それでは、昨日の共同通信杯を振り返ろう。
リアルスティールは、終始インコースを通って一切ロスのない競馬ができていたし、ハミを噛むことなくスムーズに折り合えている。素直そうな気性で、乗り役に対して従順で、新馬を勝ったばかりとは思えないほどセンスのいい馬だよ。これだけ落ち着きがあれば、距離が延びてもこなせるんじゃないかな。追ってからもしっかりしていて、直線で他馬と並ぶと自分から前へ出ようとするあたり、勝負根性もある。現時点では注文を付けるところがない。楽しみな馬が出てきたね。
思ったほどペースが上がらなかった分、ドゥラメンテはテンからハミを噛んで行きたがっていたね。（石橋）脩も何とかなだめて大事に乗っていたんだけど、結果的に中団まで位置取りを下げた分、直線で外へ出す羽目になったのが痛かった。終始インコースでロスなく運んでいた勝ち馬とは、内と外のコース取りの差が出ただけで、決して力負けではないと思うよ。調教の動きがイマイチでもこれだけ走るんだから、実戦に行っていいタイプなんだろう。直線で一旦は抜け出すかという脚を使っていたし、道中で折り合いに苦労したとはいえ、我慢することを教えられたのも収穫。負けはしたけど、全然悲観することはないんじゃないかな。
アンビシャスも向正面ではかなりムキになって走っていたね。（クリスチャン）デムーロにしては珍しく折り合いに苦労していたほど。初めての千八で、案外ペースも上がらなかっただけに仕方がないだろう。さすがに最後は甘くなってしまったけど、あれだけハミを噛んでもバタッと止まらなかったあたり、２連勝は伊達ではないね。もう１～２回使って慣れさえすれば、千八もこなせるようになると思うよ。
ミュゼエイリアンは中団からジックリ行っていたんだけど、手応えの割に終いは伸びなかったなぁ。追ってからもワンペースの走りで、切れる脚は使えないタイプなんだろう。これならジックリ溜めて終い勝負に賭けるよりも、自分から早めに動いて行った方がいいと思うし、距離ももっとあった方が良さそうだね。
アヴニールマルシェは二の脚がつかずに後方から。終いはそれなりに脚を使っているんだけど、いかんせん道中の位置取りが後ろ過ぎたよ。ただ、ジックリ行った割に伸びが物足りないし、ある程度前で競馬をしたリアルスティールの方が脚色は良かったぐらいだからねぇ…。２歳戦は完成度の高さで頑張れたけど、成長力に欠ける感は否めないね。
ソールインパクトは、スタートで後手を踏んで最後方から。レースの流れに乗り切れなかったんだから、この結果は仕方がないだろう。調教の動きからしてデキは良さそうだっただけに、ちょっと残念な競馬になってしまったね。
ダノンメジャーは中団で流れに乗れていたのに、直線では追うのを止めていた。手前を替えた時にバランスを崩して異常歩様になったから、無理をしなかったノリ（横山典騎手）の判断は間違っていなかったと思うよ。まぁ、今回の結果は度外視でいいだろう。
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