それでは先週の回顧を始めよう。まずは新潟大賞典からだね。
■メールドグラース【今後も面白い馬だと思う】
仕掛けるタイミングが最高だった。スローペースだったから早いぐらいがちょうど良い。馬自身も騎手のゲキに応えるように伸びてきてくれた。調教の動きを見るとさらに良くなりそうだから今後も面白い馬だと思う。また今回騎乗したレーン騎手。外国人騎手は総じて手綱を短く持つけど、この騎手も同じ。ただルメール騎手などと違って硬い乗り方をする。豪州は人と馬の主従関係(人間が馬よりも上)がしっかりしているからレーン騎手のような馬を抑えつけようとする乗り方が一般的。ただ日本はそういう関係を築けていないからレースで燃えるような馬に乗ったときにケンカするかもしれない。知っておいて損のない情報だと思うよ。
■ミッキースワロー【今回の敗戦で評価を落とす必要はない】
もう少し速いペースを望んでいたと思う。道中は折り合いを気にした乗り方でいかにも休み明けの馬に跨った騎乗。レースの流れに向かなかったけどそれでも2着に来ている。今回の敗戦で評価を落とす必要はない。
■ロシュフォール【一番もったいなかった】
一番もったいなかったのはこの馬。スタートで後手を踏んで後方からの競馬になった。いくら直線が長い新潟コース、切れ味が魅力的な馬とは言え、重賞初挑戦の身。ちょっとしたロスで勝敗を左右する。スタートでちゃんと出ていれば戦略の幅も広がっただけに惜しいことをしたね。
4着のルックトゥワイスは大外に泣かされた。外を回される競馬は距離ロスがある。実力で負けたというよりも枠に泣かされたレースだったね。アストラエンブレムはレースの流れを考えると絶好のポジションで競馬した。それだけに今回の着外はワンパンチの足りなさを露呈したと思う。
UMAJIN.net「競馬サロン~本物に触れ、本物を知る~」
see more info at 元騎手・坂井千明の乗り役流儀~騎手にしかわからないことが、ある。~