2017 7/2(日)
第66回 ラジオNIKKEI賞(GIII) 福島芝1800m
予想用・出走予定馬一覧
5戦でパーフェクト5連対と抜群の安定感、京都新聞杯2着の実力馬サトノクロニクルがラジオNIKKEI賞に出走予定だ。前走の白百合ステークスでは京都1800m戦で後方から鋭く伸びて何とか勝利をものにしてきたが、色々な展開でも大きく崩れず高いパフォーマンスを発揮できるのは強みだ。ただそろそろ重賞タイトルが欲しい、ここは善戦マンにとどまらない活躍を期待したい。
ハーツクライ産駒らしく兄サトノラーゼンよりはどちらかというとトップスピードに乗ってからの持続力があるタイプだと思う。ただそれで圧倒できるほどではないし、ポジションもある程度取っていきたいがそこまでのポジショニングの上手さはないかな。前走はちょっとその点で引っかかる面もあるし、要所で置かれがちなので福島だと微妙な立ち位置かなと思う。
●白百合S(OP) 1着 7頭4枠4番
京都芝外1800m良 1:46.6 47.0-47.6 M
13.0 - 10.9 - 11.0 - 12.1 - 12.0 - 12.2 - 11.9 - 11.6 - 11.9
まずは前走白百合Sを見ておきたい。京都の1800なのでもちろんコーナー2つのU字コース。ペースバランスは平均の範囲内、ラップ推移を見ても途中で12秒台には入っているが速いラップを踏むこともなく、前半の基礎スピードと後半のポテンシャル面を要求された一戦。3角でも逃げ馬がリードを作っているような感じで差が詰まったのがL2なので恐らくL2でそこそこ速い脚を要求されていると思う。
4番枠からまずまずのスタートを切っていたが促されてもなかなか前には行けず後方に下がる形になってしまう。そこから道中も後方外目で進めながら特にポジションは変わらず3角。3~4角でも外目からじわっと進出、2頭分外を回して直線。序盤で追い出されるがここでの反応はイマイチでジリジリとした伸び。ただそこからしっかりとL1で伸びてきて何とか内のクリノヤマトノオーとの接戦を制した。
まあ思ったよりジリっぽかったなという感じはあるが、ただ思ったよりは長く脚を使えた。基礎スピード面を問われたことで要所でイマイチ動けなかったけど、脚そのものは見せてきたし厳しい流れへの対応力は見せてきたと思う。馬場もそこまで軽い状況下に無かったのでこれだけやれれば対応してきたとみていいだろうと。ただ要所で置かれていたので開幕週の福島でL2最速戦、急コーナーとなる4角で加速する形になった時に置かれないかどうかだろう。それと、ペース自体が速かったにせよゲートは悪くなかったのにポジションを取っていけなかったのは福島1800を考えると些か不安材料である。
●京都新聞杯(GII) 2着 12頭3枠3番
京都芝外2200m良 2:15.2(+アタマ) 62.1-60.0 S^2
12.7 - 11.1 - 12.8 - 12.4 - 13.1 - 13.1 - 12.7 - 12.6 - 11.6 - 11.5 - 11.6
京都新聞杯では惜しい2着となった。ペースは2.1でかなりのスローだが単騎逃げ馬のもので実質は超スローである。中盤の緩みも大きく13秒台が続く中での3F戦。そう考えると少し雨がぱらついたときもあったとはいえ馬場を考えても3F勝負としてL2最速11.5は遅いと。
3番枠から五分に出てそこから促して先行争いに加わってくる。最終的には離れた3列目の外で進めてゆったりとした流れでいいポジションを確保した。番手では実質63秒半ばぐらいの遅い流れで3列目外から3角。3~4角でも好位の外から勝負していくがここで置かれてしまって4角出口で激しく追われたことで少し外に寄れて直線。序盤でそこからジリジリと伸びてきてL1で内から抜け出すところに外からプラチナムバレットに差し込まれた。
個々でも気になったのは3角以降でペースが上がっていくという中で前を向いていながらも置かれてしまっていたこと。福島1800mで良馬場、高速馬場に近いとここが致命傷になりかねないのでしっかりとそこを意識したノリ方ができるかどうかだろう。安定はするけど要所で動けないから伸び始めが遅れて届かないというケースが多い。
●水仙賞(5下) 2着 10頭2枠2番
中山芝外2200m良 2:17.3 64.3-60.0 S^4
12.9 - 12.1 - 13.1 - 13.0 - 13.2 - 12.9 - 13.1 - 12.5 - 11.7 - 11.2 - 11.5
この水仙賞も同様に動き出しの甘さを見せてきた。4.3の超々スローでラップ推移を見てもわかる通り3F勝負、L2の4角出口~直線前半が最速の11.2でそこまで一気に加速していくという流れになった。
2番枠からまずまずのスタート、ペースも遅いので比較的楽に抑えながら好位を確保。道中もドスローの中で中団ぐらいに下がる形、内目で我慢しながら3角。3~4角でも中団の内目、中間地点で激しく追われるが置かれて4角出口で激しむ鞭。序盤の最速地点でも伸び始めは遅くまだまだ好位列に取り付く程度でまだ4馬身差ほど。ここからL1でジリジリと伸びてきて最後はバテ差し、楽に2着確保で前とも迫る脚だった。
前がL1を11.5でまとめてきた中でL1だけで3馬身半は詰めているので10秒台は間違いない。L2でほとんど差を詰めてきていないので恐らくだがL1最速ラップをこの馬は踏んでいる可能性が高い。ただ、L1最速になってしまったのはそこに持っていくまでの加速性能・ギアチェンジが甘いから動けずに…という競馬になってしまった印象だ。もちろんL1で10秒台の脚を使ってきたのは評価できるが極端なスローなので何とも言いにくい面はある。
●2017ラジオNIKKEI賞に向けての展望
端的に言えばまだ成長途上のハーツクライ産駒、という認識ではある。ただ、違うのは前走でも厳しい流れでしっかりと差し切ってきたし、ハーツ産駒にしてはこの時点で基礎スピードの幅はある程度見せているなと。前走は3~4角で外から前を向いてきながらも伸び始めが遅かった。前述の3レースで共通して言えるのは加速段階では伸びていない、特にコーナーでの動きというのを苦手としている印象。またペースが速くても対応はしたがポジショニングは落としていた。この辺を踏まえても福島1800は正直不安の方が大きいと思う。タフな馬場になってしまえば問題ないけど、例えば高速馬場で47-47ぐらいで平均でもL2で加速度の高いギアチェンジを要求されると置かれるリスクは大きいだろう。福島1800ではスパイラルカーブの影響で緩やかな3角からじわっと加速というパターンが多くなるが、そこで外から乗って行こうとすると4角での距離ロスは大きいし、かといって内枠で包まれてしまうとまして置かれると思うのでなかなか難しいと思う。個人的な感触としては大化けする可能性は秘めている一頭だと思っているけど、現時点では粗い。要所での反応面、中距離で流れた中での前半のポジショニング、この辺りを詰めてくることができるか。予想的には枠次第で消すところまで視野も、連下~3着ヒモかな。重い印は打ちたくない一頭。もちろん天気、土曜の馬場で上方修正もあり得るが、高速馬場の福島1800ではちょっと狙いにくいと思う。
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