続いて、日曜の京阪杯。
サトノルパンは、1400m以上だと流れが落ち着くぶん、ムキになって自滅するパターンが多かっただけに、1200mのペースで折り合い良く運べたのが一番の勝因だろう。内枠を利してインでロスなく運べていたし、直線でもうまい具合に前が開いたように、まさに「勝ってください」と言わんばかりの展開。この馬とすれば最高の競馬ができていたと思うよ。上のリディル、クラレント、レッドアリオンも重賞勝ち馬で、元々が高い能力を持っている馬。1400m以上に戻るようだと心許ないけど、スプリント路線に照準を絞れば、これからは活躍できるんじゃないかな。
ビッグアーサーは、サトノルパンの後ろのインでジッとしていたんだけど、直線で動くに動けない位置に入ってしまったね。道中で外へ持ち出せるスペースはいくらでもあったのに、藤岡(康)ロスを抑えることを優先してインにこだわったのかな…。前が開いてからの伸びは良かっただけに、馬の力を信じて早めに外へ出していれば、楽に差し切っていただろうなぁ。まぁ、力負けではないし、全然悲観することはないと思うよ。
アースソニックは、外を回るロスはあったとはいえ、枠順的に仕方のないこと。中団でジッとできていたし、不利らしい不利もなく、アッゼニもミスらしいミスをしないで、スムーズな競馬ができていたんだけどね。力を出し切れて3馬身半も差をつけられるんだから、前の2頭には完全に力負けでしょう。大崩れしない点は立派だけど、やっぱりワンパンチ足りないよ。
ベルカントは、スンナリとハナを切って単騎逃げに持ち込めた割に、終いの粘りが案外だったね。コーナーでムキになって息を入れずに走っているのが響いているのか、典型的な夏馬で本質的に寒い時季はイマイチなのか…。調教ではいい動きをしているし、実戦でもその通りの走りができれば、こんなことはないはずだけどなぁ。精神面の問題だとしたら、立ち直るには少し時間が掛かるかもしれないね。
エイシンブルズアイは、好位4~5番手でスムーズに流れに乗れていたし、4コーナーではビッグアーサーの外から蓋をしていたように、ボウマンがうまい競馬をしていたんだけどね。直線ではそのビッグアーサーにアッサリ突き放されたうえに、最後は止まっていたぐらいだから…。アースソニックと同じで、この馬も力負けとしか言いようがないよ。
コパノリチャードは、テンからモタモタしていたし、早々と4コーナーでアラアラになっていたほど。最後もちょっと止まり過ぎで、この馬らしさが全然見られなかったね。調教からして物足りない動きだったように、やっぱりいい頃の状態にないんだろう。
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