2015 日本ダービー(GI) 東京芝2400m良
キタサンブラックの敗因分析
2:23.2 12.7 - 10.9 - 11.8 - 11.7 - 11.7 - 12.5 - 12.5 - 12.4 - 12.4 - 11.9 - 11.0 - 11.7
58.8-59.4M-H
6番人気だがこのブログの本命馬キタサンブラックの敗因を分析していく。まあ、敗因分析というよりはむしろ感想というかそんな感じ。
14着キタサンブラックはやや出負けして出して行ってハナを狙うかと思いきや内枠からミュゼエイリアンが主張する形でペースが一気に上がる。そのまま隊列もできてしまってスローにコントロールできずに速い流れの先行集団を引っ張ることになる。ただ好位中団列は無理してついてきていない中で向こう正面半ば過ぎから息を入れる。それでも息を入れたところで後続に取り付かれて3角では凝縮気味。そのままコーナーでも番手外で仕掛けを待つ形で直線。序盤で追い出されると流石に一瞬は反応したがそこで脚がなくなってしまって最速地点でキレ負けというかもう脚がない。そのまま下がってしまっての14着大敗だった。
まあ、感想としては北村宏司なりに勝負に出てのあの競馬なら何も言うことはないかなということ。ダービーは全ての騎手がギャンブル的な競馬を敢行してくるわけで、その中で勝負に行っての負けは仕方ない。北村としても敢えてスピリッツミノルの内から早めにハナを主張して落ち着けることで、スピリッツだけ行かせて実質的に離れた番手で進めようという意図を感じる最序盤のギャンブル的な出し方だった。ただ不幸なことにノリがハナを切ってペースをある程度上げようと思っていたのでこれが重なってしまったというところ。これは両馬にとって不幸になったが、距離というよりは基礎スピードの幅でミュゼエイリアンの方が広かったのかなという感じ。中距離色強い馬の方が先行馬は残っているしね。
そのうえでやっぱり敗因分析はしていく。ひとまずはこの馬が2400で狙えた理由は基礎スピードの幅が広いが、皐月賞を見てもあのペースではトップスピードまで持って行ってもちょっと削がれてしまうなという感じがあった。ゆったり進めることで長く脚を使っていた馬なのでその点を上手くコントロールできればな、という視点で狙ったのだが、自分の想定が甘くダービーで58.8-59.4と59.2-59.0の皐月賞以上に絶対的に厳しいペースになった。これは2000では基礎スピード的に優位性がなかったこの馬で、2400で更に厳しいペースを追走したことになるのだからここが失速した要因としては一番大きい。
オーバーペースにはならないと踏んでいたのだが、ノリとのギャンブルのかけあいの結果こういう厳しい流れに入り込んでしまったのが全てかなと思う。まあ勝負に出るということはそういうことだから、裏目に出ることもある。逆に今回勝負に出てノリが動かずにキタサンがハナ、そのあとのスピリッツがハナを奪う形ならスピリッツ単騎でキタサンがスロー気味にコントロールできたはず。その点でそういう競馬をしようとしたというのは高く評価したい。そうなっていたら同じくギャンブル的に折り合いを怖がらずに出してポジションをとって行ったドゥラメンテも団子で中弛みだとポジションを押し上げるのもリスクが出てくるし、折り合いに終始して共同通信杯のケースもあったわけで。そういう意味では人事は尽くしたけど勝利の女神がほほ笑まなかったと見たい。今回のケースは距離不安ではなく基礎スピードの範囲を超えたことが大きいと思う。もっとゆったり進められれば距離は問題ないとみている。まあやってみないと分からんけど。北村はこれに怖がらず、大舞台でこういう勝負に行く競馬をしてもらいたいね。今回は負けはしたけどダービーへの執念を感じさせる騎乗という点では評価したい。
直線平坦巧者。末脚が確実。前走は他馬とぶつかる明らかな不利有。オープン特別なら、スムーズな競馬ができれば力量上。
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