2017 3/5(日)
第54回 弥生賞(GII) 中山芝内2000m
予想用・出走予定馬一覧
母は名牝シーザリオ、兄にはエピファネイアとリオンディーズ、名馬となることを宿命づけられた良血馬グローブシアターが弥生賞に出走予定。偉大なGI馬である2頭の兄が共に勝てなかったのがこの弥生賞。ここまでの軌跡は兄の領域に至っていないが、兄が逃した弥生賞を制して堂々と本番の皐月賞に迎えるか。
ひとまずホープフルSでは一定のパフォーマンスは見せてきた。後半のポテンシャル勝負で正攻法での競馬を試してきたし、その中でレイデオロには完敗もジリッと伸びての3着。新馬戦でもしっかりと加速できていたし、器用さもある程度高いレベルにある。ただもちろんレイデオロ比較で見ればコマノインパルスにはちょっと見劣るし、速い脚を問われればカデナやダイワキャグニーなど、今回は相手も強化。正念場の一戦だ。
●新馬戦 1着 17頭4枠7番
京都芝外1800m良 1:48.8 48.4-47.6 S^1
12.9 - 11.0 - 11.8 - 12.7 - 12.8 - 12.7 - 12.2 - 11.4 - 11.3
新馬戦は期待に応えての完勝という形。コーナー二つの京都芝外1800m戦、前半はそこそこ流れ、中盤緩んでの2Fの直線勝負。そこそこは流れた分だけ仕掛けのタイミングが遅れた中でギアチェンジ面も問われている。まずまずのスタートからじわっと出していきつつ追走、最終的には中団馬群の中で進めていく。中弛みとなった3コーナー手前で外から手が動いて押し上げながら3角に入っていく。3~4角でも好位列、中目から徐々に外にという競馬で上手く前を向きながら直線。直線に入ってすぐの反応は微妙だが、そこからしっかりL2の地点で伸びだして2列目、L1でしっかりと先頭をキープしての完勝だった。まあひとまずこの時点での完成度はなかなか高いレベルにはあった。もちろんゲートも悪くなかったし、そこから中弛みで乗じたのはあるにせよ3~4角から外々、直線で急激に加速とまではいわないが一定のギアチェンジは見せてきてL1は底を見せず、推定で11.0前後の脚は使っている。この時はエリ女と同日だったので軽い馬場ではあったが、それでもそれなりには流れた中で10秒台を視野に入れられる競馬ができたのは確か。とはいえこの時期になると流石にこれ以上のパフォーマンスをしている馬も多いので、これ以上のパフォーマンスは当然求められる。
●ホープフルS(GII) 3着 14頭4枠6番
中山芝内2000m 2:01.7(+0.4) 60.3-61.0 M
12.4 - 10.9 - 12.3 - 12.2 - 12.5 - 12.1 - 12.3 - 12.1 - 12.0 - 12.5
続くホープフルSでも一定のパフォーマンスは見せてきた。ペースはややハイに近い平均ペース。ラップ推移的にもそう大きな変化はなく一度中間で12.5を刻んだぐらいで後は概ね12秒前半を連続、L2最速だがL3も準じているレベルでL1は落ち込む。まあ平均ペースの中で基礎スピードとポテンシャルをバランスよく問われた一戦とみて良いかなまずまずのスタートからじわっと促す程度、それで中団に下がる形にはなる。道中も淡々とした流れの中で中団馬群の中、メリオラ、コスモス辺りを目標にしながら3角に入る。3~4角で外々から手が動いて追走、4角で大外に持ち出して正攻法、中団で直線。そこからもジリジリとは伸びてくるが前にいたレイデオロにはあっさりと突き抜けられる。L1でもジリジリとは伸びてきたがマイネルスフェーンとも差も詰ってこずの3着完敗だった。まあレイデオロの方が内目を通していたのはあるし、直線入りですっと抜け出されてしまったのは響いたが、それでもL1で詰めて来れなかったし着差を考えれば3~4角のコース取りだけの問題ではないだろう。まあ2着のマイネルスフェーンは完璧に立ち回っていたのでこの辺りとの逆転は競馬の仕方次第で現実的には十分チャンスはあると思うが、少なくともレイデオロ比較で見ればコマノインパルスは手強いなと感じた。ペースもこの馬場でほぼハロン12、ポテンシャル戦で結果を出してきたし幅の広さは見せたかなというところだが、ここ2走で圧倒的な素材といえるほどのモノは正直感じられなかったかなとは思う。
●2017弥生賞に向けての展望
トップスピード持続力はまだ底を見せていないし難しいが、少なくとも質的にはカデナは一枚上だしTS持続も高いレベルで上回るのは簡単ではない。またポテンシャルではレイデオロ比較だとコマノインパルスは手強い。カデナほどの差があるかは微妙だが、レイデオロとの戦いで一応一瞬でもいい脚を使って優位性を見せていたのはコマノだったかなと。新馬の内容から個人的にはリオンディーズの全弟と思うと違う感じがする、気性的な面であまり苦労していない分はあるが兄達ほどの気性的な瞬間点火というか爆発力は感じない。その点では今の段階ではちょっと足りないなと。ただホープフルSにしてもロス自体は上位の中では一番多かったのも事実だし、ペースもそれなりに速かった。新馬も中弛みからの加速で動けてはいたし大きな弱点というのも今のところないな、というのは感じる。兄たちは爆発力と裏腹にやはり内包している気性の危うさが出てしまっていたし、この馬に関しては今のところそういった脆さは見られない。もちろんここ2走からパフォーマンスを上げてこないとクラシックで主役というのは難しい、キャリア自体はまだ2戦目で育成のノーザンがしっかりと調整してここまでにどういう変身を遂げてくるか、というのも興味はある。現時点の評価では中山への遠征経験も含め不安材料の少なさを評価しての連下~3着ヒモ候補かな。要所で鋭く動け、トップスピードの質も高いタイプのカデナやポテンシャル面ならコマノにちょっと見劣るかなと。
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