2017年3月9日木曜日

フィリーズレビュー 2017 出走予定馬・プレ予想:シグルーン、カデナ撃破の実力馬も…ペースが上がって脆さが出ているのが不安

2017 3/12(日)
第51回 フィリーズレビュー(GII) 阪神芝内1400m
予想用・出走予定馬一覧
フィリーズレビュー2017の予想用・出走予定馬一覧


 新馬戦では先行策から鮮やかに抜け出しカデナを撃破と鮮烈デビューながらもここ2走が物足りないシグルーンがフィリーズレビューに出走予定。新馬戦は強かったがアルテミスステークスではリスグラシューらに力負け。阪神ジュベナイルフィリーズでは持ち味も発揮させてもらえずの大敗だ。仕切り直して桜花賞に向け最後のチャンスを掴めるか。


 タイプ的に見ても基礎スピードが要求されて脆くなっているパターンなので、基本的には阪神1400向きではないだろうなと。


新馬戦 1着 10頭8枠9番
阪神芝外1600m良 1:38.5 52.5-46.0 S^6
12.9 - 12.5 - 13.7 - 13.4 - 12.6 - 11.6 - 10.3 - 11.5

 カデナを撃破した新馬戦はハッキリ言えば直線だけの競馬だったし、その中でしっかりと前を向いてトップスピードに乗せられた分は大きかったかなと思う。それ以上にカデナがスムーズさを欠いた競馬だったのもあるので、あまり参考にはしにくい。ペースが6.5で序盤は歩いているレベル。新馬戦なのである程度極端なスローになることもやむを得んが流石にこれは極端すぎる。その中で外枠からやや出負け、そこからリカバーして持っていって先行策、外枠でどうしても出していった分掛かりながらになるがそれでもドスローなのである程度仕方ない。3~4角で2列目の外から進め、4角出口で仕掛けながら前を向いて直線に。序盤でそこから馬なりで最速地点で先頭に立つ、ただカデナが内で詰まってしまって切り替えて外。L1で踏ん張りたいところだがカデナがジリジリと詰めてくる。それでも何とかねじ伏せきった。これだけの極端なトップスピード戦でとなると外からスムーズに出し切れたのは大きいし、4角地点のL3でも11.6で上がり切っていないからロスもそこまでない。カデナの場合はL2の10.3でトップスピードに乗るべきところで進路を切り替える必要があったしブレーキも少し踏まされた。この辺を考えるとここまで極端な上がり勝負での着順はあまり当てにしにくい。まあドスローで切れる脚を使えたという事実は確かだろうが。5着ジェルファルレイなんかも33.4を使っていて、じゃあこれが後の未勝利でどうかというと勝ち負けレベルに無い。4着馬も勝ち上がったがダートでであるし芝では勝負になっていない。カデナは出し切れなかったにせよこの上がりそのものを評価するのは今の時点まで来てしまうと危険だろう。


アルテミスS(GIII) 3着 18頭3枠6番
東京芝1600m良 1:36.2(+0.7) 48.8-46.7 S^2
12.6 - 11.4 - 12.3 - 12.5 - 12.2 - 11.5 - 11.7 - 11.3

 続くアルテミスSでは3着と一定のパフォーマンスは見せたがあくまで一定である。ペースは2.1でかなりのスロー、中盤も大きく緩むというよりは前中盤一貫してスローという流れ。そこからの3F勝負なのでポジション差は普通に大きかったと思う。その中で内枠から好発を切って先行策、そこから抑えながら2列目に入っていく形で最終的に2列目のポケット。道中もかなりスローな中で前にスペースを置いて3角を迎える。3~4角で逃げ馬を行かせて少し離れた2列目内で加速スペースを取っておく、4角でそれを活かしながら徐々に仕掛けて直線に入ってくる。序盤で追い出されるとスッと反応、逃げ馬との間のスペースを詰めながらL2で外に誘導、しかしリスグラシューやフローレスマジックに差し込まれてキレ負け。L1も伸びで見劣り単独3着確保まで。悪くはないんだけど、じゃあ桜花賞戦線でも2番手グループになってしまったリスグラシューやフローレスマジック相手にどうか?と言われると明らかに足りなかった。この馬にとってはベストと言っていいスローからのトップスピード戦となっていたはずだがそれで見劣ったのは痛かったかなと。ただなんでここまでキレ負けしたかとなると、やっぱり新馬は極端なレベルでドスローだったからこそ究極的な脚を引き出せたと考えた方が良いんだろうなと。このアルテミスSも間違いなくスローだが、それでも48.8、新馬と比べればもちろん3.7秒も入りが違う。前半の基礎スピード面は正直脆そう。


阪神JF(GI) 14着 18頭8枠16番
阪神芝外1600m良 1:36.0(+2.0) 46.7-47.3 M
12.4 - 11.0 - 11.3 - 12.0 - 12.1 - 11.5 - 11.5 - 12.2

 阪神JFではその不安が顕著に露呈した。ペースがさらに上がって一線級での平均ペース。その中で息は入っての3F戦と非常に高いレベルの競馬になったのは言うまでもない。外枠からまずまずのスタート、そこから無理せずに控える形での中団となる。道中も抑えながら、少し掛かっていた感じではあったがそれでも3角辺りではスムーズに進めて外目を追走。4角でも外々から追いだされるがイマイチ反応できずに直線。序盤で鞭が2~3発入るが下がる一方で、そのまま失速した。自分の競馬ができなかったのもあるが、流石にこのペースで前に行くというのは難しかったと思うし、脚を残そうとしたにも関わらず脚が無かったことから考えても前半のペースがここまで上がってしまうと難しいというところだろう。アルテミスSの段階でも悪くはないが新馬で見せた切れ味は間違いなく落としているし、ペースが上がって良いタイプではないのは間違いないだろう。


●2017フィリーズレビューに向けての展望

 もちろん新馬戦みたいに…阪神芝内1400のコースでも入りが37秒、上りが34秒ぐらいの競馬になってしまえばワンチャンスはあるかもしれない。ただそれにしたってジューヌエコールが相当強敵になるし頭では狙いづらいかな。しかも当然だがそんなことは阪神1400ではまずありえない。遅くとも35秒前半の流れにはなるので、そうなるとここ2走の内容から考えれば前半で脚を使うことで持ち味のキレ味が削がれる可能性が当然高くなる。直線が長いコースでドスローからの上がり勝負以外ではここ2走のパフォーマンスでは難しいだろう。アルテミスSのパフォーマンスで考えても今のレベルでアピールバイオに1馬身先着という内容では強気になれないし、京王杯2歳Sでパフォーマンスをあまり落とさず頑張ればレーヌミノルとの比較でみてもスローでどうこうといえる内容でもないかなと。現時点では追い切りで余程良い動きを見せない限りは恐らく馬券的には手を出さないつもり。流石に新馬は極端すぎるし、カデナに勝ったといっても相手がへぐった形で上がりは速いが上位勢も自身に準じるレベル、その上位勢も決してその後結果が出ているわけではないからね。


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