2017 3/12(日)
第35回 中山牝馬ステークス(GIII) 中山芝内1800m
予想用・出走予定馬一覧
昨年は牝馬ながらダービー卿チャレンジトロフィーでは後の安田記念馬ロゴタイプを撃破、第一線で走り続ける実力馬マジックタイムが中山牝馬ステークスに出走予定。前走のターコイズステークスでも後方から鋭く伸び切って強さを証明したが、今回は1周コースの1800m戦というのが久々でこれがカギになる。伸び盛りの4歳勢を相手に大人の女性の凄みを見せつけたい。
能力的には正直ここでは一枚上かなと思っているんだが、U字の1600~1800ならってところで、1周コースの1800は久々、これがどうかというのはポイントになる。割と段階的に分散しながらでポテンシャルが問われやすい面もあるしね。前半ゆったり入れる方が良いのでその辺りは良いと思うんだが、後半のロンスパがどうかだけかな。ただ前走のターコイズSは割と瞬間的な速度ではなく中間的な脚を連続した感じになっていると思うので問題ないかなとも。
●ターコイズS(重賞) 1着 16頭5枠10番
中山芝外1600m良 1:33.6 46.4-47.2 H^1
12.4 - 10.8 - 11.4 - 11.8 - 11.9 - 11.7 - 11.9 - 11.7
まずは前走流石の差し込みを見せたターコイズSから振り返る。ペースは0.8でややハイペース。後半は11秒後半を連続させながらだが最上位勢はL1でレースラップ的に見て加速を踏む程度の余力はあったというところ。やや出負けかなという程度、促しながらだが行き脚がつかずに最後方近くまで下がっていく。道中も後方で追走に苦労、ウリウリの後ろぐらいから3角では内目を選択。4角で徐々に勢いがついてきて外に誘導、ウキヨノカゼの直後を取って直線。序盤で中団列からしっかりと伸びてきてウキヨの外から2列目。L1でしぶとく突き抜けてドンキ以下の追撃を問題とせずの完勝だった。3角から4角での進路どりはロスも少なくしっかりと勢いを殺さず進められたと思うししっかりと出し切る競馬ができたのは良かった。それに馬も応えて持ち味のポテンシャルをしっかりと引き出してきた。この馬自身は3Fでのバランスだが36.3-34.2と2秒近いかなりのスローバランスでこの時計を叩きだしてきているわけで、後半は恐らく46秒前後で入ってきていると思う。L1が11.7で大体1馬身半差を捕えているので11.3~11.4、ラストまでのラップから判断しても11秒前半で速いラップを引きだしたというよりはL2-1まで見ても11秒半ばを4Fぐらい連続させてきているのかなという感じで底を見せない競馬だったと思う。なのでポテンシャル戦でも十分やれるとみて良いかな。またハイペースだったが自身がこれぐらい後ろからでも後傾ラップで楽に勝ち切れているので、前半無理せず後半の良さを引き出してきた。この競馬なら3~4角で分散しながらロンスパ気味になりやすい1周コースの中山1800でも面白いかもと感じた一戦。
●ヴィクトリアマイル(GI) 6着 18頭3枠6番
東京芝1600m良 1:32.1(0.6) 45.7-45.8 M
12.3 - 10.4 - 11.1 - 11.9 - 11.5 - 11.4 - 11.3 - 11.6
ただマイルでも厳しい流れに入っていったヴィクトリアマイルでは持ち味の末脚を上手く引き出し切れなかったかなという内容だった。ペースは平均だが45-45秒台でマイルでもかなり速い流れを連続していたし、超一流レベルのペースバランス。道中も3~4角で11.9-11.5-11.4と結構速いラップを連続してのL2最速なので、超高速馬場で淀みも小さく基礎スピードをかなり要求されている。やや出負けしてそこから押してリカバー、ここで脚を使う形を選択する。3~4角でも好位の内目で進めつつ直線に入ってくる。序盤でスマートレイアーの直後から外に持ち出してから追いだされるがイマイチ伸び切れない。最後までジリジリと食らいつこうとはするがそれでも伸びを見せられずの6着完敗だった。この辺からもマイルでも前半脚を使うと甘くなることは多かったし、この辺りはハーツクライ産駒の宿命という感じはある。2走前のマイルCSでも悪くはないがハイペースで流れた中で後方でとなってしまうと末脚の威力も削がれていた。ダービー卿では1秒程度のスローで脚を引きだせているように、やはりこの馬にとって基礎スピード面はGIレベルでとなるとネックにはなっている。その点でも1800mの距離自体は歓迎できるとは思う。
●府中牝馬S(GII) 2着 13頭1枠1番
東京芝1800m良 1:46.8(+0.2) 48.5-46.0 S^2
12.7 - 11.0 - 12.1 - 12.7 - 12.1 - 12.1 - 11.4 - 11.1 - 11.4
1800m戦の経験自体は少ないが直近の府中牝馬Sではしっかりとこなしてきた。ただコーナーは実質2つだし、上がり勝負に特化したかなりのスローの競馬。1番枠からまずまずのスタート、そこからじわっと追走しつつ下げて2列目のポケットに入る形。枠の並びも良く結構無理なくいい位置を取って、ペースもスローと理想的。3~4角でも2列目ポケットで仕掛けを待ちながら直線。序盤で進路が無いので待たされる、L2の地点で進路確保し追い出されるがクイーンズリングにキレ負けする。L1でもじわっと差を広げられたがそれでもスマートレイアーは撃破しての2着だった。この馬の場合トップスピードの質ではなく持続力で勝負するタイプなのでミルコに2列目外から仕掛けを待たれた時点でちょっと苦しかったかなとは思う。ただスローなら前につけても脚を使うことができるのは魅力で、1800への距離不安もそこまで感じる必要はないなと。むしろ前半ゆったり入れる分だけ1800の方が安定しそうな感じもある。
●2017中山牝馬ステークスに向けての展望
距離は正直これぐらいあってもいいと思う。血統的に見ても母も1800~2000で実績があったタイムウィルテル。兄弟馬にそこまでの活躍馬はいないにせよ傾向的には中距離寄りかなと。この馬もマイルの高いレベルでは基礎スピード面に難があったので、ハーツクライ産駒でもあるし1800ぐらいが噛み合いそうな感じはあった。ポテンシャル戦でどうかというところもターコイズSの内容から結構長く11秒半ばを維持し続けてL1まで落とさなかったということを考えると問題なくやれそう。能力的には一番だと思っているので、後は距離を怖がって後ろからになりすぎないように、というところかな。中山1800で良馬場だと最序盤からハイペース、というのは坂スタートから1角までの距離が短いコース上の問題からなかなか起こりにくいし、ゆったりからのロンスパというイメージで序盤の内に結構いい位置を取ってしまった方が良いだろう。相手関係も強敵は多いと思うが、4歳勢はともかくこの路線では1枚上、更にカフェブリリアントやスマートレイアーといった強敵はいないしヌーヴォもタッチングも金鯱賞だし無理せず入れて後半の末脚勝負、ポテンシャル寄りになったとしても最上位とみて良いかなと思う。前走でも底を見せていないし、このコースなら下手に下げ過ぎず好位~中団ぐらいを意識しつつ無理のない範囲で入っていければ好勝負だろう。パールコードのエリ女、秋華賞でのスローのパフォーマンス、ビッシュのポテンシャル面との比較でみても昨年のダービー卿やターコイズSのパフォーマンスだけ引き出せれば問題ないかなとみている。今のところは本命~対抗候補の一頭でパールコードが完璧に立ち回れるチャンスのある枠かどうか次第かな。距離、コースに大きな不安はないと思っている。
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