2017年6月18日日曜日

函館スプリントステークス 2017 レース回顧・結果:ジューヌエコール、軽量とハイペースでGI馬をまとめてなで斬り6秒台のレコード勝ち!

2017 函館スプリントステークス(GIII) 函館芝1200m
レース回顧・結果

1:06.8 32.2-34.6 H^3
11.7 - 10.1 - 10.4 - 11.0 - 11.4 - 12.2

 武豊乗れてねえなあ~ってのが第一。酷い超高速馬場だな~ってのが第二。皆がどう思ったかはわからないけど、個人的には向こう正面でぶっとばしている時点でシュウジはもうあかんわと思ってみていた。まあそれはシュウジの項目で書くとして、ペースは言うまでもなく2.4で超ハイ。ラップ推移的にも強烈な前掲ラップで上げ切った。超高速馬場で基礎スピード特化戦とみて良い流れであると。ただ6秒台に入ってきたのがジューヌエコールだけなので、基礎スピード戦としてみた時に2着以下を高く評価するのは危険かもしれないと。500万下でも1:07.4が出ちゃう馬場だからね。これだけ流れればこのクラスなら6秒台に入ってくる馬が何頭かいないといけない。オーバーペースでバランスを崩した馬はともかく、基礎スピード特化型が弱かったからというのはあるかもしれんね。


1着ジューヌエコール


 8番枠、まずまずのスタートからじわっと追走させつつ好位集団で無理のないところで入っていく。道中も有力馬2頭がぶっとばすので少し離れた好位列で現実的な位置で3角。3~4角で外目から4角の下りを利してじわっと押し上げながら直線。序盤で一気にやりあった2頭を嘲笑うかのようにあっさり交わしてそのまま突き抜けた。


 もちろん50kgという軽量が大きかったのは言うまでもないと思うが、それだけでなくやはり前掲ラップで基礎スピードを活かす形で結果が出た。フィリーズレビューでも致命的な不利が無ければ面白かったと思っていたんだが、それを証明する形でスプリント色の強い基礎スピード戦で結果を出してきたといえる。クロフネ産駒でこういう厳しい競馬でもやれたとなると安田隆行厩舎で本格的にカレンチャン2世になりえるかな。単調な競馬だったのであまり語るポイントが無いのだが、充実するキングハートを圧倒できたのは評価しないといけないし、今後もかなり楽しみやね。基礎スピード特化戦だけど、タイプ的にも血統的にも多分1200で総合力で勝負ができそうだし、セイウンコウセイ、キングハートとこの馬が今のところ1200路線で中心としてやっていけそうな感じ。これに素材的に化物クラスのレッドファルクスが1200でどこまでってところかな。


2着キングハート


 3番枠からやや出負け、そこからかなり押して押してリカバーしようとして中団馬群の内目で落ち着く。そこからも終始促しつつジューヌエコールを前に置いて3角。3~4角でもジューヌの直後から直線で3列目外。序盤で先に抜け出すジューヌエコールになかなか食らいつけず、L1でも差は詰まらず2着を死守までだった。


 ジューヌエコールは50kg、こちらは56kgなのである程度仕方ない。それとこれまで高速馬場でも後傾バランスで鋭さを引き出してきたわけなので、反対の競馬といえる基礎スピード戦でここまでやれたのはむしろ高く評価すべき材料だといえる。かなり強い競馬ができているが超高速馬場だったので追走で脚を使わされなかったという感覚だし、馬場が重くなってペースが上がってくると多分脚を使わされてしまう。そのバランスの中で今回はギリギリだったかなという感じ。今回の1戦で多少ハイペースでも問題ないところを見せたし、ペースが落ち着いてトップスピードの持続力を引き出せればかなり高いレベルであることをここ2走で見せてきているので、今後のスプリント路線で重要な一頭になると思う。ただ前述のとおり、この馬も脚を削がれているといえるし時計的にも今の馬場を考えると平凡ではある。その辺りを踏まえても本質はやはりトップスピードを引き出せた方が良い。今回は最低限やれた、という点で幅を広げてきたとみるべきかな。


3着エポワス


 五分には出てそこからじわっと追走、中団の外目で進めてい行く形になる。3角手前ではジューヌの後ろのキングハートの後ろを通していくような感じで中団で直線。序盤でジリジリとした伸び、L1までしぶとく伸びてきて3着と波乱を演出した。


 ん~ちょっと意外な感じの3着ではあったかな。ただ、冷静に分析していくうえで、エポワスがこの展開で3着に来てしまうぐらい各馬が意外と崩れているんじゃないか、とみることもできる。エポワスはこれまでの平均~スローで良さが出ていた。今回は超ハイの中でついていけずに後方に近い位置まで下げてから脚を引き出してきたといえるんだが、恐らくエポワスの位置でもエポワス的にはちょっとしんどかった。ただそれ以上にキングハートが一つ前でしんどくなったのでL1でエポワス以上に甘くなって差し込めたという感覚かな。上位は結果は出たけど、必ずしもこの展開が良かった馬たちではないと思っているし、少なくともジューヌエコール以外は時計的に見てさほど評価できない。エポワスも同様で、やはりこの馬も平均までなんじゃないかな。そのうえで最低限ハイペースに対応してきたという認識。本質は1400で楽に前目を確保してゆったり入れる方が良いと思うけどね。


4着セイウンコウセイこちら


5着イッテツ


 5番枠から五分に出て出していって先行しようとするが無理なので下げて中団にという形。無理せず途中でスーッと下げていって息を入れながら3角。3~4角でも最内でロスなく立ち回って徐々に外に出して直線。序盤で伸びてくるというほどではないがジリジリと脚を使ってなだれ込む。最後はセイウンとの差も少し詰めての5着だった。


 下げたのが正解だったかな、という感じ。この馬も逃げ馬としては前半基礎スピードがそこまであるタイプではないのであっさり控えたことで最序盤のオーバーペースをできるだけ回避できたという感じ。その分の貯金が他に比べてあったのと、3~4角でロスなく立ち回れる立場というのもあってオーバーペースの馬を拾った結果が5着だったという感じかな。イッテツやエポワス、最後方で遅れていたノボバカラなんかでも7着とこの辺がそこそこ上位に来ている、時計的に2着以下は足りないというところからもそういう側面は少なからずありそう。


9着ブランボヌール


 13番枠から五分のスタート、そこから無理せずじわっと追走して好位の外々で入っていく。3角ではできるだけ打ちに入り込んで4角で追い出されるがそのポイントで少し岩田が後ろを気にするしぐさ。直線で鞭が入るが反応は微妙でなだれ込むだけに終わった。


 ん~はっきりとは分からんから、まだパトロール出てないのでパトロール見て追記するかもだけど直線ラストは詰まっていた可能性が高いかな。ただしんどくなって右鞭でシュウジを交わしたいときに少し反応が遅かったのもあったし、単純に馬の余力がなくなって進路は合ったけど反応できなかった形か、まあいずれにせよ追記します。そのうえで、ちょっとペースが速過ぎたかなという感じ。良い感じでついていったし3角までには内目には入ってこれたのでここでのロスは最小限ではあったと思う。個人的にはこれだけ超高速化すると厳しいかなと思っていたんだけど、これなら悪くないね。枠も悪かったし、流れも悪かった。時計的にはちょっと物足りないんだけど、復調の兆しとしてはちょっと見せてきたかな。まだ全面的に信頼は置けないけど。


10着シュウジ


 10番枠から好発を切って内の様子を見ながら外から内に切り込み切って早い段階で主導権を取り切った。しめたと思ったのも束の間、暴走気味に32.2と強烈に速いペースでラップを刻んでいく。3角辺りでは速度が速くコーナーに入って行ったのもあって4角以降は手綱を右に引きつつコーナーで遠心力で分散しながら減速。そのまま直線で余力無く沈んだ。


 正直言って敗因分析記事としてはセイウンよりこっちの方が面白いとは思う。ただその前に武豊に対して擁護すべき点があるとすればやっぱり超高速馬場で、6秒台ぐらいは出るっていう感じの逃げ方ではあると思うんだよね。後続に脚を使わせようとしたってのは馬場だけ見れば理解できる。ただシュウジでやってはいけなかった、ということだけ。それとこの戦法は武豊が個人的にやったのか、陣営がスピードを活かして飛ばしてくれと言ったのか…によっても違う。ただいずれにせよこれはシュウジにとっては悪手だったと言わざるを得ない。この馬は展望記事でも書いてきているけど、基礎スピード自体はある。実際このレースでも飛ばせば32.2で入って行けるだけの絶対的な質は持っている。ただそれをコントロールしながら要所の一足を引き出す、前半と後半を上手くコントロールして総合的に勝負しないといけない馬であると。ぶっとばして息を入れなかったレースは全滅しているわけでね。ファルコンSで崩れた時から怪しいとは思っていたけど、本当の基礎スピードタイプって特化戦でも大きくは崩れないから。この馬が本当に評価できるのは基礎スピードの高さを活かしてペースをある程度コントロールして後半の末脚を高いレベルで引き出せる。ギアチェンジも質も持続力も全部水準以上に持っている、それをある程度ハイで息を入れても引き出せるというところが持ち味。なので全てにおいて特化させて良い馬ではない。それが気性的にどうしても前掛かりで出していけばガンガンに行けちゃうのでスピードタイプと勘違いしがちなんだけど、断じて基礎スピード特化型ではない。なのでこういった馬で一番やっていけないレースメイクをしてしまったと言って良い。武豊らしくないな、って感じでエイシンヒカリとかでもちゃんと飛ばすだけの馬ではないっていう認識も持てていたと思うんだけど、シュウジに関してはどう見たってオーバーペースを嫌うタイプの馬でスピードに任せてしまっていい馬ではない。突かれて突かれてなら仕方ないけどこれだけ楽に内に切り込めたのだからある程度コントロールしてほしかったわ。セイウンもペースを上げて良いタイプではないしセイウンの土俵の上でどこまでやれたか見たかったんやけどね。阪急杯から全て崩れている要因が同じなのに変えてこないんだから。1400以下ならいっそ中団から行ってもいいと思うわ。長くなって申し訳ないけど、シュウジに関しては馬に対する認識を陣営が間違え過ぎ。豊も函館の馬場が異常だったから多少の擁護の余地はあるし、他にも陣営が須貝だから色々可能性はあるから何ともだけど、シュウジを追いかけている側としては騎乗自体は最悪の一言に尽きる。レースをコントロールできないとシュウジは良さが出ない。内で立ち回れる馬なんだから速くなれば控えればいい、自ら上げ切るなんてのは最悪も最悪やで。向こう正面で終了を予感させる競馬をしてはいけない。



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