次は、根岸S。
カフジテイクは、いつも通り後ろからの競馬をして、直線でうまいこと外へ出せたにせよ、エンジンが掛かってからの伸びは桁違いだったね。もともと終いはしっかりしている馬だけど、今はデキがいいのはもちろんのこと、ここに来て力を付けているんじゃないかな。ゲートが下手で自分で競馬を作れないのはネックとはいえ、これだけの脚を使えれば大したもの。1800mのGIのチャンピオンズCで見せ場を作れたぐらいだから、マイルのフェブラリーSでもこのスタイル、1箇所だけ脚を使う競馬をすれば面白いと思うよ。あとは流れが向くかどうかだけ。今回は極端なハイペースではなかったとはいえ、平均したラップが続いて前に行ったクチにとってはキツい展開だったからね。本番でも逃げ・先行馬がどういう流れを作り出すかがカギになるんじゃないかな。
ベストウォーリアは、中団から自分のペースを守って走れていたし、最後の直線でも追い出しをギリギリまで我慢。微妙にモタつきがちな馬の割に追っての反応も良かったように、この馬とすれば最高の競馬ができていたんだけどね。勝った馬とは切れ味の差が出たということ。58キロを背負って、相手とは2キロの斤量差もあっただけに、交わされたのは仕方がないんじゃないかな。本番は定量戦で同じ斤量になるし、競馬のうまさという点ではカフジよりも上。GIに入るとワンパンチ足りない感じでメンバー次第にはなるけど、少なくともカフジを逆転する可能性は十分あると思うよ。
エイシンバッケンは、折り合いに専念する感じで直線勝負。うまく1箇所だけ脚を使わせる競馬ができていただけに、直線で馬群を捌くのに手こずったのが痛かったね。結果論になるけど最後方まで下がったんだから、カフジのように思い切って大外へ持ち出せば良かったのになぁ。前の2頭が抜けていた感じだけに、まともでも差し切るまではいかないにせよ、もっと差は詰められたと思うよ。まぁ、調教では硬さがあってイマイチの動きだったなかで、これだけ走れればむしろ上等。調教の動きが良くなったうえでスムーズな競馬ができれば、重賞でもチャンスがあるんじゃないかな。
キングズガードも、後ろからジックリ運んでいたんだけど、この馬は直線で馬群をスムーズに捌けている。自分の競馬ができても4着が精一杯だから、重賞に入るとやっぱりワンパンチ足りないんだろうな。エイシンバッケンに内から来られても一緒に動けなくて、最後は脚が上がり気味だったから…。
前に行ったクチにはキツい展開だった割に、ニシケンモノノフは最後まで渋太く粘っている。調教の動きからして、デキの良さでここまで頑張れたんだろうね。500キロ以上ある大きな馬だけど、体つき、走りからして力馬という感じではない。パサパサに乾いたダートも本質的には合わなそうだから、湿った軽いダートならもっとやれるんじゃないかな。
ベストマッチョは、外枠から道中でずっと外々を回るロスがあったにせよ、それにしても走らな過ぎだね。調教では終いの伸びがイマイチで、その悪い面が競馬でもそのまま出た感じ。この馬の調教を見るのは初めてで以前とは比較できないけど、体調面の問題なのか、能力的な問題でクラスの壁に泣いたのか…。今回だけでは何とも言えないなぁ。
コーリンベリーは、スタートで躓いて大きく出遅れたのなら、差す競馬を試してみれば良かったのにね。牝馬で気のいいタイプなのかもしれないけど、テンにあれだけ一気に脚を使ったら最後はバテるに決まっているだろうに…。いいスピードがある馬だから、その先行できるスピードを終いに温存、1箇所だけ脚を使う競馬をさせれば、終い伸びて来たかもしれないから。前回も中山ダート1200mで有利な外枠をうまく生かし切れずで、馬には気の毒な競馬になってしまったよ。
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