月曜恒例の重賞回顧を始めよう。まずは、クイーンSからいこうか。
マコトブリジャールは、好位でジッとできていたし、内枠からインピッタリを通って一切ロスなく運べていたね。直線でも前にいたシャルールが早めに抜け出したぶん、進路がガラ開きになったのもラッキー。この馬とすれば最高の競馬ができていたんじゃないかな。400キロ台の華奢な馬だけに、函館~札幌で輸送時間が短くて済むのもいいのかも。調教の動きからして体調が良さそうだったしね。四位が本当にうまく乗っていたとはいえ、器用な競馬ができるのは大きな強み。それに、これだけ小さな馬が洋芝で上がり33秒台の脚を使うなんて、球節が柔らかいうえに、すごく搔き込みの強い走りをするんだろう。いずれにしても、中央場所に戻っても楽しみだよ。あとは、さっきも言った通り華奢な馬だから、長距離輸送をした時に馬体をキープできるかどうか。その辺がカギになるんじゃないかな。
シャルールは、2番手でジッとしていたように、周りに構わず自分の競馬に徹している感じ。ノリ(横山典騎手)がソツなく乗っていたし、普通なら勝っている競馬。それでも交わされたあたりは、相手の決め手が一枚上だったということでしょう。正直、調教の動きはあまり良く映らなかっただけに、これだけ走れれば上等じゃないかな。不甲斐ない競馬だった前走(ヴィクトリアマイル18着)からキッチリ巻き返してくれたから、今回のような競馬ができれば次も頑張ってくれると思うよ。
ダンツキャンサーは、2コーナーからは折り合いがついたんだけど、1コーナーあたりまでムキになってハミを噛んでいたね。まぁ、それを除けば最高の競馬ができている。1番枠を利してインでロスなく運べていたし、ゴチャついた所にハマれば一発でアウトなのに、馬群をうまく捌いて最後までしっかり伸びていたからね。全然人気はなかったけど、体調の良さも生かして頑張ってくれたと思うよ。ただ、最高の競馬ができても3着が精一杯となると、やっぱりワンパンチ足りない感は否めないよなぁ。次もうまい競馬ができたとしても、どこまで頑張ってくれるかな…。
レッドリヴェールは、ゲートの出がイマイチで、位置取りが後ろになり過ぎたのが痛かった。ペースが落ち着いたぶん、早めに動く羽目になったうえに、そこで外を回らされるロスまであったからね。今回の流れだとテンからある程度の位置に付けられないと厳しいし、後ろから行くにしてもインを通るなり極力ロスを抑えないとキツいよ。まぁ、酷な競馬になりながらも、これだけ走れれば上等。調教の動きも良く映ったように、復調の兆しは見せてくれたんじゃないかな。
テルメディカラカラは、マコトブリジャールと同じような位置で運べていたんだから、この5着は完全に力負けでしょう。ペースがペースだけに中団よりも後ろはハミを噛んでいた馬が多くて、この馬は前で運んでいたにせよムキになっていたクチ。でも、馬と乗り役がケンカにならない程度でジッとできていたことを思うと、やっぱりワンパンチ足りないんだと思うよ。
ウインプリメーラは、前々で流れには乗れていたんだけど、道中の走りっぷりからして何か物足りない感じ。調教でもグッと来るところがなくて、競馬に行ってもそういった走りをしていたね。乗り役に動かされているからただ走っていて、自分から走ろうとする気持ちが感じがられないとでも言うのかな。本来のこの馬なら最後の直線でも、あんなに簡単に止まることはないはずだから…。おそらく体調面の問題だろうね
リラヴァティは、大外枠からハナへ行くまでに脚を使ったにせよ、道中はうまくペースを落とせていただけに、これだけ止まるなんてどうしちゃったんだろう。レース中にどこかを痛めてしまったのかな…。
ロッテンマイヤーは、テンからガッチリとハミをくわえ込んでいたね。あれだけムキになったら追って伸びないのは当然でしょう。この馬にはペースが遅過ぎ、流れが合わなかったということに尽きるんじゃないかな。それにしても、滞在競馬であそこまでムキになるようだと、これからもちょっと心配だなぁ。馬具、調教方法とか、何かしらを変えないことには厳しいかもしれないね。
ペースがペースだけにナムラアンとマイネグレヴィルは、スタートで後手を踏んだ時点でキツかったね。
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