ではオウカランブに競り潰されて7着と敗れるなど現状は安定して力を出せないイメージがあり、前走で完敗を喫したオウカランブに加えて素質上位の道営デビュー組の面々やローレル賞2着のスアデラが居る今回は厳しいだろう。
1枠2番エメンタールベルン
デビュー戦で2着し前走の紅葉特別で待望の初勝利を挙げたが、この時降した相手に特筆すべき存在は居らず、今回は一気に相手が上がる事に加えて初の遠征競馬と云うハンデもあるだけに見送りが正解。
2枠3番スアデラ
道営所属でエーデルワイス賞など重賞2勝を挙げたマサノミネルバの娘で、デビュー戦では4角で先頭に立つとそのまま2着に9馬身差をつけて圧勝、続く7回船橋・波乗り特別では3番手からゴール前で抜け出して連勝すると一息入れて13回川崎・シャイニングフューチャー賞に出走、初コースに初の輸送競馬に加えて距離延長と云う諸々のハンデをクリアして3連勝、レベルの高い道営デビュー組との対戦になった前走のローレル賞では逃げるモダンウーマンの2番手から追走、無理な競り合いを避けたのかも知れないが、結果的にモダンウーマンに楽逃げを許す形となり、3~4角手前でようやく半馬身差まで詰め寄るも直線での追い比べになると振り切られてしまい2馬身差の2着に敗れる。
それでもローレル賞では道営デビュー組でエーデルワイス4着のマックスガーデンに9馬身差をつけているし、馬場が悪化すると足抜きが悪くなる川崎コースで1分43秒8の走破時計は立派で、今回は初の右回りの競馬になるが大崩れするとは考え難い。
2枠4番カラオケスナック
デビュー戦こそ2着に4馬身差をつけて快勝したが、その後はゲート難がある事から大敗を繰り返していただけに前走の18回大井・雷鳥特別でブービー人気だったのも当然も、ここから着用したホライゾネットの効果があったのか直線で一旦は先頭を窺うシーンを作り4着に残る大健闘をしたが、基本的に気性に問題がありスンナリと流れに乗れないと惨敗が有り得るタイプだけに相手が上がる重賞で通用するかは疑問。
3枠5番クギヅケ
ローレル賞で5着と掲示板を確保したが4着のシャイニーネームから6馬身も離されていては評価の対象外で、デビュー戦こそ3番手から抜け出して勝利したが、その後はテンに置かれる競馬が続き、直線で追い込んでも突き抜ける事は叶わない現状から軽視が妥当。
3枠6番オウカランブ
デビュー戦ではゴールドジュニアーを勝ったラクテの逃げをピタリと2番手でマークして直線で競り落とし、ハイセイコー記念2着馬のグランユニヴェールが3~4角でソラを使ったシーンがあったと云えども4馬身差をつけて完勝したが、砂を被ると嫌がる部分があるのか2戦目と3戦目のゴールドジュニアーではスタート直後に置かれる競馬が続き、直線で大外を回るロスの多い競馬で3着・6着と勝ちあぐねる。
しかし、デビュー当初440Kとやや線の細いイメージがあったこの馬がレースを使いながら体重を増やし16回大井・くまたか特別では459Kで出走し、レースでは緩みないペースで逃げるエポナジャスミンの2番手から追走し、直線の激しい叩き合いをしのいで2着確保、続く前走の18回大井・ひばり特別ではハナへ行きレースの主導権を握ると直線でヴェルミオンと接触しながらレースを止めず二枚腰を使い後続を振り切って勝利するなどデビュー当初のひ弱さが無くなり、心身共に成長を感じる近走のレース振りから重賞でも見劣りしない印象がある。
4枠7番ドンナディヴィーノ
デビュー戦・2戦目と連続2着が続いたが、3戦目の12回大井で待望の初勝利を挙げ、この時に降した中に現在2勝挙げているヒコーキグモやはくたか特別勝ちのカシマミルキーが居るのでソコソコの面子だったのは確かだが、その後は7着・11着にローレル賞9着とチグハグな競馬での大敗ばかりが続き早々に売り切れたイメージがあったが、前走の14回川崎・川崎ジュニアOPでは後方待機から3~4角で動き道営のブロッサムCを勝ったラッキーバトルに先着し確かに微妙だが、今回は唯一勝利を挙げた大井コースになるのがやや不気味でソコソコ頑張っても不思議ではない印象がある。
4枠8番シャイニーネーム
ラブミーチャン記念3着・ローレル賞4着と健闘したが、其々勝ち馬から時計一つ以上も離された大敗で、レース経験の多さをアドバンテージとして掲示板に載っただけと考えるべきで、今回もそれなりの着順になるかも知れないが勝ち負け出来るとは思えない。
5枠9番リンダリンダ
母のクリムゾンルージュは現役時代に重賞勝ちこそないがマリーンC2着や東京プリンセス賞・TCK女王盃で其々3着するなどダートの牝馬重賞戦線で活躍した実績があり、娘のリンダリンダはダートに限れば重賞のイノセントC・サッポロクラシックC勝ちを含み【4・2・0・0】と連対率10割で、重賞では無いが6月の門別・ウィナーズチャレンジでステイブルメイトのタイニダンサーに完勝した実績から今年の道営でデビューしたオンナ馬の中では3本の指に入る実力馬なのは間違いないだろう。
ただ、前走のブロッサムCでは初の1600M戦で他馬より余分に斤量を背負わされていたとしてもラッキーバトルに2馬身差の完敗から現状は短距離ベターの印象があり、これまで何度か南関2歳重賞に登録しながら結局出走を見送ったのは手堅く地元の重賞を勝ちに行った事が大きいのだろうが、イレッポで長距離輸送に疑問がある事から無理をしなかった可能性もあるだけに能力は認めても今回は半信半疑が本音。
5枠10番エクレアオール
デビュー戦は2着に7馬身差の圧勝をしたが勝ち時計の1分31秒6は平凡で単に2着以下だった面々が弱かっただけの話、続く18回大井では7戦未勝利のフジマサキングにハナ負けている事を考えればここで勝ち負け可能な存在とは思えない。
6枠11番スウィフトテイラー
今年はレベルが高い道営デビュー組だが、この馬は道営デビューでも当地では9戦1勝の平凡な成績しか残しておらず、南関転入初戦はレース経験の豊富さを活かして勝利したが、アタマ差退けた2着のグレイスマロンはわずか2戦のキャリアしかなかった事を思えば勝って当然のレースで評価は疑問、事実その後は2戦して掲示板が精一杯の成績から重賞では家賃が高い。
6枠12番モダンウーマン
エーデルワイス賞・北海道2歳優駿では中央勢を一蹴して道営デビュー組が1着・2着を独占した事から判るように今年の道営デビュー組はかなりのハイレベル、そのエーデルワイスで2着したモダンウーマンが道営デビュー組でもトップクラスの実力の持ち主なのは誰もが認めるトコで、現実に前走のローレル賞では初の左回りに対応して勝利するなどレースセンスが突出しており、今回は初コースだが道営時代に走り慣れた右回りでの競馬になるだけに不動の軸馬と考えるべき。
7枠13番ミスミランダー
道営デビュー馬で当時は重賞のフルールCで2着するなど上のクラスでソコソコ活躍し笠松へと転厩、その後のラブミーチャン記念勝ちや水沢・プリンセスC3着などの成績は今年の道営デビュー組のレベルの高さの証明でもあるが、笠松転厩後の重賞制覇は急激に成長した訳ではなくレベルに恵まれてのモノと考えるべきで、道営在籍時に今回出走のモダンウーマン・マックスガーデンの2頭に先着出来なかった事から善戦は可能でもこの馬が勝利するシーンは想像出来ない。
7枠14番マックスガーデン
マックスガーデンは道営の重賞では未勝利で今回出走のモダンウーマンとは前走のローレル賞も含め過去に4回対戦し7月の門別・ウイナーズチャレンジで1回先着しただけで対戦成績1勝3敗と分が悪いが、ローレル賞を除けば着差はコンマ4秒以内とわずか、ローレル賞で時計一つ半以上も離されてしまったのは左回りや距離適性の差と云うよりも前残りの傾向の強い馬場にも関わらずヤネが前が早くなると踏んだのか抑える形の競馬をした事が裏目に出ただけの話で、消極的な競馬で不完全燃焼したと思えばローレル賞の着差=実力差と判断するのは早計で、事実リリーCでは実力馬タイニーダンサーに先着した実績から前走の3着だけでは見限れず巻き返しの可能性を感じる。
8枠15番タケノスイセイ
1200Mのデビュー戦はカシマミルキーの追撃をハナ差しのいで勝利したが、距離が1600に延長した2戦目・3戦目は何れも大敗で、その後1200のレースならばコンマ5秒差2着やコンマ3秒差5着をしているように現状は1200向きで、距離1600となる今回は静観が妥当だろう。
8枠16番オーネットハート
ゲート難がありテンに置かれるケースが多く1000~1200Mのレースばかりを使われていた事もあって初勝利を挙げるのにデビューから6戦も要したが、終いはキッチリと伸びる馬だけに距離延長で一変するのではと注目していた前走の距離1600の18回大井・ひばり特別では最速の上りを使うも9着と惨敗、初のツーターンの競馬に戸惑ったとしてもこの結果では今回上位入線が可能とは思えない。
see more info at 南関診断士の南関競馬徒然草