2017年5月1日月曜日

NHKマイルカップ 2017 出走予定馬:モンドキャンノ、距離短縮は歓迎、マイルでペースが上がって末脚を引き出せるかが焦点か

2017 NHKマイルカップ(GI) 東京芝1600m
予想用・出走予定馬一覧
NHKマイルカップ2017の予想用・出走予定馬一覧


 昨年の朝日杯フューチュリティステークスでは2着、マイルの距離を克服した実力馬モンドキャンノが3歳マイル王決定戦のNHKマイルカップに出走予定だ。前走のスプリングステークスでは1800mにチャレンジ、皐月賞路線を目指したが10着と大敗を喫してしまった。実績のあるマイルに戻して2歳王者不在の混戦模様、GI2着馬の底力に期待したい。


 前走のスプリングSに関しては1800でも1周コースで時計も掛かっていた中でのポテンシャル戦と条件的に厳しかったかもしれない。朝日杯FS、京王杯2歳Sの内容で考えればトップスピード戦ならマイルまでは持ちそうな感じはある。ただ割と楽な流れの中で後半の末脚を引き出してきた形にはなるので、マイルでも厳しい流れでどうかもある。


京王杯2歳S(GII) 1着 13頭8枠13番
東京芝1400m良 1:21.9 35.7-34.2 S^2
12.4 - 11.4 - 11.9 - 12.0 - 11.3 - 11.2 - 11.7

 3走前の京王杯2歳S勝ちから振り返る。Bコースに替わって初週、それなりに高速馬場状態ではあった。ペースは1.5でかなりのスロー、ラップ推移的にもL2最速でL3の地点から11.3と準最速、トップスピード持続戦に近い競馬と言っていいだろう。


 13番枠から出負けして後方からの競馬となってそこからじわっと促しつつリカバー。ただその分とスローということもあって道中は掛かりながら後方外目で3角辺りで押し上げる感じでレースを進めることとなる。そのまま4角で馬なりで気持ちに任せて中団で直線。序盤でそこからスッと進路を確保でゴーサイン、坂の上りでスッと伸びて一気に2列目まで押し上げ出し抜くレーヌミノルを射程圏に。L1まできっちりと伸び切っての完勝だった。


 相手がレーヌミノルで、まあレーヌの場合は桜花賞でも見せたように基礎スピードをもっと前面に出した方が良い、全体のペースを引き上げて終いの仕掛けを遅らせたいタイプではあると思うので、それを相手にL3から速いラップでのTS持続戦で捻じ伏せたのは一つ高いレベルのパフォーマンスと言って良いとは思う。ただTS持続に近い競馬でのパフォーマンスで比較した時にクイーンCのアエロリットはレーヌ比較でかなり強い競馬をしているし、半馬身差というパフォーマンスをどう捉えるかかな。高速馬場でこういうトップスピード戦、L2でしっかりとキレで優位に立てたのはもちろん好材料。


朝日杯FS(GI) 2着 18頭5枠10番
阪神芝外1600m良 1:35.5(+0.1) 48.3-47.1 S^1
12.8 - 11.2 - 11.6 - 12.7 - 12.3 - 11.5 - 11.2 - 12.1

 2走前の朝日杯ではマイルへの延長がカギとなったが、高いレベルでクリアしてきたと言っていい。ペースは1.2でややスロー、ラップ推移的に3~4角でかなり緩んでいる中で、L2最速のトップスピード戦、L1はかなり落としているのでTS持続も高いレベルで問われた一戦と言える。またこの時期は年末開催の後半に当たり、やはり時計も掛かっていた。


 10番枠から五分に出て控える形で後方に、という感じ。前半はとりあえず後方で折り合い重視、3角の緩みで少し掛かり気味になるがサトノアレスの近くで我慢、4角で徐々に加速、下り坂でスピードに乗っていくところで後方馬群の中目からサトノの直後を取って4角出口で進路を上手く確保、後方で直線。序盤でサトノアレスにキレ負けするが、L1でジリジリと伸びてきて最後はサトノとの差を決定的に詰めて来ての2着だった。


 4角の段階では恐らく2馬身差も無かったと思うが、L1地点に入った段階では2馬身半ほどあった。ここで少し出し抜かれたがL1でこれを半馬身差まで詰めてきている。3~4角の通したところの差が少しあったと思うが、L1のTS持続に関してはメンバー中でも一番だったかなと。もちろんサトノアレスもボンセルヴィーソもTS持続が高いレベルにあるとまでは言えないので何ともだし、比較でみても同日の準OP元町Sには同タイムだがラップ推移的には一段見劣る。これをどう評価するか。ただ府中の上り坂地点での伸びが良かった馬なので、適性的には下り坂で勢いに乗せやすい阪神より地力加速が問われる府中の方が合う可能性もある。


スプリングS(GII) 10着 11頭6枠6番
中山芝内1800m良 1:50.7(+2.3) 48.6-48.1 M
12.6 - 11.7 - 12.1 - 12.2 - 11.7 - 11.8 - 12.1 - 11.8 - 12.4

 1周コースの1800で速いラップを問われなかったし度外視しても良いとはいえ、やはり負け過ぎで気になるスプリングSを振り返る。ある程度時計が掛かる馬場状態で平均ペースでの12秒前後を繰り返すポテンシャル戦。基礎スピードとポテンシャルのバランスが問われた一戦。


 6番枠から坂スタートでもまずまずのスタートを切って先行策。ただ前に壁を作れず2列目の外で進める形、2角過ぎの下りで首を上げるような感じでやはり掛かり気味。コントロールしながら進めて3角。3~4角で外から動かそうとするが反応がなくポジションを下げながら。序盤の段階で失速して惨敗だった。


 まず基本的に1800は長いと思うし、その中でペースも上がって掛かってしまって消耗があったというのもある。これまでの内容的にもマイル自体は問題ないがトップスピード戦への適性の高さを見せているし、1800でもU字ならともかく1周コースで全体の競馬になったのが合わなかったかな。折り合い面も1800まで来ると結構苦労したし、前に壁を作れなかったのも響いた感はある。いずれにせよそういったコントロールが難しい馬という認識は必要かな。


2017NHKマイルカップに向けての展望

 マイルへの短縮はプラス、それと京王杯2歳Sのレベルが意外とそこそこ高かったし、しかも2着のレーヌミノルが桜花賞馬、もちろん展開が違うので何ともだがトップスピードの持続力はこの路線ではかなり評価できる。レーヌミノル比較で見た時にクイーンCのアエロリットは強敵だとは思うが、後半勝負なら普通に上位に入ってくる馬だろうと。そこは一目置くべきところ。


 ただ、アエロリットやカラクレナイと違うのはマイル以上で厳しい流れになった時に対応できるかどうかという面。キンシャサノキセキ産駒は今のところのイメージだが1400の後傾バランスがベスト、という馬が多い印象で、シュウジもそうだったがマイルの平均~ハイまで行ってしまうとしんどくなってというケースが多い気がする。朝日杯もスローペースだったしその中で脚を使わずに後半勝負でTS持続を引き出してきたとみるべきで、1800で参考外ともいえるがスプリングSも前半に脚を使ったからこそ早い段階で失速したといえる。その辺りを考えると意外と全体のペースが上がってしまうと難しいかもしれないなと。なので朝日杯の段階ではゆったり入れたので良かったが、NHKマイルカップの傾向から全体で平均~ややハイになりやすいし仕掛けも早い。時計勝負になりやすいというのがこの馬にとってどう出るか?というのが一つポイントになってきそう。全面的な信頼を置きにくいのはそこかな。ゆったりとした流れになれば傾向的にも仕掛けが早くなりやすいこのレースの傾向は合う。後は前半どうクリアしていくかかな。マイルなら平均~ハイでもこなせる可能性もあるが、血統的に見ると微妙なラインだと思っている。パフォーマンス的に見て上位に取りたい馬も多く、その辺りをトータルで見ると恐らく連下辺りで押さえる形になる可能性が現時点では高いかなと。



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