2018年5月3日木曜日

【天皇賞・春回顧】レインボーラインは岩田ならではの名騎乗/シュヴァルグランも堂々たる競馬

遅くなってごめんね。これから先週の回顧をしてこう。まずは天皇賞・春から。

■レインボーライン【これぞ岩田という名騎乗。初戴冠も容態は心配】
岩田はとにかくインを使うのが上手い騎手なんだけど、今回もさすがという名騎乗だったね。後方待機策はいつも通りで、外めの枠ながらスタート直後から早々と内に切り替えて、ロスを最小限に抑える立ち回り。あとは本人も言っていたように、出入りの激しい展開に絡まずじっと脚を溜め、直線では馬群を捌きながら決め手を生かすだけだった。流れが向いたこと以上に、騎手の腕で勝たせたGIだったと思う。脚元の状態は心配だけれど、なんとか無事に復帰してターフへ戻ってきてほしいものだね。

■シュヴァルグラン【強気の立ち回りで堂々たる2着】
スタートから積極的に進出して、ふだんより前目の先団外めにつける競馬。果敢な積極策は非難されるべきではないけれど、結果的にはあのポジション取りが裏目に出たかな。他馬が動きはじめた3コーナー前で脚を使わされたし、直線でも早目先頭に立たされ目標にされる厳しい展開。弱い馬なら直線半ばで失速するところだけど、持ち前のスタミナで勝ち負けに持ち込んだのだから、まさに負けて強しの競馬と言っていい。強い4歳世代と混じってもこの路線ではまだまだ一線級の活躍をしてくれそうだね。

■クリンチャー【乗り替わりが悔やまれる敗戦】
ゲートの出はひと息ながら、押し気味に出て中団前目を確保。1周目はまずまず流れに乗れているように見えたんだけど、向正面の各馬が動き出したところで少しリズムを崩して、じっくり競馬を進められなかった。もともと気性面の激しいところのある馬だし、こうなるパターンはある程度想定できたこと。皇成(三浦皇成騎手)はテン乗りながらよく乗っていると思うけど、やはり前走で感触を確かめている豊(武豊騎手)が乗れなかったのが悔やまれるね。道中の運びが万全でないなかであれだけ粘ったんだから、これは相当な器だと思うよ。

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